腎臓は体内で最も重要なろ過システムの一つで、異常が生じるまで見落とされることがあります。漢方医学では、腎臓はよく「生命の根源」と呼ばれ、特に年齢を重ねるほど、全体的な活力に重要な役割を果たします。それでは、腎臓の働きやそれを向上させるために手軽にできること、そして腎臓病を患った際に効果のあるライフスタイルの変更について見てみましょう。

腎臓とは

腎臓は、胸郭の下の腰背部の背骨の両側にある2つの器官です。豆のような形をしていて（インゲン豆を思い浮かべてください）、大きな拳ほどの大きさで、尿管と呼ばれる2本の管を介して膀胱につながっています。

腎臓の働き

前述したように、腎臓にはろ過機能があります。具体的には血液をろ過し、あらゆる血液が腎臓を通り、代謝物や毒素、過剰な水分、電解質などの老廃物が膀胱に送られ、排泄されます。 ろ過された血液は、循環器系に送り返され、あらゆる臓器や組織に分配されます。また、腎臓は、肺と密接に連携して体内のpHバランスを維持し、血圧を調節することでよく知られている重要なホルモンプロセス、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系（RAAS）に関与しています。RAASもまた、腎臓の血管運動を調節し、塩分と水を常に適切な状態に保って腎臓組織の成長を制御します。[1]RAASは腎臓病の病態生理に直接関係しています。[2]

腎臓が正常に機能しているかを知るには？

腎臓は、膀胱と非常に密接なかかわりがあるため、腎臓の健康状態を最もよく示す指標の一つは排尿です。尿の色、1日の排尿回数、水の摂取量などに注意してください。腎臓に問題がある可能性があることを示すその他の指標は、腰痛や血尿、足や足首の腫れなどです。腎臓の健康が懸念される場合、自然療法では血液検査を行って、腎臓がどれだけ迅速かつ効果的に血液をろ過しているかを評価することがあります。

腎臓をサポートするには？

散歩する

多くの人たちが一日の大半を座って過ごしていますが、運動が健康、特に腎臓の健康に有益であることは言うまでもありません。事実、一部の研究により、運動によって慢性腎臓病患者の腎臓の血液をろ過する働きを改善できることが示されています。例えば、あるメタアナリシスでは、運動療法によって慢性腎臓病患者の推算糸球体濾過量（eGFR）が増加することがわかりました。eGFRは、腎臓が血液をどれだけ効率良くろ過しているかを示す尺度です。[3]運動には、腎臓に対してだけではなく様々な効果があるので、日頃から運動をするように心がけましょう。運動する際は十分に水分補給し、自分の体に適した運動を見つけてください。

自炊する

新鮮な自然食品を摂取することは、腎臓をサポートするうえで非常に役立ちます。既製食品や加工食品の多くには、大量の塩化ナトリウム（食卓塩とも呼ばれています）やその他の添加物や防腐剤が含まれているため、腎臓が血液をろ過する際にさらに負担がかかります。地元のファーマーズマーケットで買い物しましょう。食料品店を好むなら、通常、あらゆる生鮮食品が陳列されている周辺のコーナーだけを見て、加工食品やパック詰めの食品が陳列されている中央のコーナーは避けましょう。

ハーブティーを飲む

腎臓のサポートには、いくつかのハーブが特に役立ちます。私のお気に入りの3つは、パセリ、セイヨウタンポポの葉、イラクサです。こうしたハーブの多くには、利尿作用があり、排尿の回数が増える可能性があります。利尿作用があるハーブは、腎臓機能をサポートするうえで役立ちますが、その安全性は、腎臓の健康状態や糖尿病や心臓病などの疾患、服用している他の薬やサプリメント、ハーブによることに注意してください。薬草を服用する際は、自然療法医やハーバリスト、薬剤師、医師に相談することが大切です。

こうしたハーブの腎臓に対する効果について、大規模な臨床研究に基づく文献はあまりありませんが、こうしたハーブの多く（特にパセリとイラクサ）が古くから使用されています。[4]

しかし、腎臓のサポートにおける役割について研究されているハーブが一つあります。それは、冬虫夏草と呼ばれる真菌/キノコです。一部の研究では、慢性腎臓病患者が冬虫夏草を摂取することで、クレアチニンなどの代謝物を除去する腎臓の働きを改善し、尿中に含まれるタンパク質の量を減少できることが示されました。[5]こうした研究は、薬物療法の補助薬として冬虫夏草を摂取することで、腎機能をサポートし、合併症を減らすのに役立つことを示しています。こうしたハーブを治療目的で使用する際は、標準化エキスの錠剤を使用するのが最も良いでしょう。そして、最終的には冬虫夏草の粉末をスープやシチューに加えて、その味わいを楽しむことができます。

サプリメント

サプリメントを摂取する際は、自然療法医に相談しましょう。ビタミンDやビタミンBなど、不足している可能性があって通常の食事ではなかなか摂取できない栄養素があるかを確認することが大切です。腎機能に障害がある場合、栄養不足がさらに顕著になる可能性があります。 自然療法医は、栄養不足をテストして必要に応じて補充するうえでサポートできます。

ビタミンB6などのビタミンには、腎臓結石の分解を促す働きがあることも示されています。[6]

腎臓の健康に対する役割について研究されているもう一つのサプリメントは、N-アセチルシステイン（NAC）です。この研究では、まず造影剤（イメージングによる色素）腎症に対する効果について評価されましたが、造影剤による腎臓の変化に対するその有効性は証明されていません。[7], [8]しかし、これが関心を生み出し、成人の慢性腎臓病におけるNACの使用に関する系統的レビューが行われています。[9]

また、話題になっているように、コエンザイムQ10によって、様々な腎機能パラメータが改善されるといわれています。[10]

瞑想

腎臓病を患った際に、瞑想が効果的なのをご存じですか？ 事実、ある研究では、マインドフルネス瞑想には、慢性腎臓病患者の血圧とアドレナリンを低下させる効果があることが示されています。[11]この研究では、ガイド付き瞑想を14分間行いましたが、マインドフルネスになるための瞑想法は様々あるので、通常、自分に合った方法を見つけるのが最も良いです。マインドフルネス瞑想では、時間をかけて「気づき」を得て、「今ここ」を見つめて受け入れます。食器洗いや掃除、食事、入浴など、日課を行っている際にもマインドフルネスを実践できます。 判断せずに、その瞬間に起こっていることに注意を向けましょう。

結論

以上が、腎臓病を患った際に腎臓をサポートして健康的な生活を送るための5つの方法で、ランスの良い食事を摂って運動し、お茶を飲み、必要に応じてハーブティーやサプリメントを使用して、瞑想することです。どの方法がお好みですか？