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母乳の利点 - 栄養素や抗体を超える

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母乳の利点 - 栄養素や抗体を超える

by Maria Shapoval, ND

5-3405 South Millway
Mississauga, ON L5L 3R1
www.drmariashapovalnd.com




Seizures: Background Benefits of Breastmilk

母乳の価値は、さらにその性質や健康上の利点が発見されるにたびに上昇し続けています。母乳には、ビタミンDを除く新生児に必要なあらゆる栄養素と、固有の環境に応じて生成された生命保護のための抗体が含まれています。しかし、最近の研究により、この生命の万能薬に隠された宝物が発見され続けています。この記事では、新しい研究をレビューしながら、乳幼児の発育への効果について解説します。

母乳は乳児の合図に応じて変化する

乳児が感染症と闘っているとき、母乳は、目の前の病原体と闘うために特別に調整された白血球をより多く生成するようです(1)。乳児の苦痛が母親の身体によってどのように感知されるかは不明です(もちろん、母親が同じ微生物と闘っている場合を除きます)。仮説の一つは、乳児により吸われて乳児の唾液に触れた母乳の一部が、乳房組織に吸い戻されるというものです。こうして母親の免疫細胞に乳児の危険が伝わることで、今後生成される母乳が変化すると考えられています。このように、乳児のホルモン、免疫サイトカイン、口腔微生物叢は、母乳の免疫物質や栄養素に影響を与えます。超音波研究により、脂肪分が乳輪から乳房組織の奥へと逆行することが示されていますが、この仮説を確証するにはさらなる研究が必要です。

There is melatonin in the breastmilk! Benefits of Breastmilk

メラトニンは、暗い時間帯に成人や幼児の体内の松果体(およびその他の器官)によって生成されるホルモンです。乳児は、生後3ヶ月または4ヶ月になるまで生成されません。胎児は、メラトニンを胎盤から摂取し、一度生まれたら母乳から摂取します。なぜメラトニンが乳児にとって重要なのでしょうか?メラトニンには重要な特徴がいくつかあります。まず、免疫機能を促します。重度の感染症である敗血症と闘う乳児の小規模な研究において、乳児に多量のメラトニンを投与(20mgを1回あたり10mg経口投与)すると、生命が保護され、生存率が上昇することが示されています(2)。もちろん、母乳には研究で使用されたものに比べてわずかなメラトニンしか含まれていませんが、定期的に夜間に複数回与えることで、健康を守り、感染を予防できる可能性があります。母乳に含まれるメラトニンの量は、概日リズムで変動し、夜間に最も多く日中はほとんど存在しません。このため、自然な概日リズムを再現するために、メラトニン入りの夜用粉ミルクの研究開発が検討されています。

また、成人にとってメラトニンは骨の健康維持に役立つ可能性があり、脊椎側彎症(脊椎の骨が発達不良により極度に湾曲した状態)の予防に関する動物実験で有望視されています(3)。人体研究では、メラトニン不足と青年期の脊椎側彎症の発症との潜在的なかかわりが示されています(4)。しかし、現時点において、メラトニンが幼児の骨の発育に影響を与えるか否かは単なる憶測に過ぎません。最後に、メラトニンは成人の消化管で生成され、消化管の運動を調節します。治療においては、メラトニンは胃食道逆流症の治療に使用され、過敏性腸症候群の治療に用いられる可能性があります。乳児にとって、メラトニンは疝痛予防の鍵になる可能性があります。研究によって、母乳のみで育った乳児は疝痛が緩和し、メラトニン生成が変化したといわれています(5)。

It is not sterile

母乳が、健康を促す細菌を増殖させながら、消化管の微生物叢に影響を与えることは、かなり前からわかっています。明らかに、母乳自体のみでなく、授乳の過程も重要です。皮膚の細菌叢は、母乳に含まれる微生物に影響を与えます。これは、搾乳された母乳と乳頭から搾乳された母乳を調べた研究により示されています。乳児に送達され、乳児の便から培養された細菌叢は、こうした過程を経ずに送達された場合とは大きく異なります(6)。乳児は授乳中に乳首と周囲の乳輪をしゃぶるため、皮膚に触れてその細菌叢をかなり吸うことから、これは理にかなっています。母乳に含まれる細菌叢には、ブドウ球菌、連鎖球菌、小球菌、乳酸菌、腸球菌があります(7)。こうした細菌が存在する皮膚は別として、それが母体のどこから来るかについてはまだわかっていません。仮説の一つは、こうした細菌は腸から乳房に運ばれるというものです。もしこれが本当なら、母親の食事と母乳の構成物質のつながりがさらに示されるかもしれません。

母乳は認知発達を促進する

かつて、母乳は受動免疫の源だといわれていました。受動免疫には一時的な保護効果があり、母親の抗体は、乳児の体内に渡って体内に存在する間のみ保護効果があります。離乳時期になると、免疫系は未熟で繊細なままで、独自の抗体を生成して長期的に監視するには、感染性物質に曝されなければならないと考えられていました。しかし、今では、Tリンパ球と呼ばれる母親の免疫細胞が乳児の消化管に入り込んでそのまま留まり、消化管の免疫力を高めることがわかっています(8)。胃腸管の免疫系は、腸の周囲に沿ってパイエル板と呼ばれる壁を築きます。この壁には、様々な免疫細胞が存在し、こうした免疫細胞は、腸を監視して侵入を防ぎ、発見について器官(例えば、所属リンパ節など)に知らせます。乳児の免疫細胞は繊細だといわれ、微生物とあまり触れたことがなく、敵を区別するのが得意ではありません。母親の細胞傷害性T細胞とTリンパ球がこれをサポートします!母親のリンパ球がパイエル板に移動し、乳児の繊細な免疫細胞に指示し始めます。

Benefits of Breastmilk

このように、母乳には効果的かつ長期的な保護効果があり、能動免疫の源としての働きがあります。能動免疫とは、体内の免疫系が防御過程に関与することです。こうした免疫の転移には、急性感染症に対する保護以外に、成人期に至るまで慢性炎症疾患に対する保護効果がある可能性があります。数多くの研究で、炎症誘発状態に向かっている、または炎症誘発状態から離れている全身免疫応答の調節において、消化管が重要であることが強調されています。この仮説は、糖尿病、肥満、心血管疾患などの慢性炎症疾患の発症率の低下と母乳育児とのつながりを実証する研究により裏付けられています。さらに、母親のリンパ球(または母親の微生物)は、セリアック病、喘息、多発性硬化症などの自己免疫疾患を防ぐ可能性があります(9)。

母乳は認知発達を促進する

母乳には、脳由来神経栄養因子、神経成長因子、グリア細胞株由来神経栄養因子、線維芽細胞成長因子など、重要な成長因子がいくつか含まれています(10)。こうした成長因子は、軸索や樹状突起の成長と、シナプス形成と呼ばれる神経間の接続の新たな形成を促すことで、神経発達の調節に関与しています。また、こうした成長因子は、腸管神経系の発達を促進し、腸の成長を促す可能性があります。こうした成長因子は母乳に含まれていて、母親の健康状態により量が異なります。例えば、母親が子癇前症を患っている場合は、患っていない場合と比べて、母乳に脳由来神経栄養因子が多く含まれています。これによって、子癇前症に伴う発達障害や認知障害のリスクの増加が補われるといわれています。実際、母乳で育った乳児は、人工乳で育った乳児に比べ、ベイリー乳幼児発達検査、IQ検査、総合行動評価など、様々な認知・発達評価において一貫して高いスコアを獲得しています。

Benefits of Breastmilk

ドコサヘキサエン酸(DHA)は母乳にも含まれています。この脂肪酸は、母親が摂取している食事やサプリメントにより量が異なります。母乳内のDHAは、乳児に様々な健康上の利点をもたらします。視力が改善するのは、網膜のリン脂質にDHAが含まれているためです。また、一部の研究によると、神経系の構造は脂肪酸に大きく依存していることから、DHAが乳児に良好な神経発達をもたらすことも驚くことではありません(11)。しかし、一部の研究論文により、この栄養素には利点がないことが示されているため、この発見は矛盾しています。前述したように、母乳にはいくつかの重要な成長因子が含まれているため、こうした矛盾が生じるのは、母乳成分に関する研究が複雑であるためかもしれません。つまり、交絡変数をすべてコントロールし、各参加者のサンプルに存在するあらゆる栄養素を評価するのは困難です。腸と脳のつながりに関する最新の研究によると、母乳がもたらす認知機能への効果は、母乳に含まれる細菌叢によるものかもしれないといいます。

結論として、母乳は様々な理由により優れています。最近の研究では、母親のTリンパ球の送達や、夜間のメラトニン分泌を用いた高度な免疫訓練が示されています。メラトニンは疝痛の軽減にも役立つかもしれませんが、これにはさらなる研究が必要です。様々な成長因子や脂肪酸が母乳に含まれていて、神経の保護や発達を促します。母親の食事や環境曝露による影響についてさらに研究されているため、母乳がもたらすあらゆる効果や潜在的なリスクについてより詳しくわかるでしょう。こうした研究は、より質の良い乳児用調製粉乳の開発にも役立つ可能性があり、これは母乳が出ない際や禁忌の場合に必要になるかもしれません。