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亜麻仁

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亜麻仁

By: Monique Aucoin, ND

Justine Blainey Wellness Centre
220 Wexford Rd
Brampton On, L6Z 4N7
905 840 9355
www.MoniqueAucoinND.com


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Flax Seeds




パートI:亜麻仁-栄養いっぱいの小さな種

近年、スーパーフードは人気を博しています。消費者たちは、栄養的に中身が濃く治療効果の高いという点で相当な効き目を持つ食品を、彼らの食事に加えることに興味があります。印象的なほどに非常に広範囲の効果を持つスーパーフードに、亜麻仁(訳者注:亜麻の種子)があります。史学研究では、この小さな種が30,000年前に栽培されていたことが明らかにされましたが(1)、医学研究により、この食品の効能が今後も明らかにされ、人々はこれから何年もの間、この偉大な食品を摂取し続けることでしょう。

亜麻仁は、健康上の効能に寄与するいくつかの成分があります。それらはαリノール酸(ALA: alpha-linoleic acid)とオメガ3脂肪酸とを含みます。オメガ3脂肪が濃縮された菜食のための食品源は少なく、亜麻仁は最も高濃度を含有しています(2)。オメガ3脂肪は、体で生産することができない上に北米の食事では概して含有量が低いため、食事に不可欠です。オメガ3脂肪には抗炎症的属性があります(3)。炎症を減らすことは、全体的な健康増進の重要なゴールであり、心疾患、関節炎そして炎症性腸疾患といった範囲の病状の治療に役立ちます。

亜麻仁は、多くの人々が十分な量を摂取していないもう一つの栄養素である食物繊維も相当量含有しています。食物繊維は、満腹感獲得の助け、コレステロールの抑制、消化の調整において、重要な役割を果たします(4)。

更にユニークな亜麻の一面は、植物性エストロゲンの一種であるリグナンの濃度が非常に高いことです。この植物ベースのエストロゲン様成分は人体内でホルモンに作用を及ぼします(5)。

亜麻は食事に、種子全体、すり粉、油といったいくつかの形で加えることが可能です。油は亜麻のオメガ3脂肪源の濃縮源である一方で、食物繊維とリグナンは含みません。

亜麻を食事に組み込むためには多くの方法があります。全てのナッツ類や種子類のように、亜麻はオートミール、シリアルやヨーグルトに簡単に加えることができます。種子のすり粉も、スムージー、ミートボール、チリやパスタソースのような様々な食品目に混ぜ込むことができます。パンや菓子を焼く際には、1/4カップの亜麻仁のすり粉を1/4の小麦粉の代用として使えます。多くの“亜麻強化”製品も入手できる一方で、亜麻が栄養上の効果よりも装飾に使われているような非常に少量しか含まれていない製品もあるため、製品中の亜麻の量を確認することが重要です。亜麻仁油はスムージーやサラダドレッシングに添加できますが、熱耐性が低いため料理には使うべきではありません(6)。

この記事の続きの3パートでは、この小さな種子を食事に組み込む際の印象的な効果について詳細に検討します。



Flax seeds - Hype or superfood?

パートII:亜麻仁と消化
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 Flax Seeds and Digestion

最も良く知られる亜麻仁の役割の一つは、小さな種子に食物繊維がつまっていることです。食物繊維という用語は、野菜、果物、ナッツ類や種子類そして全粒に見られる消化しにくい炭水化物を意味します。北アメリカ人の多くは、最も健康に良い推奨量が毎日35-50グラムであるのに対して、たった5-10グラムしか摂取しません(1)。大さじ2杯分の亜麻仁は食物繊維4gを含んでいます。

食物繊維は、老廃物を排出することで最も知られる身体機能の領域で、驚くべき役割を演じます。食物繊維は消化することができないため、便の重を増し、便が消化管を通過する速度を上げながら、消化管をそのまま通り抜けます。食物繊維により効率的な排便が促される結果、有害な老廃物が結腸壁に接触する時間が減ります(2)。

結腸・直腸ガンの症例の約半数は、劣悪な食事と座りがちな習性が原因であることが知られています。食事からの食物繊維摂取は、保護作用があることが知られています(2)。これは、便の動きが速くなるため、あるいは便中の有害物質が薄まるためかも知れません。新しいエビデンスは、消化管のバクテリアがこの保護作用に関わっている可能性を示唆しています。これらのバクテリアは食物繊維を食料源として用い、副産物として酪酸塩を生産します。予備研究ではあるものの、いくつもの動物実験で、酪酸塩がガン細胞の成長を抑制しガン細胞死を誘発させることが示されました(2)。

食物繊維を含む食事は血糖調整に効果があります。消化管内に食物繊維があると、炭水化物の吸収を遅め、食後の血糖の急峻な高まりを減少させますが、これは体重管理と糖尿病とに非常に良い効果を及ぼします(1)。ある小規模な研究では、II型糖尿病患患の毎日の食事に亜麻仁10gを加えました。ほんの1ヶ月後には、血糖値は20%、高血糖への曝露の度合いを示すヘモグロビンA1Cは16%、それぞれ減少しました(3)。

消化しにくい食物繊維を摂取することのもう一つの効能は、食後の満腹間を促すことです。研究によると、2つの食事のカロリーを同じに保ったとき、食物繊維のより多い食事は、より大きな満腹感および後のより少ない空腹感をもたらすことが示されています(4)。それに加えて、人が選べるだけ食べることができる場合には、食物繊維を14g増加が摂取カロリーの10%減少およびその後の減量と関連しています(4)。

多くの人々は、食物繊維は腸機能を改善するという考えに馴染みがありますが、食物繊維の効能は明らかに、健康促進に関する他の多くのエリアに拡張できます。



Flax seeds - Hype or superfood?

パートIII:亜麻仁と心疾患
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Flax Seeds and Heart Disease

心疾患は、全世界の死亡原因のナンバー・ワンです(1)。心臓発作と卒中とは、心臓や脳に血液を供給する血管がプラークで塞がるときに起こります。プラーク形成の原因には、高コレステロール、高血圧そして高レベルの炎症・酸化といった多くの要因があります。亜麻仁はこれら全てのリスク要因に対するプラス効果があるようです。

近年の研究では、閉経後の女性たちに38gの亜麻仁あるいはパンや焼いた食品という形でヒマワリが与えられました。両方のグループで、総コレステロールの減少がありましたが、亜麻仁によつ治療でのみ、プラーク形成LDLコレステロールの減少(14.7%)が起こりました(2)。別の研究では、高コレステロールの患者たちを、低脂肪食、低脂肪食+スタチン(一般的なコレステロールの薬)、低脂肪食+亜麻仁、の3つのグループに割り振りました。亜麻仁を摂取したグループでは総コレステロールとLDLコレステロールとに著しい減少があり、そしてこの結果はスタチン投薬を受けたグループと比較しても違いがありませんでした(3)。

それほど文献にはなっていませんが、亜麻仁は血圧降下作用があることを示す研究がありました。閉経後の女性たちに対して40グラムの亜麻仁の補給を行った大規模な調査では、収縮期血圧および拡張期血圧の著しい降下が起こりました(4)。これらの作用は穏やかであるとは考えられるものの、3mmHgの血圧減少は冠状動脈性心疾患リスクを5%、卒中を8%、そして全死因死亡率を4%、それぞれ減少させる可能性があることが認められました。

血圧とコレステロールとは、比較的よく知られた心疾患のリスク因子ですが、研究ではプラーク形成に炎症と酸化作用とが大きく寄与していることが明らかになりました。亜麻仁の中に含まれるリグナンは、万能抗酸化物質として作用することが分かりました(6)。オメガ3脂肪は、プラーク形成を抑制する抗炎症作用があることで知られています。いくつもの調査で、複数の炎症マーカーとプラークを血管壁に固着させる働きを持つ分子とを、亜麻が減少させることが示されました(6)。

心疾患を発症させる体内のプロセスはきわめて多数でかつ複雑です。研究は予備段階ですが、亜麻仁に含まれる成分は、病気を生むこういった多くのプロセスを妨げる優れた力を持ち、心血管の健康を維持するのに大きな役割を果たしている可能性があることを示唆しています。



Flax seeds - Part IV: Flax Seeds and Hormones

パートIV:亜麻仁とホルモン
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Flax Seeds and Hormones

エストロゲンは卵巣で生産されるホルモンの一つで、性と生殖に関する健康および体内の他の機能において多くの重要な役割を果します。体内のエストロゲンの量のバランスは精密に保たれなくてはならず、エストロゲンが少な過ぎると骨の健康やコレステロールのバランスに悪影響を及ぼし、多過ぎるエストロゲンに曝されると、月経がより長年ある女性たちやホルモン補充療法を受けている女性たちに見られるように、乳ガンや卵巣ガンのリスクを高めます。エストロゲンは、乳房や卵巣の組織内のエストロゲン受容体を刺激することを介して細胞の成長を促進します。このような成長は、体内の多くの機能にとって妥当ですが、ガンのような場合には不適切です(1)。亜麻は、いくつかの異なるメカニズムを通して、過剰なエストロゲンによるマイナスの作用を最小化するのを助けます。

亜麻仁は、体内で作られるエストロゲン分子と似通った分子である植物性エストロゲン類を含んでいます。植物性エストロゲン類には、エストロゲン生産を抑制する作用があります(2)。またエストロゲン受容体と相互に作用しますが、でもエストロゲンよりも穏やかな影響を及ぼします。体内のエストロゲンレベルが低ければ植物性エストロゲン類は刺激するよう働き、その一方で、エストロゲンレベルが高ければ植物性エストロゲン類の影響は弱まり、エストロゲン受容体への刺激が減少します(2)。その結果、植物性エストロゲン類による作用のバランスは全体として保たれます。

亜麻はまた、体がホルモンを取り除く方法に影響を及ぼします。体からエストロゲン分子が除去されるとき、肝臓内でのとある反応を経て、2-,4-ヒドロキシエストロゲンおよび16-ヒドロキシエストロゲンといった、いくつかのエストロゲンが副産物として生じます。2-型はエストロゲン活性作用が元々の化合物よりも小さく、一方で16-型ではより大きいため、16-型エストロゲンのレベルが高く、2-型のレベルが低い女性たちでは、乳ガンおよび子宮ガンを発症するリスクがより高いことが知られています(3,4)。亜麻仁のリグナンは、2-ヒドロキシエストロゲンの生成量を増加させることにより、エストロゲンからの生成物の比にプラスの効果を及ぼすことを示しました(5)。

亜麻がホルモンのバランスに影響を及ぼすもう一つの経路は消化管の中にあります。肝臓でホルモンが代謝された後、便により排泄するためにそれらは消化管に運ばれます。しかし、消化管内のホルモンは再吸収され体内循環へと戻される可能性があります。排泄物が消化管内で動くスピードを上げることにより、ホルモンの再吸収が減少し、それにより活性のあるエストロゲンの量が体内で減少します(6)。

体内のエストロゲンのレベルおよびエストロゲンの活性を正常化し、体を乳ガンおよび卵巣ガンから保護するのに加えて、亜麻にはガンを直接抑制する作用もあります。植物性エストロゲン類には、細胞増殖と細胞死とを引き起こす細胞内のタンパク質に働きかける力があります。いくつかの動物実験では、腫瘍や腫瘍再発といった前ガン性細胞変性の頻度を減少させる力が示されました(2)。

体内で適切なホルモンのバランスを維持することは、いくつかの種類のガンに対する保護作用となる可能性があります。亜麻仁は、おびただしい数の方法で体に作用して、エストロゲンの生産や活性および排泄を調節するだけでなく、ガン細胞も直接抑制します。