身体的フィットネスのための魚油―二番目に良いワークアウトのパートナー

あなたはフィットネス目標のためにどのサプリメントを飲んでいますか？運動選手に尋ねたり、あなたのお気に入りのウェブサイトを見たりしてみて下さい。そうすれば、筋力増強、耐久性、回復、そして健康全般を支えるのに役立つ多くの様々なカプセルや粉末の一覧が得られるでしょう。私は自然療法医として、フィットネス目標を達成するためにもっと努力したいと思う人々にとって、どのサプリメントが最善かを、科学と研究との根拠を伴って、理解してもらうことを生業としています。

私が患者さんのための推奨事項を作成する際には通常、健康的な食事と生活習慣とに重きを置きますが、これは運動能力を改善し高めるということについても手始めとして最善です。それに加えて、プロテイン・パウダー、ビタミンやミネラル、アミノ酸、そして電解質溶液といった様々なフィットネス強化製品もお勧めです。これらはフィットネス界では新しいものではありませんが、しばしば私は、運動能力改善に関して通常考慮されない一つの事項を推奨しています。それは魚油です。

魚油は、エイコサペンタエン酸（EPA: eicosapentaenoic acid）およびドコサヘキサエン酸DHA: docosahexaenoic acid）として知られている、オメガ-3必須脂肪酸の優れた供給源であり、運動能力だけでなく全体的な健康一般をも改善するその働きにより、全てのフィットネス法に加えるのに素晴らしいものす[1]。オメガ-3脂肪酸は”必須”であることが分かっていますが、これはオメガ-3脂肪酸が体の多数の生理学的機能に必要とされているからです。しかし、体はこれらの脂肪酸を最小限の量しか生産することが出来ず、そのためオメガ-3脂肪酸は食事やサプリメントから摂取しなければなりません[1]。一般にオメガ-3脂肪酸は、心血管の健康および気分のバランス、そして強力な抗炎症作用といった好ましい作用で知られ、更にスポーツクラブでのあなたのトレーニングを後押しして、”長鎖多価不飽和脂肪酸”と言い終わるよりも速くあなたの目標を達成させることでしょう。

ですから、もしスポーツクラブのメンバーシップを最大限に利用したいというお気持ちがあるならば、次回、お気に入りのプロテイン・パウダーや分枝鎖アミノ酸を置いている健康食品店に行く際に、高品質魚油も買って来るのを忘れないで下さい。以下は、何故あなたの運動メニューに魚油サプリメントが必要かという理由トップ5です。

筋肉を付けるためには、筋タンパク合成に必要なアミノ酸を供給するたんぱく質が必要です。しかし、もし構成単位であるこれらのアミノ酸を筋細胞に取り込むための（たんぱく質と同じくらい重要な）能力が不足しているならば、プロテイン・パウダーのストックは全て水の泡となってしいます。

筋肉を付けるという魚油の作用は、筋タンパク合成におけるインスリンの働きを支える力にあります。インスリンは、私たちが食べた炭水化物およびたんぱく質に反応して、すい臓から血流中に分泌される（ホルモンと同様の）機能たんぱく質です。分泌されたインスリンは筋細胞を含む様々な体組織に到達しますが、筋細胞にはインスリン受容体がずらりと並んでおり、それによりアミノ酸が細胞内に入ります。このシグナルが次に、たんぱく質合成を増加させる生化学反応を引き起こし、その結果、筋成長が促されます。

年齢25-45歳の被験者たちを対象としたある最近の研究では、一日あたり1.86gのEPAおよび1.5gのDHAを供給するような4g/日の濃縮魚油を8週間補給すると、筋たんぱく質同化作用および筋細胞増殖に欠かせないと考えられているmTOR/p70 S6K信号経路の活性上昇により、アミノ酸およびインスリンに反応した（筋肉を付ける）同化作用に有意な増加があることが示されました^[2]。この研究は、インスリンと筋たんぱく質合成との間の関係を支える魚油の働きを示唆しています。魚油はあなたにとって新しい最高の重量挙げのパートナーかも知れません！

筋肉量の増加は、強く、速く、そしてより敏しょうになりたい全ての運動選手にとって、不可欠なものです。しかし、フィットネス目標の達成という点で、得たものの維持は同様に大切です。筋肉は継続的な同化作用（構築）および異化作用（分解）のプロセスを繰り返しますが、もしこの均衡が崩れて、特定の健康上の病体や長期間の絶食といった、異化状態に傾けば、筋肉量低下や衰弱を引き起こすでしょう。

研究によると、魚油は、EPAがユビキチン-プロテアソーム系に及ぼす作用により、筋たんぱく質の異化作用を抑えると見られており、これが筋肉の分解において何らかの役割を果たし、あなたがスポーツクラブで時間を費やして得た筋肉を保持するのを助けます[3]。

魚油の抗異化作用はコルチゾール値を低下させることも示されました。コルチゾールはストレスホルモンであり、慢性的な上昇は筋組織だけでなく他の多くの有害な影響を引き起こす可能性があります[4]。ストレスに対する私たちの反応をコントロールすることは、健康全般およびフィットネスの両方に欠かせません。

もしあなたが毎日魚油を摂取するだけで強くなれると言われたらどう思いますか？スポーツクラブで重量上げをするのはそれほど簡単ではありませんが、成人ほぼ3000人（年齢59から72歳）を対象としたある調査では、脂の乗った魚の摂取は握力増加との関連が高いことが示されており、それは一週間あたりの青魚の摂取増加1ポーションあたり男性で0.43kg、女性で0.48kgでした。これらの同一線上に、ある6ヶ月間の対照試験では、毎日の魚油サプリメント（1,200 mg EPA + DHA）により、歩行スピード測定による運動能力が有意に改善することが報告されました^[5]。

更に、ある90日間の試験では、女性たちが無作為に3つのグループに割り振られ（筋力トレーニングのみ、筋力トレーニングと魚油サプリメント[最大400 mg EPA + 300 mg DHA]、またはトレーニング前60日間の魚油サプリメントに続く筋力トレーニングと魚油サプリメント）た結果、筋力トレーニング単独でも筋力が上昇した一方で、この効果が魚油補給群でより大きいことが分かりました。

もしあなたがきついワークアウトを行った結果、筋肉痛になったことがあるならば、運動誘発性筋損傷の苦しみをご存知ということです。スポーツクラブで何らかの成果を得るためにはまず通常の限界を超えて筋肉を動かさなければなりませんが、これはミクロでは筋肉繊維を損傷させます。そして、運動選手のトレーニングメニューという視点からは、筋肉のサイズと強さとを増強するためには筋肉繊維損傷が欠かせない一方で、痛みおよび運動機能とを低下させ、パフォーマンスおよび持続性を損なわせるかも知れません。

一般に、非ステロイド抗炎症役（NSAIDs: nonsteroidal anti-inflammatory drugs）はこれらの症状の緩和を助け、アラキドン酸（オメガ-6脂肪酸の一つ）が炎症性分子へ転換するのを阻害することで鎮痛作用を発揮しますが、この炎症性分子というのは疼痛反応に寄与します^[6]。

魚油に関しては、オメガ-3脂肪酸の補給は実際、細胞膜内のアラキドン酸値を低下させる可能性があり、ですからこの脂肪酸の炎症性分子への転換を減少させ、運動誘発性筋損傷の開始を妨げるのに役立つことが研究により示されました。このように、もし運動後の筋肉痛で動くのが難しいならば、きついワークアウトの後にもスポーツクラブに通い続けるために、何らかの魚油を毎日のルーチンに組み込むべき時かも知れません。

筋肉は全ての運動に必要不可欠であると同時に、骨格系は文字通り、それらを一つに繋ぎ留めて、運動の上達のために筋肉が働くのに必要な構造をもたらします。カルシウムやマグネシウムといった栄養サプリメントはしばしば骨支持を目的として利用されますが、オメガ-3脂肪酸も骨の健康に一役買っていることをご存知でしたか？

赤血球細胞のオメガ-3脂肪酸値が高いと、腰の骨折リスクが低下し、骨ミネラル密度が増大するだけでなくカルシウム調節ホルモンに好影響をもたらし、骨を強く健康に保つのを促すことが研究により示されました[7]。牛乳は忘れましょう。新しい健康的な骨のサプリメントの登場です！

私たちは、身体的なフィットを手に入れて、運動上の目標を達成するためには努力しなければならないことは分かっています。最高の体調を手に入れるためには時間を費やさなければならないことに代わりはありませんが、目標達成に役立つような、科学を利用した生理機能を高める多くの製品やサプリメントが存在します。プロテインのスムージー、クレアチン・パウダー、そして一般に知られている他のフィットネス製品は、既にあなたのフィットネスプログラムの一部かも知れません。しかし、あなたのフィットネスや健康全般を更に支えるために、冷蔵庫に魚油を置く余裕を持つと良いでしょう。