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不安神経症と不眠症-睡眠・不安サイクルを断ち切る

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不安神経症と不眠症-睡眠・不安サイクルを断ち切る

by Katie Thomson Aitken, ND
86 Norfolk St #101, Guelph, ON N1H 4J2
tranquilmindnaturopath.com







Why Do We Get Cancer? - A Review of Causes





不安神経症は極めて一般的な病態で、実際、アメリカ疾病予防管理センターにより、不安神経症は精神疾患で最多の類であることが報告されています[1]。それとは別に、不安神経症の60-70%の人たちは睡眠が困難であることも報告されています[2]。これは、良く眠れないほど精神的苦痛が大きく[3]、良く眠れないと不安症状が悪化する[4]ことから、問題です。幸いなことに、睡眠衛生対策によって、少なくとも一部にしろ、不安が不眠症の程度に及ぼす影響を調節することが示されています[5]。鍼や特定の薬草といった他の自然療法も、睡眠および不安の両方のスコアを改善することが明らかとなっています[6][7]。

不安神経症の人々はしばしば良く眠れないと言います。パニック障害および全般性不安障害(GAD: generalized anxiety disorder)の患者さんたちは、睡眠潜時が増加、つまり眠りに落ちるまでにより長く時間がかかります[2]。人がどんなに眠れなかったかと考えることは不安スコアを高めることも分かっていますが、これは睡眠研究において常に真実という訳ではありません[3]。要するに、大きな精神的苦痛がある人たちにおいてのみ、睡眠についての知覚が、実際にどれ位良く眠れたかあるいは眠れなかったかと関係するのです[3]。つまり、どんなレベルの不安でもよく眠れなかったと人に思わせる可能性はありますが、非常に不安の強い人だけが睡眠についての知覚と実際の睡眠の質とが実際にマッチしているのです。

さて、不安神経症の患者さんの多くは良く眠れていません[4]。どれだけ良く眠れたかと思うことと、実際にどれくらい良く眠ったかが合致しない場合でさえ、不安神経症の人たちは良く眠っていません。睡眠は、人の思考能力を損ないますが、それに加えて“不安神経症で見られる精神面での調節異常に一役買っている可能性”もあります[4]。これは、不安が睡眠に悪影響を及ぼし、不眠が不安のフィーリングをもたらすという、悪循環に寄与する可能性があります。

Why Do We Get Cancer? - A Review of Causes

幸いにも、ある研究では、睡眠衛生習慣の利用によって、不安神経症が不眠の程度に及ぼす影響が調節される可能性が示唆されています[5]。不安神経症および不眠症の患者さんが睡眠衛生に取り組むことにより、不安神経症が不眠症に及ぼす悪影響を調整することが可能かも知れません。これは実際、より良く眠り、より少なく不安を感じるという視点からは、何を意味するのでしょうか?

定期的な運動

運動は人の健康の多くの面で実に重要ですが、それには睡眠も含まれます。運動は、睡眠障害の有無に関わらず、全ての人の睡眠を改善します[8]。俗説とは反対に、運動するタイミングは問題ではありませんが、運動後に眠るのが難しいと感じるならば、就寝直前にはワークアウトしない方が良いでしょう。

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カフェイン(ニコチンおよびアルコール)

もし眠りに問題があるならば、夕食後のエスプレッソをやめるのが賢明です。日中のコーヒー飲用についての研究結果は様々ですが、これは恐らく各人のカフェイン代謝速度が異なるためで、夕方のカフェインは眠りを妨げ[8]、夕方のコーヒーは不眠症の際には避けるべきでしょう。CUPPA JOEのコーヒーは朝まで我慢して下さい。

ニコチンおよびアルコールについては、あなたの睡眠に良いことはありません。喫煙は、喫煙常習者であろうと就寝前に一本だけの習慣だろうと、睡眠を妨げます[8]。アルコールは睡眠潜時を短縮し、眠りに付き易くすることから、睡眠を促すように見えますが、夜の後半の睡眠の質を低下させるのです[8]!アルコールは睡眠に良くありません!これらの睡眠かく乱物質の使用中止が必ずしも睡眠を望み通りに改善することはありませんが、これらがご自身の睡眠にどれくらい大きく影響しているのかを見積もることは大切です。

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ストレス管理

ストレスを感じている際には、入眠および眠り続けることが困難です[8]。ストレスを減らしてより簡単に眠りに付くための多数の様々な方法が存在します。この点では、あなたのストレス解消方法は問題ではなく、ただ実行するのみです[8]。睡眠を促しストレスを低減するための、私のお気に入りの方法はEpsomソルトとラベンダーのエッセンシャルオイルのお風呂に入ることですが、ヨガをしたり、日記を付けたり、あるいは深呼吸や瞑想など、あなたがその日一日を離れて眠る準備をするのに役立つことすると良いでしょう!

規則正しい睡眠スケジュールの維持

規則正しい睡眠スケジュールの維持

スクリーンの禁止

睡眠はメラトニンと呼ばれるホルモンによって適度に調節されています。あなたの体は暗い時にメラトニンを生産します。問題は、電気の発明でこの惑星の夜はどんどん明るくなっただけでなく、携帯電話の登場で夜間に光だけでなくスクリーンにも晒されてしまうため、この問題が更に悪化していることです。多くの人々が就寝前に明るい光を直接目に照射しているのです!スクリーンを眺めるのを減らすだけでなく、就寝時間までに何らかの間隔を置いて下さい。

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これら全てを試してまだ良く眠れなくても、睡眠衛生が不安神経症の人の睡眠を改善する唯一の方法ではありませんので、思い悩むのは止めて下さい。睡眠衛生とは別に、鍼が不安および不眠の両方のスコアを低下させることが示されました[6]。鍼は、中国伝統医学の人体理解の体系の一部です。このモデルにおいて、症状は異なる臓器システムに分類された上で、治癒を促し症状を解決するための治療が施されます。不安症状は、息切れや動悸のように、心臓の症状です。中国伝統医学では、眠れない事も心臓システムの一部で、ですから、この臓器システムを支えるツボを選ぶことが不安と不眠の両方に良いであろうという事は理に適っています。

しかし、ある調査では、上述の”経絡のツボ”に加えて、特に睡眠に効果的な三つの“安眠のツボ“も選ばれたことから、物事はより興味深くなっていす[6]。これらに鍼の施術を行った際、患者さんたちによって睡眠のより一層の改善が報告されました。更に注目すべき重要なことは、安眠のツボ群では、不安および抑うつのスコアの改善もより効果的であったことです[6]。安眠のツボが気分を直接改善したのか、あるいは睡眠の増加がより良い気分スコアをもたらしたのかを突き止めるのは困難ですが、これは、不安および不眠の両方で改善を見るために、二つの症状の治療することの重要性を際立たせています。

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薬草も、多数のハーブが不安神経症および不眠症の治療と同様の生化学経路に作用するため、不安および不眠の治療に利用することが可能です[7]。GABAを調節し、睡眠と不安の両方に役立つハーブがある一方で、サーカディアン・リズムを修正することにより作用するハーブもありますが、これらも同じく不安と不眠の両方に役立つでしょう。これらのハーブの中で最も研究されているものは、Piper methysticumで、一般にカヴァという名で知られています。これはGABA経路に作用するようです[9]。カヴァは、不安神経症の治療における効能について最も研究されている一方で、その作用機構および初期のマウス実験に基づくと、不眠症の治療にも価値があると考えられています。歴史的に不眠症に利用され、GABA経路に作用すると思われる他のハーブには、ナツメ、カノコソウ、タツナミソウ、そしてモクレンといったものです[9]。

不安および不眠を治療するための多くのアプローチがありますが、これらはお互いに強く影響し合い、正あるいは負のフィードバックを作り出す可能性があることを認識するのが重要です。人が不安を感じているために眠れない場合、この睡眠不足は脳の感情を調節する力に対して更に影響を及ぼし、その結果、より不安が強まるかも知れません。その一方で、眠れることの出来る人は、感情調節の働きが高まり、不安が弱まるかも知れません。不安と不眠のある人たちでは、結果は明らかです。最大限の改善を得るためには、両方の症状に取り組む必要があります。