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酒さ-自然療法的アプローチ

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酒さ-自然療法的アプローチ

アン・フセイン自然療法医師、出産ドゥーラ

The Wellness Group Aurora
15620 Bayview Ave, Aurora, ON L4G 0Y7
http://www.annehussain.com/

酒さ-自然療法的アプローチ




はじめに

酒さは複合的な皮膚疾患で、一時性あるいは持続性の赤みと顔面紅潮とが特徴です。酒さの原因は明らかではないものの、遺伝、環境要因、食事、病原菌、そしてストレスのような様々な要因が存在します。炎症、血管の変化、そして神経経路の変動は全て、酒さの発症および継続に関係しています。[1][2]

酒さを刺激するものには、ストレス、スパイシーで辛い食べ物や飲み物、アルコール、温度の変化、ホルモンの乱れ、そしてニキビダニへの二次的局所感染といったものがあります[3]。これらの刺激は血管拡張、新たな血管の形成、そして皮膚に炎症性の変化を引き起こします。


症状および生活の質への影響

酒さの診断の中心的基準である特徴は、鼻と頬周辺に拡散した赤みです。この赤みおよび顔面紅潮は、赤色や紫色の血管やニキビと類似した吹き出物が伴われている可能性があります[1][2]

女性、とりわけ北半球で帝王切開を経験した女性の方がより酒さを発症し易い傾向にあります[2]。酒さは肌の種類とは特別関係がありませんが、赤みが出た顔面上の箇所の周辺部分に乾燥があることが患者さんにより報告されています[2][4][5]

Health Components of Coffee

酒さの症状は、チクチク感、ヒリヒリ感、そしてかゆみといった物理的な不快感を引き起こすかも知れません。身体的な症状に加えて、目に見える皮膚疾患があるという心理社会的な影響は、酒さの患者さんのために取り組むべき重要な側面です。恥ずかしさ、不安、抑うつ、そして自尊心の低下は、酒さだけでなくニキビ、乾癬、そして湿疹の患者さんで一般的です[5][6]。このように患者さんの生活の質には悪影響がありますが、患者さんは酒さが生活の質に及ぼす影響について、医療専門家の助言を必ず求めるという訳ではありません[6]

しばしば、患者さんは市販外用薬に頼り、様々なナチュラルなあるいは代替の治療法で、乾燥、ヒリヒリ感、チクチク感、かゆみ、こわばりといった酒さの症状の緩和を試みます[7][8]。患者さんは、顔の赤みを隠すために化粧をし、心理的に楽になろうとする傾向もあります。大部分の皮膚疾患では、患者さんは酒さに対処するための迅速で簡易な方法を望みます。


従来の治療法

酒さの従来の治療法には、抗生物質、抗炎症剤、そして他の薬剤の利用、レーザー、電気外科処置、そしてトリガーの回避といったものがあります。

抗生物質や抗菌剤の外用および内服は炎症性の吹き出物や小節を抑えるために使われます。酒さに良く利用される抗生物質は、通常、広い抗菌スペクトルを呈するもので、長期的に利用する際には、とりわけ体の内部および外部の微生物叢を乱してしまうため、皮膚を損傷する可能性があります[7]。これらの薬剤はニキビダニおよびニキビダニに付いているバクテリアにも役立ちます。幾つかの場合、これらのダニには酒さと因果関係が認められますが、その特定の働きはまだ議論下にあります[7]

電子外科的処置およびレーザー治療は、新たな血管形成および炎症性分子の放出を減少するのに役立ちます。これらの治療は、コラーゲン生産や、肌のリモデリング(体が肌を構築する方法)にも有益です。

他の従来療法には、赤みに効くブリモニジンのジェル、顔の血管の収縮を抑える降圧剤、そしてアルコールやスパイシーな食物のようにトリガーとなる可能性のある食品の回避といったものがあります[4]

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従来療法は良好な結果を示していますが、一般に、治療終了後間もなく再発します[1]。更に現時点での従来療法には、酒さ罹患を原因とする心理学的な影響への考慮がありませんが、これは高い再発率の要因に大きく寄与している可能性があります。生活の質に対する悪影響を検討し、場合によっては資格を持つ専門家へ患者さんを紹介することが、この場合には慎重なステップと言えそうです。


酒さに対する自然療法的アプローチ

自然療法医は酒さ(および他の健康上の懸念)に対して、この病態の多因的な性質および体の異なるシステム間の相互作用を考慮に入れて、全体的アプローチを取ります。皮膚は、明らかに、こう薬療法で症状の緩和・治癒を計らなければなりませんが、酒さの患者さんの大部分では、ホルモン、食事、消化、免疫、睡眠、そしてストレスのうち一つ以上に取り組む必要もあります。

こう薬療法

多くの女性は、赤みを最小限に抑えるのに役立つ様々なスキンケア製品を購入し、とりわけ長期的な使用では更に肌にダメージをもたらす可能性のある製品すら使用します。

抗菌作用および抗炎症作用を有するアゼライン酸は、クリームとして一日二回、三ヶ月間塗布すると、酒さの赤みや吹き出物を減少させることが示されました[9][10]

臨床的に、ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、そして椿油は、それ単独で、混合して、あるいは保湿剤と混合して使用する際に、保湿剤としての働きが良好です[11]。これらのオイルは肌の健康に良く、全てのタイプの肌に適しており、目詰まりしにくく、肌の保湿、くすみの改善、そして治癒に必要なビタミン・ミネラルが豊富です。これらのキャリアオイルに希釈して混合可能な酒さのためのエッセンシャルオイルには、ネロリ、永久花、そしてラベンダーといったものです。適当に組み合わせる際、酒さの赤み、吹き出物、血管、そして不快感に、これらの植物油は有効でしょう[11]

一日20mgという比較的低用量の亜鉛の補給は、3ヶ月にわたる酒さ症状の度合いの75%の減少と関連しています[9][12]。体への吸収はピコリン酸亜鉛やクエン酸亜鉛の方が優れている可能性がありますが、亜鉛の長期的な利用については有資格医療専門家と相談した上で行われなければなりません[9]

抗酸化物質は、免疫、血管、そして皮膚の健康において主要な役割を果たします。ビタミンC、緑茶、そしてケルセチンは、臨床上、酒さ症状の度合いに良好な影響を及ぼすことが示されました[11]

一般的な過敏症誘発食品に加えて、酒さ患者さんには一般にアレルギー検査ではチェックされないような別の食物過敏症があるかも知れません。酒さ患者さんには、低胃酸や低消化酵素、腸毒素症、そして消化管の炎症も見られる可能性があります[9][13][14]

消化を支えるためには、塩酸、消化酵素、プロバイオティクスや、胃酸の生産や消化管の治癒を助けるハーブの調合といった様々な形態のサプリメントが利用可能でしょう[11]

ハーブはチンキ剤、カプセル、お茶、そしてオイルの形態で利用可能です。以下は、酒さ患者さんで臨床的に良い結果が得られた事例の幾つかです[11][15]

  • • 胃酸や消化酵素の分泌を促すには、ショウガ、リンドウ、そしてアーティチョークのようなハーブが利用可能です。

  • • 睡眠を助け、消化管内のガス生産を促すには、レモンバーム、カモミールやトゥルシーが利用可能です。

  • • 更年期前後のホルモンをサポートするには、ブラック・コホッシュやセージが利用可能です。

  • • ストレス管理、免疫、そしてホルモンの変化に良い強壮効果のあるハーブには、アシュワガンダ、甘草、そしてイワベンケイといったものがあります。


ストレス管理 ストレス管理

ストレス管理は、大部分の健康上の懸念で必須です。私たちの神経システムは、酒さを含む多数の病態の発症に極めて大きく作用します[6]。ストレスは睡眠、ホルモン、微生物叢、免疫、そして睡眠習慣にすら影響を及ぼします。

ストレス管理のコンポネントは、深呼吸、運動、そして趣味といった戦略の実行から、精神分析医や精神科医のような有資格専門家による診察まで、様々です。行動の修正に加えて、強壮ハーブ、食事の見直しや栄養サプリメント、そして鍼を利用することで、ストレスに対する体の快復力を支えることが可能です。 鍼は、酒さのこう薬療法や他の内科的治療の補助療法として非常に優れています。酒さの発症頻度を低下させ、ホルモンバランスを取るのを助け、ストレスに対する快復力を増加し、消化の不調に対処します。酒さの部位に近いツボに鍼治療を施すと、血管の目立ちを最小限に抑えるのを助け、コラーゲン生産を支えます。

その多因的な性質により、治療は酒さの病態に関係する根本的なシステム(心理面を含む)への取り組みから行われなければなりません。酒さの治癒に体の内側と外側とから取り組む自然療法の選択肢は様々で、腸の治癒、食事の見直し、栄養補給、ホルモンアンバランスへの取り組み、肌治癒の促進、そしてストレスに対する快復力の増加といったものが関わってくるでしょう。