スタチンの副作用 - 副作用を軽減するには

心血管疾患が世界の死因のトップであることは驚くことではありません。誰もが、少なくとも家族の一人は心臓病を患っています。カナダ統計局によると、2013年にカナダ国内の240万人以上の人々が、死因第2位の心血管疾患を患っていたといいます（1）。この数は、座りがちなオフィスワークや不健康な食事の影響により、今後数十年で増加すると予想されています。

心血管疾患とは、心臓とその血管に影響を与えるあらゆる疾患を示し、これには、冠動脈疾患、脳卒中、心臓発作、狭心症、末梢血管疾患が含まれます。

多くの人たちが、心臓発作や脳卒中の危険性を認識していて、初期症状に関する知識があり、緊急時における症状の対処法に精通しています。しかし、心臓に影響を与えるだけではなく、命を脅かす恐れもある末梢血管疾患（PVD）についてはあまり知りません。

末梢血管疾患は、足や腕、指、つま先などの心臓以外の血管に影響を与えます。他の心血管疾患と同様に、動脈の壁に沿ってコレステロールが蓄積します。この過程をアテローム性動脈硬化症といいます。これにより、動脈の開口部が狭くなり、血管を通る血流が制限されます。これは心臓発作ほど害はないと思うかもしれませんが、閉塞がほんの少しでもあれば、手や脳への血流が制限されて機能が著しく低下する可能性があります。 末梢血管疾患の症状には以下があります（2）：

• 階段を上るなどの最小限の身体活動の後でさえ、足や腰に痛みを伴う痙攣が起こる
• 足のしびれや刺痛
• 手足の冷えや色の変化
• 脱毛、肌の光沢、手足の爪の成長が遅い
• 勃起不全

末梢血管疾患の多くは、発症せずに存在するので注意が必要です。しかし、心血管疾患の家族歴がある場合は、65歳までに完全な検査を受ける必要があります。こうした検査には、腕と足のあらゆる脈拍の検査、コレステロールを計測するための血液検査、心血管機能を調べるための診断検査（ストレステストなど）などがあります。多くの医師が、予防のためにコレステロール値を下げる薬をすぐに処方できますが、リスクや副作用についてその場で説明できるとは限りません。

血管疾患の最大90％が予防可能だといわれています（1）。長年にわたる研究で、心臓の機能をサポートし、動脈閉塞因子の蓄積を防ぐのに役立つ薬が開発されてきました。最も一般的な薬物はスタチンで、その薬物名にはリピトールやクレストール、レスコール、アルトプラフなどがあります（3）。国内の心血管疾患の症例数をみれば、2015年のWebMDによって、クレストールが2番目に最も多い処方薬にランク付けされているのは驚くことではありません（4）。

1950年代、コレステロールやアテローム性動脈硬化症は研究の世界では新しい用語でした。体内でコレステロールが生成される過程について研究され、心臓発作は、悪玉LDLコレステロールが多く、善玉HDLコレステロールが少ないために生じることがわかりました（3）。また、こうした研究の中で、コレステロールは、食事から摂取される他に肝臓で生成され、体内の必須ホルモンの機能を促す可能性があることが示され、コレステロールを食事で十分摂取すると、コレステロールの超過を防ぐために、肝臓の機能が自然と抑制されました。肝臓におけるコレステロールの生成に関与する酵素は、HMG-coAレダクターゼと呼ばれています。コレステロールを低下させる薬物の有無が判断されました。最適なのは、HMG-coAレダクターゼを阻害して、肝臓によるコレステロール生成を抑制することです。こうして、スタチンの生産が開始されました。

1. 筋肉痛
   

   筋肉痛は、筋肉の脱力感、しびれ、痛みに分類することもできます。軽度の不快感から、日常生活に支障をきたす完全不能な状態まで様々です。これは、スタチン薬の副作用によって横紋筋融解症が生じ、筋肉がわずかに破壊されることにより起きます（3）。この場合、血液検査を行い、筋肉が破壊されたときに放出される酵素、クレアチンキナーゼのレベルを確認します。レベルが高い場合は、別のスタチンへの切り替えを検討することがあります。



2. 肝損傷
   

   前述したように、多くのコレステロールが肝臓で生成され、スタチン薬の役割は肝臓によるコレステロールの生成を減少させることです。 つまり、スタチンは肝臓を直接標的にしていて、炎症や損傷を引き起こす可能性があります。こうした副作用は稀ですが、かかりつけの医師が、定期的に肝臓酵素を確認し、肝疾患の兆候について教育する必要があります。これには、食欲不振、尿と便の色の変化、上腹部の痛み、白目の黄変が含まれます。

3. 血糖値の上昇
   

   スタチン薬を服用している場合、軽度の血糖値の上昇がみられます。この副作用は、家族歴や病歴により、重度の症状が生じる場合とそうでない場合があります。スタチン薬の用途に応じて投薬量を調整しなければならないことがあるため、現在糖尿病の治療を受けている場合は注意が必要です。

1. 栄養

   栄養や予防に関する医療支援が非常に少ないため、何千人もの患者が日常生活の中でほぼ説明を受けないまま薬剤に頼っています。前述したように、スタチン薬は肝臓のコレステロール生成を妨げます。体内に入るコレステロールの量は全く変わらず、体内に既に存在するコレステロールを解毒する肝臓の機能も改善しません。コレステロール値が高い場合、投薬を受けているか否かにかかわりなく、食事療法が必要です。多くの人たちが、コレステロール値は揚げ物や脂肪の多い食べ物の摂取によりのみ高まると考えていますが、身体の機能ははるかに賢いです。コレステロールは本質的に燃料が貯蔵されている状態です。燃料の摂取量が消費量を上回ると、脂肪として体内に蓄えられます。アルコールを過剰に摂取したり、精製炭水化物や糖分を大量に摂ったりすると、コレステロール値が上昇します。

2. 運動

   これは言うまでもありません。心臓の強化には、有酸素運動や定期的な身体活動が必要です。運動は、肝臓を含む全身の循環を促します。これにより、皮膚や腸、膀胱から毒素が排除され、脂肪組織に蓄積された過剰な毒素が燃焼されます。

3. コエンザイムQ10

   この抗酸化物質は、あらゆる筋肉、特に心筋に最も多く存在します。スタチンはコエンザイムQ10のレベルを下げるといわれていて、これにより、筋肉に傷みや衰弱が生じることさえあります（5）。自然療法医は、服用中の薬をすべて評価し、コエンザイムQ10が治癒に適切か否かを判断します。

4. Turmeric

   アテローム性動脈硬化とコレステロールの蓄積は、炎症の過程です。ウコンは、肝臓を刺激する強力な抗炎症化合物です。消化器系の機能の促進に役立ち、その苦味成分が胆嚢と肝臓のつながりを強化し、胆汁を排出して脂肪の消化を促します。








5. オリーブオイル

   より多くの脂肪を摂取するとコレステロール値が下がるなんて信じられませんよね？つまり、コレステロールが必要だということです。多くのホルモンがコレステロールから生成されるので、身体が日々機能するために必要です。善玉コレステロールを生成するには、食事の中で良質のオイルを摂取する必要があります。オリーブオイルには、肝臓を刺激し、体内での善玉コレステロールの生成を促す体にいい必須脂肪酸が豊富に含まれています。

6. ビタミンB12

   体内の他のあらゆる物質と同様に、コレステロールにも、生成と分解における一連の課程があります。ビタミンB12には、コレステロールの分解において重要な役割があり、ビタミンB12がないと、生成全体が停止します。ビーガンや菜食主義者は、肉を食べなくても高コレステロールになる可能性があることに注意してください。これは、こうした食事ではビタミンB12不足になることが多く、過剰なコレステロールが分解されにくくなる可能性があるためです。体内のビタミンB12レベルをチェックしましょう。これは容易に修正できます！

あらゆる健康上の懸念と同様に、コレステロール管理は人それぞれで、食生活や文化、ライフスタイルの習慣に見合った独自のガイドラインが必要です。こうした変更を加えることは容易ではありませんが、自然療法の利点は永遠に役立ち、自然療法を通じて、身体についてはるかに多くのことを学べます。