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ケトーシスとケトジェニックダイエット 自然療法による視点

NPC COLLABORATOR
ND

7 January 2020
日本語

はじめに

ケトーシスやケトジェニックダイエットとは何でしょう? 役立つものなのでしょうか?それとも数年のうちに忘れ去られるような一種のライフスタイルの流行でしょうか? この記事では、こうした質問に答え、利用可能な証拠を検証しながら、学べる点について触れます。

まず、ケトーシスについて説明しましょう。ケトーシスとは、代謝状態、つまり身体が特定の働きをしている状態や特定の手段で機能している状態をいいます。通常、身体はエネルギーを生成するために、特に大量のエネルギーを要する脳において、砂糖(ブドウ糖)などの燃料源を消費します。しかし、通常の燃料源を消費できない場合は、脂肪を分解してケトン体に変えることができます(1)。

誰もがケトン体を持っています。ケトン体は肝臓で生成される化学物質で、血流に送られ、最終的には筋肉や体の他の部分によって消費されます。例えば、糖尿病を患っていてインスリンを十分に生成できない場合、身体は、ブドウ糖が吸収されていないことから代替燃料源を見つけようとするため、ケトン体のレベルが高くなることがあります。糖尿病などの一部の健康疾患が生じる恐れがあるのは、ケトン体やブドウ糖が血中に蓄積する場合があるためで、まるで身体が飢えを感じているように聞こえますが、実はそうではなく、深刻な問題につながる可能性があります。では、代謝が正常な人たちはどうなのでしょう?

questions通常、ケトン体はケトン体生成と呼ばれる過程で形成され、 脂肪、特に脂肪酸が分解されます。身体にこうした機能があるのは、歴史的に人類は食糧がすぐに手に入らない時期を経験していたためで、ある意味、この過程はエネルギーを貯蔵して、食糧不足の際に消費するための手段でした。私たちの身体は今日も同様に機能し、実際、ケトーシスは妊娠中や乳児期にも自然に生じます。

ケトーシスは、よく低炭水化物ダイエットとともに話題になりますが、実際には様々な状況で生じます。まず1つ目は、炭水化物や糖が完全に除去される際で、これによってホルモンのバランスが崩れるともいわれています。2つ目は、断続的または定期的に断食したときです。ここで問題となるのは、コルチゾール(ストレスホルモン)のバランスが崩れて筋肉が失われる可能性がある点で、どちらも避けなければなりません。3つ目は、運動して身体活動レベルが上がったときです。同様に、これによりコルチゾールが不均衡になり筋肉が失われる可能性があります。最後に、全体的なカロリー不足の場合で、あらゆる主要栄養素の摂取量の減少とともに(タンパク質、炭水化物、脂肪の摂取量が少なくなるなど)、ケトーシスが生じる可能性があります。

ケトーシスの利点とは?

数年前に行われた研究では、軽度の認知機能障害がある場合、ケトジェニックダイエットにより記憶力が強化されることが示されています(2)。軽度の認知障害を持つ23人の高齢者に、高炭水化物食または低炭水化物食を無作為に与え、6週間後に言語記憶能力、体重、胴囲、空腹時の血糖値とインスリン値について検査したところ、すべてのカテゴリーで改善が見られました。ケトン体濃度は、記憶力と正の相関がありました。この結果、低炭水化物食は、アルツハイマー病のリスクが高い成人に役立つ可能性があると結論付けられました。

中には、ケトーシスにより脳機能に問題が生じる恐れを懸念している人もいますが、別の研究によって、ケトーシス状態で以下が起こることが示されています(3)。ケトーシス状態では、より多くのブドウ糖が脳に送り込まれてバランスを取ろうとし、ケトン体自体が脳によって利用されます。そのため、全体的にみれば、体内で短期的な調整が必要になるかもしれませんが、ケトーシスは一般的に知的能力に役立つようです。

身体的にはどうでしょうか? 身体は時間の経過とともにケトーシス状態に順応するようです。ある研究では、ウルトラランナーについて検証されました(4)。28人のトライアスリートを対象に運動テストが実施されました。1つのグループは通常よりも炭水化物を多く摂り、別のグループは通常よりも炭水化物を少なく摂取しました。その結果、低炭水化物ダイエットの方がはるかに高い脂肪酸化率を示しました(エネルギー源としてより多くの脂肪が用いられました)。また、ブドウ糖(グルコースの貯蔵形態)と充満パターンについては、両方のグループで同様の結果が示され、別の測定基準は用いられていないようです。

ketoまた別の記事では、アスリートが脂肪として蓄えられたエネルギーを消費する能力について検証されました(5)。過酷なスポーツ中に運動能力が低下する要素に、利用可能な炭水化物の量が低下することと、代替脂肪源が燃料として効果的に利用されないことがあります。 脂肪として蓄えられた豊富な燃料があったとしても、身体はブドウ糖の枯渇とともに衰弱します。運動前や運動中に高炭水化物を摂ると、体内で脂肪が消費されにくくなる可能性があります。数週間、炭水化物の摂取量を減して脂肪をより多く摂取することで、より脂肪が酸化され、身体はこの状態に順応し、運動中により多くの脂肪が消費されるようになります。

また、研究によって、ケトジェニックダイエットは、低脂肪でカロリー制限された食事と比較して、減量に役立つことが示されています。おそらくケトーシス状態のため、空腹感が減り、満足度が高まるのでしょう。ケトーシスは、先進国において死因の上位を占める心臓病や癌に対する効果など、その他の様々な健康上の利点について研究されています。パーキンソン病やニキビに対する効果についても研究されています。

ケトーシスは悪影響を引き起こすか?

はい! 特に、適切に行わなかった場合や研究中の新しい手段を用いた場合、代謝の変化によりストレスが生じる恐れがあります。主な問題点は水や電解質の喪失で、これは身体が脂肪燃焼に集中することで生じます(6)。症状には、頭痛や神経過敏、脱力感、疲労感などがあります。当然のことながら、こうした症状は低血糖の症状に似ています

ケトジェニックダイエットの手段

一般的なケトジェニックダイエットの手段は、1日あたりの炭水化物の摂取量を50g未満に減らすことです。ただし、炭水化物によるカロリーを脂肪やタンパク質に置き換える場合は、カロリーを追跡することが大切です。

野菜をスープにしたり焼いたり蒸したり炒めたり、冷菜の形で12回、2カップ摂取することも推奨されています。調理済みの野菜には、生の葉物野菜やキュウリ、セロリよりも食物繊維が多く含まれています。食物繊維によって満腹感が保たれ、インスリン値が低下します。

タンパク質は大切です。一般的な推奨摂取量は、体重1 kgあたり1.6 gで、筋肉や骨を強化する場合は2.2 gです。朝食では、炭水化物ではなく脂肪とデンプン質を摂り一日をスタートしましょう。これで、一晩の断食によりケトーシス状態を維持できます。香辛料を加えてみましょう。インシュリン値が低下して炎症が軽減し、空腹感が減って代謝が高まります。

food結論

ケトーシスは、摂取する食品を選択することで達成できる自然な代謝状態です。慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、全体的に身体は順応するようです。ただし、ケトーシスにはリスクがないわけではありません。健康状態、特に糖尿病を患っていて治療が思うように進んでいない場合は注意が必要かもしれません。ケトーシスには、減量や持久力の向上、メンタル面に対する効果など、様々な健康上の利点があるようです。

ケトジェニックダイエットは、一人で実行するのは非常に困難です。オンライン上に数多くの情報がありますが(perfectketo.comなど)、たとえサポートがあっても、多くの場合、料理や外食を管理して適切な食事を維持するのは難しいです。安全のためにも、適切に行うためにも、ストレスホルモンや筋肉量に悪影響を及ぼさずにサポートできる自然療法医に相談することをお勧めします。