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間質性膀胱炎のための食事と生活習慣

NPC COLLABORATOR
ND

31 October 2017
日本語

 

間質性膀胱炎(IC: Interstitial Cystitis)は長期的な膀胱の疾患です。間質性膀胱炎の原因は不明です。膀胱は腎臓から来る尿を貯める働きをします。膀胱は筋肉で出来た風船のようなものです。大量の尿を貯めると伸び、尿を絞り出す際に縮みます。膀胱が尿を尿道へ排出すると、尿はそこから体外に出ます。間質性膀胱炎に悩む人々では、膀胱は硬直し、痛みがあり、中には膀胱に痛みを伴う潰瘍や出血を伴う痛みが見られることもあります。膀胱が収縮して、非常に少量しか尿を溜められないこともあります。これらの全てが理由で患者さんは頻繁に排尿しなければならなくなります。間質性膀胱炎は男性よりも女性に多く、患者さんの約90%は女性で [1]、ほとんどの場合は中年女性ですが、子供や高齢者も罹患する可能性があります。

Substance Abuse Treatment Options間質性膀胱炎の症状を改善する幾つかの食事の推奨事項が示されています。この記事では、(“引き金“と呼ばれる)避けるべき食品の幾つかを概観しましょう。人によって異なる引き金が存在するのは明らかですが、この記事では、間質性膀胱炎に苦しむ平均的な人にとって最も有用であろうと考えられる、現在エビデンスが明らかなものを見て行きます。

症状と診断

間質性膀胱炎には主に二つの症状があります。一つ目は、頻繁な排尿したいという感覚です。一日に多くて12回、夜間も排尿のために起きなければならないこともあります。特にこれは、もし職場やトイレへのアクセスが容易でない場所にいなければならないといった、生活の他の面に影響するならば、大きな重荷となるでしょう。二つ目の症状は、軽度から重度までに分類される痛みです。痛みは、膀胱が尿で満たされると酷くなり、膀胱、尿道、お臍の下部、腰、そして女性では膣周辺部で感じられます。男性も、陰嚢および生殖器に痛みを感じるかも知れません。別の言葉で言うと、痛みは膀胱周辺全てとそれを取り囲む組織で感じられるでしょう。痛みは現れたり消えたりする、あるいは持続する可能性があります。性交時には痛みが増す可能性があり、女性では月経時に痛みが増加すると感じる人もいます[2]。

痛みと急でかつ頻繁な尿意との二つは一般的な症状であるものの、全ての人にこれらの症状が出る訳ではありません。症状が一つの人もあり、痛みの強さは時間と共に変化します。痛みは、一日のうちに複数回起こる自然の営みに直接関連しているため、間質性膀胱炎の患者さんにとって非常に大きな負担です。症状に加えて、排尿に関する不安や心配といった懸念が生じ、これがストレスを高めます。間質性膀胱炎になったら、直ちに精神面での影響を確認して、悪化させないようにすることが重要です。たとえば、ストレスは痛みの知覚を増加させます。間質性膀胱炎では、まず痛みを感じ、それがストレスとなり、それが更に痛みを強めます。この理由から、物理的な治療と心理的な治療とを結びつけるのも役立つでしょう。

Dietary and Lifestyle Approaches for Interstitial Cystitis間質性膀胱炎の診断は難しく、医師の間で合意が得られた最良の診断方法というものはありません。大抵の場合、まず診療で症状を聞かれるでしょう。間質性膀胱炎の診断の第一段階は、類似した症状を引き起こす他の疾病を排除することです。それら一連の病態が除外されたら、次に診断に有用な二つの臨床検査が行われるでしょう。一つ目は膀胱鏡検査です。この検査では、医師はレンズとライトの付いたチューブをあなたの尿道および膀胱に挿入します。尿道や膀胱にどれくらい伸縮性があるかをテストするために、ガスあるいは液体が満たされるかも知れません。二つ目の検査はカリウム感受性検査と呼ばれます。この検査では、カリウムが含まれる液体が膀胱に満たされます。そして排尿するよう言われます。次に水が膀胱に満たされます。もしカリウムの方で痛みや尿意がより大きければ、間質性膀胱炎の検査は陽性とみなされます[1]。他の検査も行われるかも知れませんが、これらが主に現在利用できる二つの検査です。

治療に関する奨励事項

間質性膀胱炎には幾つかの薬物治療があります。最も一般的なのは、非ステロイド抗炎症剤(イブプロフェン、ナプロキセン)のような鎮痛剤です。三環系抗鬱薬も、膀胱を弛緩させ痛みを遮断するのを助けるため、使用されます。抗ヒスタミン剤も、切迫感と頻度とを減少させ、時には他の症状を緩和させることから、利用されるでしょう[3]。

Dietary and Lifestyle Approaches for Interstitial Cystitis

間質性膀胱炎の程度を和らげるのに役立つ幾つかの生活習慣のヒントがあります。症状および試みた治療の記録は、長期に渡る最善の治療方法を見付けるのに役立つため、良い考えです。毎日のゆっくりとしたストレッチ運動も利用すると良いでしょう。間質性膀胱炎について良く知り積極的に治療を行うと、通常は、より良い結果がもたらされます。十分量の水(一日2Lまで)の摂取は、たとえ排尿回数が増えるとしても、一般に効果があるでしょう。喫煙は間質性膀胱炎を悪化させる可能性がありますので、避けるか、禁煙して下さい。最後に、ストレスは間質性膀胱炎の症状を悪化させるため、ストレスの高い状況を避けることが薦められます。

衣服については、間質性膀胱炎の症状に役立つと思われる二、三の考慮すべき要素があります。ゆるく、快適な着衣が推奨されます-基本的に不快な症状を軽減するため締め付けがなく股周辺部分のきつくないものならば何でも構いません。綿の下着は、皮膚呼吸を妨げることがないことから最良です。色付きの生地は、染料の中に肌に刺激性のものがあることから、避けるのが良いでしょう。更に、よりナチュラルな選択洗剤を選ぶのも良いでしょう。悪化要因となる化学物質が少ないエコロジーなブランドが幾つかあります。化学物質への暴露は、間質性膀胱炎の誘発因子の一つであることが知られているため、体への化学物質の負荷を減少させることは、刺激や悪化を予防するのに有用でしょう。毒物や化学物質の大半はセルフケア製品および家庭用洗剤に由来するため、よりナチュラルな代替製品を利用することは、間質性膀胱炎の症状を軽減するだけでなく、全体的な健康転帰を改善するのに非常に効果的でしょう。

食事に関する推奨事項

以下の食品は、少なくとも間質性膀胱炎の症状の悪化と何らかの関連があることが示されています。その結果として、大半の間質性膀胱炎の患者さんはこれらの一般的な誘因食品を避けています。繰り返しますが、全ての人が誘因食品に対して同じように反応する訳ではないことを理解し、除外食(これらの食品が一定期間除外されている)に続く再導入を通した抗原再投与は、通常極めて有用です。

間質性膀胱炎で避けるべき一般的な誘因食品

 アルコール  りんご  アスパラテーム
 アボガド  バナナ  メロン
 炭酸飲料  チーズ  鳥肝
 チリ・スパイシーな食物  チョコレート  かんきつ果物
 コーヒー  コーンドビーフ  クランベリー
 グレープフルーツ  ぶどう  グァバ
 レモン  レンズ豆  ライマメ
 ライム  マヨネーズ  ナッツ
 玉ねぎ  オレンジ  桃
酢漬けニシン パイナップル プラム
レーズン ライ麦パン サッカリン
サワークリーム 醤油 いちご
 ヨーグルト  トマト  酢

Dietary and Lifestyle Approaches for Interstitial Cystitis

除外を考慮すべき他の食品:お茶、炭酸を加えた飲み物(コーラ等)、一般にこれらの調味料や調味料を大量に含む食品全て(例:コショウ・カラシ、チリ、セイヨウワサビ、酢、甘味料)、肉(牛肉、豚肉や羊肉)、そしてプレッツェルやポップコーンのような塩気の強いスナック[4]

一般的な誘因食品を避けたレシピは多数、間質性膀胱炎のネットワークのウェブサイト(http://www.ic-network.com/icchef/)で紹介されています。このサイトでは、間質性膀胱炎の患者さんに有用な情報に加えて、間質性膀胱炎治療の専門の医師を探す方法に関する極めて多数の教育的な内容も提供されています。