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5つの薬用きのこ-健康上の効用

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5つの薬用きのこ-健康上の効用

by Dr. Anne Hussain, ND

The Wellness Group Aurora
15620 Bayview Ave, Aurora, ON L4G 0Y7
http://www.annehussain.com/




Five Medicinal Mushrooms - Health Benefits



きのこは、主にその免疫システム、神経システム、肝臓、そして腎臓に対する効能により、薬として数千年もの間利用されて来ました。中国および日本では、特にきのこは健康全般を支える強壮剤という形の薬剤の一部でした。近年では、薬用きのこの人気が高まり、食材、サプリメント、そしてお茶やコーヒーのような飲料として利用されています。 以下は、数百年の間、人々の健康を支えてきた5つの異なる薬用きのこの一覧です。

チャガ-免疫システムに良いきのこ

Chaga (Inonotus obliquus) has been used for its antioxidant, antitumour, and antiviral properties.

Five Medicinal Mushrooms - Health Benefits

チャガ(Inonotus obliquus)は抗酸化性、抗腫瘍性そして抗ウィルス性を有していることから、人々に利用されて来ました。

過去数年間に行われた新規の研究によると、チャガは過敏性腸症候群に悩む患者さんたちのDNAの炎症による損傷を低減し[1]、腫瘍の大きさおよび肺ガンマウスの転移を抑え[2]、肝臓を保護して上昇した肝臓酵素を減少させ[3]、ヘルペスウィルスI感染に対する保護作用がある[4]ことが示されました。

チャガについての警告を一言:他の交絡変数が存在し、また、これを服用した人で、抽出物のシュウ酸塩値が高いことによる腎臓の問題が一件、報告されています[5]。抽出方法は製造元に応じて様々で、きのこを服用する前に医師に相談することが重要です。

ですから、チャガはヘルペスに感染し易い人の免疫システムを支えるために、そして体内に炎症があり肝臓を支えなければならない人にとって、有用でしょう。

冬虫夏草-肺、その他全てに良いきのこ

冬虫夏草、これは分類上きのこではありませんが、は伝統的に、エネルギー、持久力、食欲、性欲、そして睡眠パターンを改善する万能強壮剤として使われてきました。冬虫夏草は免疫システム、腎臓、そして肝臓を支えるだけでなく、強い抗酸化性および抗腫瘍性を備えています[6]。

Five Medicinal Mushrooms - Health Benefits

中国では、冬虫夏草は、中度から重度の喘息患者さんたちの症状や炎症を軽減し、それと同時に、肺機能および生活の質を改善することが、研究によって示されました[7]。冬虫夏草は、動物実験において糖尿病マウスのすい臓細胞を保持し、腎臓および肝臓を保護し[8]、卒中後の脳損傷量を抑えました[9]が、更に従来の結核の治療の付加療法として利用もされています[10]。

このように、冬虫夏草は、腎臓疾患の人々や、低酸素症(高地病、卒中、心臓発作)に苦しむ、あるいはそのリスクの高い人にとって、更に、慢性疲労に悩む人の強壮剤として有用でしょう。 Five Medicinal Mushrooms - Health Benefits カワラタケ-免疫システムおよびガンに良いきのこ

中国で云芝として知られているカワラタケは、上記きのこと同様、免疫力アップ、抗酸化、抗腫瘍の作用があります。中国および日本では、ガン患者さんの化学療法や放射線療法の補助療法として認可されています[11]。

Five Medicinal Mushrooms - Health Benefits

カワラタケについての複数の研究では、食道ガンおよび白血病に対する実験上の抗腫瘍作用が確証されました。抗腫瘍性を担っている主成分は、免疫細胞を活性化し免疫細胞間の情報伝達を高めるポリサッカロペプチドの一種です[11][12][13][14]。他に、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌のようなバクテリアに対する抗菌作用[15]や、過敏性腸症候群の抑制作用[16]、そして神経システムにおける抗酸化剤や抗炎症剤としての役割[17]についての研究が行われています。

このように、カワラタケは、特定の種類のガン治療や抗菌療法を行っている人や、過敏性腸症候群の人にとって、補助療法として、また一般的な免疫サポートとしても、有用でしょう。

ヤマブシタケ-神経、消化、そして免疫に良いきのこ Five Medicinal Mushrooms - Health Benefits

ヤマブシタケ(Hericium erinaceus)は、抗腫瘍性を有するのに加えて神経システムに対する作用があることから、胃炎や潰瘍のような腸の炎症を治療するために伝統的に用いられて来ました[18][19]。ヤマブシタケの伝統的な用法は、現在、動物モデルによる研究により確証されつつあります。ヤマブシダケは非常に強力な抗酸化物質を含み[20]、免疫を強化し[21]、腸内壁保護作用を有し、炎症性腸疾患のマウス実験においては炎症マーカー生産を抑え、更年期後に脂質値を低下させて減量を促し[22]、血中コレステロールおよびトリグリセリドの値を下げ、そして肝臓を保護して体の解毒作用を高めます[23]。

神経システムの分野では、ヤマブシタケはアルツハイマー病だけでなくパーキンソン病の予防・治療における神経保護作用を有することも示されました[19][24]。実際、通常の動物モデルの認識記憶を改善する[25]だけでなく、アルツハイマー病のマウスが夜眠りに付くために要する時間を短くする[26]ことも、最近、示されました。

このように、ヤマブシダケは、腸内炎症のある(IBD、胃炎、潰瘍)人、アルツハイマー病やパーキンソン病の患者さん、そして肝臓・免疫のサポートを望む人にとって有益でしょう。

霊芝―肝臓およびガンに良いきのこ

霊芝(Ganoderma lucidum)には抗腫瘍作用および抗酸化作用があり、伝統的に利用されてきました[27]。日本では、肝臓強壮剤として、そして健康的なストレス反応を目的として用いられてきました。

霊芝は、黒色腫、乳ガン、直腸結腸ガン、前立腺ガン、そして鼻咽腔ガンのような数種類のガン細胞株に関連する腫瘍マーカーを低下することが示されました[27]「28」[29][30][31]。人を対象とした調査では、霊芝は神経システムをストレスから保護し、パーキンソン病患者さんの神経システム内の炎症マーカーを低下させ、軽い脂肪肝を正常な状態に戻し、様々な異なる免疫細胞を増加させ、抗鬱剤および抗不安剤としての作用を呈する[32][33]ことが示されました。

このように、霊芝は、肝臓に問題のある人、パーキンソン病患者さん、そして不安や抑うつを伴う長引くストレス下にある人にとって、有益なきのこです。

結論

以上の記述でも分かる通り、薬用きのこは、とりわけ多くのガンの従来療法の付加的治療として極めて安全性が高いことから、免疫や炎症に関わる健康面において、素晴らしい可能性を秘めていると考えられるでしょう。これら全てのきのこは、神経システムおよび肝臓に対して大きな利益をもたらすように見えますが、これはもしかしたら、これらの部位が体内では酸化性ストレスに影響され易いからかも知れません。しかし、異なる溶媒中には異なる様々な分量のきのこ抽出物が含まれているため、どのきのこも服用する前には医療専門家と相談することが重要です。