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目の健康、黄斑変性症と白内障

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目の健康、黄斑変性症と白内障-補助自然療法

ハイジ・フリッツ、文理学修士・自然療法医師

ボルトン自然療法クリニック
64 King St W, Bolton, Ontario L7E 1C7

www.boltonnaturopathic.ca
info@boltonnaturopathicclinic.ca



目の健康、黄斑変性症と白内障-補助自然療法

はじめに

私たちの目および視覚は生活の質において極めて重要です。歳を取るにつれて、目は視力だけでなく全体的な健康に関しても、悪化する傾向にあります。視力に問題を引き起こすきわめて一般な二つの病変があります。これらの病気を以下で紹介しましょう。

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性(AMD: Age-related Macular Degeneration)は、高齢の人たちの間で一般的な眼疾患で、失明の可能性があります。この病気は黄斑(網膜の中心近くの小さな点)に損傷を与えます。黄斑は網膜で最も鋭敏な部位で、鋭い中心視野の処理に携わっています。米国では1000万人以上の人々が加齢黄斑変性に冒されていますが、これは白内障および緑内障の合計よりも多い数です[1]。現在のところ、加齢黄斑変性は治療が不可能であると考えられています。

時に加齢黄斑変性はゆっくりと進行し、長期間視力の喪失は起こらないかも知れません。別の場合にはより早く進行します。視野の中心近くにぼやける部位があるというのが一般的な症状であるため、進行によっては、きちんと見ることが非常に難しくなる可能性があります。物が以前のように明るく見えなくなるかも知れません。中心視野が失われると毎日の活動を妨げることになる可能性があるため、なるべく早くこの病気に取り組むことが重要です。

黄斑が良好に機能している際には、黄斑は詳細な像を収集し、これらを視神経から脳に送出し、視知覚を形成します。病気の初期には、黄斑変性は実際に視覚に影響を及ぼしません。もしこれが進行すれば、後になってのみ、視界に歪みや霞みを引き起こします。加齢黄斑変性には一、二の異なる種類があり、これらは滲出型および萎縮型と呼ばれています。症例の大半は萎縮型ですが、これは浸出液が生じないことを意味します[1]

白内障

白内障は目の水晶体の混濁です。水晶体は目の透き通った部位で、光の焦点を網膜に当てるのを助けます。網膜は眼球の後ろ側の組織です。通常は、光は透明な水晶体を通り抜けて網膜に届き、網膜で光は神経シグナルに変換されて脳に送られます。網膜がはっきりした鋭い像を受け取るためには水晶体が透き通っていなければなりません。もし白内障で水晶体が濁っていると、見える像はぼやける可能性があります。白内障のその他の症状は、暗視が難しくなる、光への過敏症、色が見えなくなる、そして片目で複視が起こるといったものすらあるでしょう。大半の白内障は加齢に関連があります[2]。加齢とは別に、白内障は他の目の病気の手術の後、あるいは幾つかの種類の放射線治療の後に、発症する可能性もあるでしょう[2]。この記事では、これらの病態の原因および危険因子、従来療法、そして自然療法のオプションについて概観しましょう。


加齢黄斑変性の危険因子 加齢黄斑変性の危険因子 加齢黄斑変性

加齢黄斑変性のリスクは年齢と共に増加します。この病気は大概が年齢55歳を超える人たちに起こります[1]。その他の危険因子は遺伝で、加齢黄斑変性家族歴のある人たちや目の健康状態が悪い人たちは、より高いリスクにあります。喫煙も、極めて大きな危険因子であり、加齢黄斑変性のリスクを倍加します。

白内障

幾つかの白内障は遺伝性疾患と関連があります。また糖尿病のような他の病態との因果関係もあるでしょう[3]。歳を取るにつれて、眼球の水晶体は柔軟性を失い、より透明になり、より分厚くなります。水晶体内の組織は分解し、塊が生じ、これが霞の原因となりますが、この霞は時間と共に悪化します。過剰なアルコール摂取は白内障発症のリスクを増加させます。日光への過剰な曝露も白内障のリスクを増やします。高血圧や肥満のような多くの代謝疾患は、リスクを高めます。加齢黄斑変性と同様に、喫煙は危険因子の一つです。


従来の加齢黄斑変性の管理 従来の加齢黄斑変性の管理 加齢黄斑変性

早期加齢黄斑変性のための治療はありません[4]。しかしこの病態は運動、喫煙の回避、そして(緑色葉野菜や魚といった)健康的な食事の摂取によって、ひょっとしたら予防できるかも知れません。加齢黄斑変性の中期および後期では、毎日の高用量のビタミンおよびミネラルの服用が病気の進行を遅くする可能性があることが、研究により示されました[5]。AREDSおよびAREDS2と呼ばれている、栄養サプリメントの影響について調査した二つの大規模な試験があります。一つ目の試験では、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛および銅が末期加齢黄斑変性のリスクを25%減少させることが分かりました。二番目の試験では、付加的な物質を加えても有用ではありませんが、βカロテンをルテインおよびゼアキサンチン(これらについて以下で検討します)に置き換えると、リスクを更に低下させる可能性のあることが分かりました[4]。栄養サプリメントを加えても加齢黄斑変性の治療にはなりませんが、末期加齢黄斑変性の始まりを遅らせる可能性があります。

他の従来療法には、注射、光線力学的療法、そしてレーザー手術といったものがあります[4]。注射はVEGF阻害薬で構成されています。VEGFというのは、新しい異常な血管の成長を促進するタンパク質です。通常は、月一度の注射を複数回にわたって行わなければなりません。VEGF阻害薬も存在します。光線力学的療法では、レーザーを用いて加齢黄斑変性に有効な薬を活性化します。レーザー手術では、異常な血管の破壊を試みます。

白内障

白内障は、サングラスや帽子を着用して紫外光を遮ることで遅くすることが可能です。禁煙も良いでしょう。加齢黄斑変性と同様に、野菜、果物、そして他の抗酸化物質を含む食物から構成される健康的な食生活は視力を守るのを助けるでしょう[3]。白内障は、新しいメガネを作ったり照明を明るくしたりというような、幾つかの外部要因で治療することが可能です。視力の衰えが生活のための活動を妨げる際には、最終的には白内障を除去しなければなりません。白内障除去のための代表的手段は手術です。


自然療法のオプション 自然療法のオプション

かかりつけの自然療法医によって、あなたの健康的な食事および生活習慣についての提案を強化することが可能です。これらには、喫煙やアルコール摂取を減らしたり完全にやめたりすることや、多数の抗酸化物質から成る食事を取り入れるといったものがあります。サプリメントの観点からは、前に言及したAREDS研究のものに加えて、多くの役に立つと思われるハーブやビタミンがあります。

ルテインおよびゼアキサンチン

ルテインおよびゼアキサンチンは黄斑内に含まれる唯一のカロテノイドです。膨大な数の研究によると、これらのカロテノイドは、黄斑に当たる光が原因と思われる損傷に対して、かなりの保護作用を有することが示されました。これらは抗酸化物質として作用し、活性酸素種およびフリーラジカルの形成から黄斑を守ります[6]

ビルベリーおよびブルーベリー

ビルベリーは、視覚障害や視力低下、白内障や黄斑変性だけでなく他のガン疾患でも適応のハーブです。ビルベリーは複数のビタミンを含み、栄養価が高いことから、食用されてきました。ビルベリーはアントシアニンも含んでいますが、これは抗酸化物質で、目を保護するでしょう。ブルーベリーも、アントシアニンが多く含まれており、抗酸化作用を及ぼし、血管機能を改善し、酸化性ストレスから細胞を守り、そして健康的な血管機能を促進します。研究によると、他の有用な性質の内でブルーベリーはDNAの損傷を防ぐことが示されました[7]


結論

加齢黄斑変性および白内障は、失明の原因となる主な二つのものです。危険因子には、遺伝、食事、そして生活習慣といったものがあります。遺伝はどうすることもできませんが、食事と生活習慣とは、禁煙やアルコール摂取を減らすことによって最適化が可能です。外科的処置、薬物療法、そしてレーザー治療といった複数の従来療法が存在します。ビタミンおよび抗酸化物質といった多数の自然療法も存在しますが、これらは全て大規模な研究によって支持されています。