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ニキビ-肌の向こうに

Tanya Lee
HBSc, ND
https://www.tanyaleend.com
28 February 2017
日本語

ニキビ-肌の向こうに
by: Tanya Lee, H.BSc., N.D.

420 Main St. E Unit 102–103
Milton, ON L9T 1P9

905-878-8131



Acne - Beyond the Skin




はじめに

尋常性座瘡は、多くの人が人生で経験する一般的な皮膚疾患です。ニキビ発疹は、毛穴が過剰な皮脂と古くなった皮膚細胞とで詰まる際に形成されますが、同時に皮膚細胞(ケラチノサイト)の生産が増加してバリアーが形成され、この過剰物が毛穴から分泌されるのが妨げられます。この毛穴内部の環境はバクテリア、プロピオン酸菌属、が成長・増殖するのに好ましく、これが炎症を引き起こしニキビ発疹を拡散させます。

従来のニキビ治療は、ケラチノサイト生産を減少させ、バクテリアを殺し、そして顔から過剰な皮脂を取り除くことに向けられていました。この治療アプローチは多くの意味で道理に適っている一方で、全ての原因の治療とはなりません。これらの治療法のうちの幾つかには副作用が伴われ、持続的な結果をもたらさない可能性があります。持続した結果の得られるニキビ治療のために、この病態の原因を見つけ出し体を内外から治療しなければならないのを理解することが重要です。

ニキビに寄与することが明らかになった数多くの要因が存在します。これらの要因の一つ以上またはそれ以上が、あなたのニキビの重症度や慢性性の原因かも知れません。


ニキビの原因は食事と関連しています

食事はニキビに大きな役割を果たすことが分かりました[1]。ニキビと“西洋式の食事”との因果関係は科学的に支持されていますが、これは次のものから構成されています。

  • 牛乳やチーズといった乳製品の高摂取
  • 血糖インデックス(GI: glycemic index)の高い食品、例えば、精製炭水化物(ベーグル、白パン、クロワッサン、バゲットそして甘い食品といった、主に白い小麦粉から作られた製品)
  • トランス脂肪や飽和脂肪が多く含まれている食品(揚げ物、動物性脂肪)および必須脂肪酸、とりわけ多価不飽和脂肪酸(魚、オリーブ油や亜麻仁油のような植物油)があまり含まれていない食品
Causes Can Be Related to Diet

これらの食品をあなたの食事から除外してください。そして、特にもしあなたに消化の問題があるならば、何か違いはないか見てみてください。この食事の移行をより容易にするために代替となる食品を自由に利用してください。

牛乳および乳製品の代替品:アーモンドミルクおよびココナッツミルクは牛乳の素晴らしい代用品です。

パン類:発芽全粒パンを試してください。これは血糖インデックス値が低く消化の良いパンです。あるいは全てのパンをやめて、玄米、白バスマッティライス、キビ・アワ・ヒエ、キノア、アマランス、テフ、そば粉、スペルト小麦やライ麦のような全粒の低血糖インデックス穀物を続けてみてください。


消化の問題はニキビと関連しています

あなたの腸微生物叢(プロバイオティック叢)は免疫システムの調節において重要な役割を果たしています。不健康な(腸内毒素症の)プロバイオティクス叢は炎症の拡散、酸化性ストレス、そして血糖コントロール不良の原因となりますが、これらの全てはニキビの発病機構の一部です[2]。腸内毒素症の微生物叢と関連する消化の問題、-便秘、食物か微小、そして胃酸調節不良といった-、もニキビと平行して起こります。ですから、もし、あなたがニキビだけでなく膨満、ガス、胸やけや胃痛を経験しているならば、腸内プロバイオティクス叢のバランスに注意を向ける必要があります[2]。

プロバイオティクスでガラリと世界が変わる人もいますが、もしプロパイオティクスに加えて食事に関する提案を試しても未だ症状が現れるならば、あなたの消化システムは調整、あるいは完全なオーバーホールが必要かも知れません。消化に関する健康状態を専門家に評価してもらうことで、あなたの健康についての懸念を効果的に改善し、ニキビをきれいにするための正確な治療アプローチが得られるでしょう。


ニキビに寄与するホルモンは何か?

ホルモンはニキビに大きな影響を及ぼしますが、これは、最も一般的な従来のニキビ治療法が経口避妊薬であることの理由です。これらはニキビに一役買っている最上位のホルモンです[3]。

  • アンドロゲン(テストステロンとDHEA)は皮膚表面の油(皮脂)の生産増加を促し、毛穴が詰まる確率を高めます。思春期と月経前とは、ニキビの急激な増加が極めて良く目に留まる時期ですが、これはアンドロゲン活性の高い時期と一致しています。
  • プロゲステロンはニキビにおいては奇妙なホルモンです。過剰のプロゲステロンにはニキビとの因果関係があるとされていますが、それはこのホルモン自体が、アンドロゲンと同様に、皮脂の生産を刺激するからです。しかし、プロゲステロンはアンドロゲン受容体をブロックしてアンドロゲン活性を停止させる可能性もあるため、プロゲステロンの値が低いと、皮脂の生産が間接的に増加されます。
  • ニキビにおいて、エストロゲンは全体として良い役割を果たします-アンドロゲン値を低下させ、皮膚のバリアー機能を改善し、そして顔の水分量を増加させます。しかし、過剰なエストロゲンはプロゲステロンの相対的な低下を引き起こすため、月経前のニキビの一般的な原因となります。
  • ストレスおよびコルチコトロピン放出ホルモン(CRH: corticotropin-releasing hormone)のようなストレスホルモンが、ニキビの引き金となり悪化させることは良く知られています。皮膚細胞がストレスに反応して、あなたの脳が生産するのと同じホルモンを生産することをご存じでしたか?ストレスホルモンは皮膚の皮脂(油)を生産する細胞と結びついて皮脂の生産を活性化させる可能性があることはご存じでしたか?このストレスホルモンは皮膚細胞を刺激して炎症分子の生産を促しますが、これがニキビを永続的に生じさせます。あなたの皮膚がストレスの増加に直接反応するだけでなく、体に対するストレスの全体的な作用もニキビの急激な増加に好ましい環境を作り出す可能性があります。ストレスに反応して、肌への血液供給の減少、全身性炎症の増加、そしてアンドロゲン増加といったホルモンの変化が起こります。更に、ストレスは善玉微生物叢を変化させることで知られていますが、これは、前出のように、ニキビ発症において大きな役割を果たしています[4]。
    お分かりのように、ホルモンの数は多く複雑ですが、一つ一つはニキビの発症において際立った役割を果たしています。ニキビをコントロールするために経口避妊薬を利用するのは多くの場合、問題に対する一時的な解決法ですが、ニキビは経口避妊薬をやめれば再発するでしょう。
Causes Can Be Related to Diet

ニキビができ易い肌にの理由は多くあります。より深く肌を超えた部分を調べることで、この病態の他の要因を見付けることが可能かも知れません。もし食事が上記の好ましくない多くの食物ばかりならば、それらを止めて何か違いがあるかを見て下さい。もしあなたの胃腸の調子が良くないならば、この問題を解決することが実際、肌も綺麗にするかも知れません。もしあなたのニキビにホルモンが一役買っている疑いがあるならば、資格のある医療専門家の診察を受けて、あなたのホルモンについて、そしてそれらがニキビのでき易いあなたの肌にどのように一役買っている可能性があるのかを、より良く理解して下さい。