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男性不妊:自然療法的アプローチ

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男性不妊:自然療法的アプローチ

by Dr. Nadia Rizzo, ND

Cabana Court Chiropractic
3850 Dougall Ave. Windsor ON
N9G 1X2
reflexologyccc@hotmail.com



Male Fertility : Naturopathic Approaches




多くの場合、私たちが“不妊“という言葉を聞く時、私たちの心は直ちに子供を産みたい女性を思い浮かべます。子供の出来ない夫婦の原因を直ちに男性の生殖の問題かも知れないと考える人は、多分それより少ないでしょう。しかし、女性と同様に、男性も不妊の課題に直面しているというのは本当です。この記事では、環境曝露だけでなく栄養・サプリメントと男性の授胎能力や生殖とを結び付ける、エビデンスに基づいた情報を探索しましょう。

男性の生殖能力を評価する際、調べるべき主な要素の幾つかは、男性が生産する精子の数である精子数、精子の動きの速さ、そして精子の形状です。理想的に、卵子を受精させるためには、精子が十分量存在し、精子の運動能力が最良、つまり精子が十分速く動き回り(私たちは全員が、卵子に最初に辿り着き、私たちを生むために受精した、最も速い精子の産物です)、そして適切な形をしていなければなりません。そうです、精子の形状は動く速度および正しく動く力に影響することから、精子は外見ですら大切なのです。もしこれらの要素の一つでも損なわれたら、男性は生殖の課題に直面するでしょう。

ですから、そもそも何故これらの要素に問題があるのか?という疑問が生じます。エビデンスによると、毒素への環境曝露が一役買っている可能性が示唆されています。毒素への環境曝露で厄介なのは、何時も毒素に曝されていることに気付く訳ではないことです。毒素があると分かっていても、どのくらいの曝露を被るのかは分からないでしょう。恐らく私たちは、このような曝露の結果として何が起きるのかさえ分からないでしょう。酸化性ストレス、坑酸化能力の低下、更に精子のミトコンドリアの働きも損なわれる―ミトコンドリアは細胞の発電所のようなものです―、といった全てが、男性不妊に関する要素と考えられています[1]。更に、精子は酸化性ストレスに極めて弱いことが知られています[2]。睾丸あるいは精液中での酸化性ストレスの原因は、感染、炎症、喫煙、環境毒素への曝露、ドラッグ等の可能性があります[2]。殺虫剤、外因性エストロゲン、プラスチックやフタル酸の利用、そして化粧品の添加物の使用等は、酸化性ストレスと生殖とに関係があるため、それらに光を投じる文献も存在します[3]。これらの物質は、酸化性ストレスを実際に増加させると信じられています[3]。

何故こんなことが重要なのでしょうか?これらの要素は精子の運動性、精子数の減少、更に精子の病変と相関があるとされているため、非常に重要です。この酸化の問題が見られるのは、不妊男性群では25-40%にも上る場合もあるとさえ予想されています[1]。これは半数近い割合です。他の情報によると、不妊症例の原因の最大80%が酸化性ストレスであると報告されています[4]。環境毒素は至る所に潜んでおり、例えば喫煙は呼吸器および心血管の健康問題であることは一般に広く言われていますが、男性はそのような毒素に曝露される際に、自分たちの生殖能力や不妊の可能性について本当に考えているでしょうか?考えるべきであると、エビデンスは示唆しています。

Male Fertility : Naturopathic Approaches

酸化性ストレスは、活性酸素種(SOD: Reactive Oxygen Specie)と言われるものが細胞中の坑酸化防御システムを打ち負かす際に、現れます[2]。酸化性ストレスは、精子の形成を実際に損なう可能性があることが報告されています[5]。特定の栄養素が、ラジカルに対する防御とシステムへの過負荷の低減とに役立つかも知れないのは、朗報です。ビタミンC、ビタミンE、葉酸、亜鉛、セレン、カルニチン、そしてカロテノイドは活性酸素のスカベンジャーとしての働きがあり、精子を保護するでしょう[2]。研究者たちは、血漿中のセレンの値は実際に健康な男性と不妊男性とでは有意に異なるという結論を下しました[6]。これは、栄養状態と授胎能力とは関係があることを示唆するでしょう。不妊男性のグループを対象として、フマル酸L-カルニチン、ユビキノール(一般にはCoQ10として知られている)、ビタミンE、そしてビタミンCの経口ソフトジェルサプリメントにより、精子パラメターと血漿中および精液中の酸化性ストレスとに及ぼされる影響を、研究者たちは調査しました。この調査では、精子濃度が改善することが分かりましたが、つまりこれはより多くの精子が存在するという意味で、サプリメント服用開始後3ヶ月で50%近く、6ヵ月後でおおよそ80%の増加が確認されました[1]。

Male Fertility : Naturopathic Approaches

ユビキノールは強力な坑酸化物質で、精子の数、運動性、そして精液中のユビキノール濃度と強い相関があるようです。研究者たちは、特に精漿中CoQ10濃度と精子の運動性との間に直接の相関があるとさえ言っています[1]。更に、幾つかの情報源では、CoQ10の補給後に、精漿中だけでなく精子細胞中にも、その有意な増加が見られると述べられています[7]。他の情報源でも、CoQ10により精子の運動性の改善が示されることが報告されています[2]。これは、体は内生的にCoQ10を生産することから。考慮すべき重要なことですが、CoQ10の補給は精子の運動性の改善と直接の因果関係があることを、エビデンスは示唆しています。これは授胎を試みる際には大切な要素です。

精漿に直接の影響を与えることをエビデンスが示唆している、もう一つの経口サプリメントは、ビタミンCです。ビタミンC摂取が増加すると、精漿濃度も増加することが、研究者たちにより発見されましたが、これはDNAへの損傷を防ぎます[4]。サプリメントの経口服用が可能だからという理由で考慮するのも重要ですが、経口補給は実際にその特定の栄養素を精漿中で増加させるため、極めて関連性が高いでしょう。

L-カルニチンは、精子の運動性のような特定の精子パラメターとの関連で考慮すべき、もう一つの栄養素です。不妊男性特有のこれらの二つの要素には、有意な関連性があることが分かりました[4]。研究者たちによると、6ヶ月間の介入によりL-カルニチンが精子の運動性を増加させ、更に妊娠という結果がもたらされたことが明らかになりましたが、その妊娠の半分以上がL-カルニチンとL-アセチル-カルニチンの混合サプリメント服用後に起こったことが分かりました[4]。精子の運動性も、CoQ10補給後に改善することが分かりました[4]。それに加えて、CoQ10は精子の運動性に加えて精子の形状および濃度を改善することも分かりました [4]。しかし、精子パラメターの改善のメリットが大きい一方で、不妊男性に対するCoQ10の補給は生児出生率や妊娠率を改善しないことが、幾つかの情報源で示されました[4]。

Male Fertility : Naturopathic Approaches

亜鉛は体内に豊富に含まれる金属ですが、その欠乏症はおおよそ世界人口の三分の一で見られます[4]。亜鉛は精子をバクテリアから守り、染色体・DNA損傷を防ぐことが分かっているため、これは男性の生殖能力を考慮する際に大きな懸念となります[4]。実際、亜鉛レベルの低下は精子の授胎能力の低下と相関があることが、示されました[4]。亜鉛の補給は、精子の運動性や総精子数といった精子パラメターを改善することも示されました[4]

このように、環境曝露だけでなく、栄養状態も男性の授胎能力に一役買っていることは明らかです。男性の“生物時計”は女性のそれと同様には針を刻まないように見えます。一般に、男性は自分の生殖能力保持に対する懸念が小さく、男性は、女性と異なり、受精に寄与するために必要なもの、精子を生産し続けます。男性にとって生殖における年齢は、女性がそうであるのと同様には、気掛かりではないかも知れませんが、環境的な要素と栄養状態については、少なくとも研究が示唆する点から、心を配るべきでしょう。