ダウン症候群－紹介および概要

ダウン症候群は、ジョン・ランドン・ダウンがこの障害を初めて記述した1866年に、命名されました。ダウン症候群は最近では、21トリソミー（T21）として知られていますが、これは、この遺伝性疾患の患者さんたちの95%で、21番目の染色体が1本多いことから、より正確な表現です。T21は一般に人々が思っているよりもずっと多く、世界的に見ると、生まれる800人の赤ん坊の内の1人はT21です。T21の胎児の遺伝子検査が行われ、多くの場合そうであるように人工的な流産が行われなければ、この数はもっとずっと多かったかも知れません。

T21の人たちは一般に、認知および身体的発達が組み合わさった障害を持つとされています。大半の人は2つ一組の23対の染色体を持っていますが、T21の人たちは21番染色体を3つ持っている可能性があります。T21の人に現れるのは3つの染色体パターンのうちのどれか1つです。T21の人の95%は、標準型21トリソミーで、これは21番目の染色体のコピーが3つあるということです。

T21に共通する身体的な特徴は、一般人口にも現れているかも知れません。T21の人は何らかの共通する顔の特徴があります。内眼角贅皮（鼻から眉毛の内側にかけて伸びている上まぶたの皮膚のたるみ）が原因のアーモンド型の目とつり目の瞼裂（上まぶたと下まぶたとの間の分かれ目）です。小さく、どこか平坦な鼻と突き出た舌（巨大舌）そして小さな耳も見られるかも知れません。彼らは一般に、丸い顔に小さな顎（小下顎症）で、頭も比較的小さく、後頭部がどこか平坦（短頭）で、髪の毛は細く薄く、直毛でしょう。

他の身体的な特徴には、手の平の皺が1本のみ（猿線）、太く短い指、そして5本の指あるいは小指が内側にカーブしている（斜指症）といったものがあります。一般に、T21の人たちは背丈が低く、手足が短く、筋肉の緊張が足りず、足の親指と人差し指の間隔が通常よりも大きいです。これらの顔や身体的特徴のどれもが、それ自体は異常ではなく、更にT21の赤ん坊にとって問題とはなりません。医師が1人の赤ん坊にこれらの特徴のうちの多数を見出した場合には、その赤ん坊がT21であることを疑うかも知れません。

T21の子供たちは、通常の幼児期の病気を超えた健康上の合併症と向かい合わなければならないかも知れません。T21の赤ん坊に共通の幾つかの（生誕時に見られる）先天性の奇形があります。T21として生まれた子供たちの40%以上に、心臓の先天異常があります。このような高い罹患率から、T21の赤ん坊の大半は生誕時に心エコー図のスクリーニングを受けなければなりません。心臓に問題があるからと言って、その赤ん坊が重い病気にかかるとは限りません。心臓の問題の程度は非常に多様です。心臓の欠陥の管理は、経過観察から投薬治療、外科的治療まで様々です。T21の子供のおおよそ10%に胃腸（胃・消化）の問題があります。これらは、腸管の狭窄や閉塞（十二指腸閉塞）から肛門開口部の欠如（肛門閉鎖）、胃の出口の閉塞（幽門狭窄）やヒルシュスプルング病と呼ばれる結腸の神経欠如までに渡ります。これらの奇形は外科手術で治療しなければなりません。

甲状腺機能低下症はT21の子供たちではずっと一般的です。T21の子供たちは、定期的に血圧検査をして甲状腺機能をチェックしなければなりません。甲状腺は、首にある小さな腺です。甲状腺機能低下症は、体が作り出す甲状腺ホルモンが少なすぎる病態です。甲状腺ホルモンは、様々な身体機能に必要です。代謝、腸運動、体温、そして認知が、低い甲状腺ホルモン値の影響を受けます。最適な甲状腺機能は、成長と筋機能にも重要です。生後2歳までに、甲状腺ホルモン値の検査を数回、その後は毎年1回行うべきです。甲状腺機能低下症の治療には通常、甲状腺ホルモン補充という形が取られます。 予防医学ケアは全ての人にとって重要ですが、ことさらT21の人たちには大切です。医師および自然療法医と一緒にあたることで、T21の人たちのポテンシャルを高めることが可能です。

栄養サプリメント、特にNew DownsをT21の子供たちの毎日の生活に利用することは、そういった子供たちの長期的な健康に有益でしょう。

微細運動技能も遅れるかも知れません。微細運動に携わる筋肉は、子供がオモチャや物を取り、操るのを助けます。自分でものを食べる、カップから飲み物を飲む、そして自分で着替えるといった動きが、微細運動技能の例です。先述した技能の洗練されたものとして、書く技能が発達します。これらの技能は学習や自立のために必要です。カルシウムやマグネシウムのようなミネラル類だけでなく、オメガ-3脂肪酸は、微細運動技能を高めるのに有益でしょう。

T21の子供たちは通常、年齢にふさわしいソーシャルスキルを持ち合わせています。（自閉症との）重複診断が無いならば、T21の子供たちは同年齢の他の子供たちと良好に交流します。他の子供たちとの社会的なふれあいを奨励して下さい。T21の診断を受けたことが理由で、社会的なふれあいを制限する親たちもいます。体の大きさや言葉の発達の遅れを理由として、年齢にふさわしく振る舞う能力を過小評価してはなりません。全ての年齢の子供たちには同年齢の他の子供たちとのふれあいが必要であり、それにより成長します。

全ての子供たちにとって、異なる年齢の様々な子供たちおよび様々な大人たちとふれあうことは非常に有益です。これはコミュニケーションスキルや社会的な振る舞いの発達を促します。親子遊びのグループや幼稚園のような場は、独立性や社会的交流を育むのに役立ちます。これは、遊びのスキルや認知の発達も促すでしょう。子供の言葉の遅れが原因で他人とのふれあいが出来ないとは思わないで下さい。

幼稚園やプレイグループに入ることによって、順番を守り、物をシェアし、先生の指示に従う方法を学び、適切な行動を取ることも促されるでしょう。

全ての子供に自助スキルや独立性は育ちます。就学前の数年で、子供たちは独立します。自分で食べ、着替え、そしてトイレに行くことが出来るようになります。これらのスキルはT21の子供たちにも育ちます。T21の子供の大半は、自助スキルを4-6歳までには身に付けることが可能です。これらの分野で子供が独立してゆくスピードは、親の期待に影響されるのです。

認知には学習や精神的処理（考える、論理的根拠を考える、記憶する、そして学習する）が含まれます。一般的な発達においては、発話および言葉のスキルが中心的な役割を果たします。ごっこあそびは認知の分野では重要な役割があります。それというのも、子供は声に出しながら考えるからです。子供は言語技能の練習をし、社会的相互作用を形成してゆきます。

認知の発達というのは、世界についての知識を獲得し、社会的および物理的な世界を理解することでもあります。知識は五感を通して獲得します。赤ん坊は、その周りで起こる全てのことを見ています。赤ん坊の届く範囲にあるオモチャや物体を探索することは、認知の発達を促します。赤ん坊や子供たちがオモチャで遊ぶ方法は通常、彼らの理解がどの程度であるかの良い指標となります。例えば、子供はオモチャを正しく使っているでしょうか？ブロックを積み上げていますか？本を開いて読む真似をしていますか？

ごっこ遊びは2歳で始まります。これは子供たちがどのように世界を理解しているのかを示し始める時です。子供たちは身の回りの振る舞いや行動を演じます。子供たちは食事を作る真似をし、人形をベットに寝かせ、車を運転し、スーパーに買い物に出かけるかも知れません。この種の遊びは非常に重要です。このタイプの遊びは、多くの事を教えるのに利用されます。ごっこ遊びを通して、語彙の導入、明示、反復、そして学習が行われるでしょう。例の一つは、同じ絵を選ぶ遊びです。子供たちは動物の名前や家にある物の名前を覚えることが出来ます。色や数も学ぶことが出来るでしょう。子供を支持に従わせるのを助けるのに、計画的な学習も役立ちます。

ビタミンB複合体やアミノ酸、マグネシウムやオメガ-3脂肪酸のような栄養は認知の発達に不可欠です。New Downsにはこれらの栄養素の治療用量が含まれています。

T21の子供たちの大半は、注意には何の問題もありません。子供たちに注意を払う必要のあるアクティビティをさせることは重要です。遊びのアクティビティや絵本の読み聞かせの利用は、子供の注意を引くのに役立ちます。赤ん坊たちと向かい合ってバブルゲーム（言い真似ゲーム）をさせ、これに続いてオモチャ遊びや絵本を眺めることへ繋げることが大切です。注意と意欲とは普通、関連があります。アクティビティが楽しい際に、子供は注意を払ってより長い時間集中するでしょう。

記憶は、長期記憶と短期記憶との2種類に分けられます。長期記憶というのは、時間が経っても思い出せる全ての情報および学習した技能のことです。短期記憶というのは、短い期間保持された情報を思い出すことで、ダイヤルする間、電話番号を覚えているという類のものです。T21の子供たちは十分な長期記憶を持っており、一旦学習したら情報やスキルは保持されます。短期記憶（作業記憶）は望まれる速さで発達しないため、特に言語情報の時には短期記憶に困難が伴われます。ですから大半のT21の子供たちにとっては、日常生活で話すことや発話の処理を学ぶのが特に難しくなります。しかし、視覚情報や空間情報を短期記憶で処理する彼らの能力はより優れています。結果として、話された情報を補うために、絵や視覚情報を利用することが非常に重要です。

一般的に発話の発達は月齢12か月で始まります。T21の赤ん坊は全員、生まれた時から言語療法士のお世話になります。言葉は2歳から始まるものの、非言語コミニュケーション技能の基礎やバブル（言い真似）はもっと早く始まります。赤ん坊は月齢9か月前後から、周りの人が使う言葉を理解し、身の回りの物体を指さし始めます。T21の赤ん坊は、聴覚に問題のある可能性があり、サインの利用が役立つかも知れません。親御さんたちは、月齢9か月からサイン言語を利用できるでしょう。

バブル（言い真似）は発話に向かう非常に大きなステップです。発話は人生の一年目に発達が始まります。二年目には赤ん坊は単一の単語を使い始め、次に複数の単語を組み合わせます。T21の赤ん坊はしばしば、言葉を話せるようになるよりも前にサイン言語を使えるようになります。言語療法士と一緒に取り組み、単語や文のアーティッキュレーションや生成を促すのを助けて下さい。これは家に帰ってからも、家族全員で練習しなければならないでしょう。

ビタミンB複合体や、カルシウムやマグネシウムのようなミネラル類、そしてオメガ-3脂肪酸のような栄養素は発話の発達のために不可欠です。

T21の人たちの潜在的な学習能力は、早期介入、良質の教育、高い期待、励まし、そして最適な栄養サプリメントで最大限に高めることが可能です。