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瞑想を利用した慢性痛の管理

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瞑想を利用した慢性痛の管理

by Dr. Michelle Lo, ND
Naturopathic Living
139 Main St Unionville #204,Unionville, ON L3R 2G6

and Melissa J. Cornish, HHC
Melissa.Cornish@yourtotalhealthexperience.com
http://www.yourtotalhealthexperience.com


Managing Chronic Pain Using Meditation

はじめに

何百万人もの人々が、何らかの種類の日常的な痛みに苦しんでいます。その原因が怪我、疾病、あるいは遺伝子異常であろうとなかろうと、慢性痛は生活の質に影響します。痛みが原因であなたの行動が制限されたり、行動することを諦めたりする時には、心理的な影響も生じます。

落胆やフラストレーションは抑うつ的な気分を引き起こすかも知れません。痛み自体のストレスは身体的な負担となり、人は疲労困憊し、痛みが無くなることを切望します。このような種類の精神的ストレスは、回復の遅い傷の治癒を妨げるため、実際、全ての形の痛みを悪化させる可能性があります。

全世界の人口の三分の一以上が、慢性あるいは継続する痛みに苦しんでいると推定されています[1]。多くの国では、痛みの管理は数十億ドル規模の産業です。現代分子生物学研究の進歩により、痛みのメカニズムや痛みへの反応に関する知識が拡張した結果、痛みの管理のより良い方法が生まれました。

痛みの理由、種類、そして回復への長期的な展望の可能性を理解すると、効果的な痛みの管理には、理学療法やマインドフル瞑想のような、様々な形態の非薬剤治療オプションも含まれるかも知れないことが分かるでしょう。

痛みは、その部位および痛み方で分類されます。侵害痛は、組織の外傷に関わる通常の痛みで、更に体性痛と内臓痛とに分類されます。体性痛は皮膚、筋肉、腱、関節、そして骨の痛みで、内臓痛は中空器官および平滑筋組織の痛みです。これら両種類の侵害痛は、損傷部位の疼痛受容体で生成されます[2][3]

神経障害痛は、神経システムにより生成・継続します。神経障害痛は、侵害痛よりもずっと複雑です。ニューハンプシャー州ダートマス医科大学のAlexander G. Reeves医師およびRand S. Swenson医師が発表した記事によると、

“神経症障害痛は、直接の様々な神経損傷や、糖尿病、アルコール乱用、帯状疱疹、HIV、ライム病や多発性硬化症のような中枢神経システムに関わる病態等の、神経システムに損傷を与える病態に関連して発症することが比較的多いようです”[3]
BCP マインドフルネス瞑想が効果的な理由

痛みの原因が何であろうとも、痛みによる人々の苦悩の程度には非常にばらつきがあります-別の言葉で言うと、個人の痛みの知覚は異なります。生理学的に見ると、人に影響を及ぼす体の痛みは脳の前頭葉で処理されます。ですから非常に個別化されているのです。 心理的状態に加えて過去の痛い経験も、人の痛みの処理に影響を及ぼします。その人にとっての痛みの深刻さも一つの要素です。例えば、軽い抑うつの人が怪我をして、仕事で調子が出ないとしましょう。もしその人が、仕事をきちんと出来ず、チームに迷惑をかけている、あるいは上司や同僚の恥であると感じるならば、ずっと大きい痛みを感じることでしょう。

もし痛みによる苦しみが非常に大きいならば、怪我や痛みを悪化させない仕事の方法を考えるのを諦めてしまうかも知れません。痛みや不自由に対する注意が大きくなると、一時的であろうと恒久的であろうとも、回復時間が長期化し、鎮痛剤の効き目が縮小し、免疫システムが弱体化し、抑うつが悪化します。

もし、かつて動作が不自由になるような足腰等の怪我による痛みを経験し、しかし日々の活動に制限を出さないと決心したことがあるならば、あなたが疲れていたりイライラしていたりする時に、その様なポジティブな態度を維持するのは更に難しく、痛みは更に激しくなることにお気付きかも知れません。

痛み自体は比較的変化が少ないのにも関わらず、“苦悩“や痛みの知覚が変わる理由について、二、三の理論が存在します。第一の理論は非常に基本的なもので、エンドルフィンの有無を中心に展開します。一般にエンドルフィンの値は、人が良い気分の時に高くなります。エンドルフィンは、怪我の時点および怪我に続く数日あるいは数週の間、痛みを弱めるかも知れません[4]。

BCP

もう一つの理論は、痛みの信号が脳に届く量をコントロールする、いわゆる脊髄神経門に関するものです。この神経門に影響を及ぼす幾つかの要素には、寒冷、振動(怪我の部位をさするなど)、そして怪我に対する個人的知識や評価に基づく期待といった、他の刺激が含まれます[5]。もしあなたが、かつて何かをしている間に怪我をして、怪我を見るまでそれに気付かないことがあったならば、それは正しくこのことです。

急性痛の定義は、3-6ヶ月続く痛みです。慢性痛の定義は、3-6ヶ月以上続く痛みです。[2]。侵害性の痛みには、炎症と腫れのメカニズム、痙攣、そして筋肉の収縮(さしこみ)といったものがあります。しばしば痛みは、適切な薬(多くの市販鎮痛剤を含む)や処方鎮痛薬で軽減します。

しかし、神経障害痛の痛みは神経システムにより生成・維持されるため、オピオイドが主成分の薬には反応しません[3]。残念なことに、多くの医師は患者さんの慢性痛に対して他になす術がありません。処方鎮痛薬の依存症は、金銭的、身体的、そして社会的な悪影響があるため、大きな社会問題となっています[1]。

何百万もの人たちが慢性あるいは急性の痛みに苦しんでいるにも関わらず、痛みの仕組みや人によって痛みが異なる理由に関する研究の歩みは、非常に遅々としています。患者さんの苦しみを軽減することが臨床的に明らかにされたものの一つは、マインドフルな瞑想です。

マインドフル瞑想を実践する BCP

マインドフル瞑想の間、人は、慢性痛がどのように身体的、感情的、そして社会的な影響を及ぼしているのかを理解しようとします。これは、あなたが体内に感じる感覚に対する“思いやりのある観察”によってなされ、あなたは感情的なこだわりなく、それらを可能な限り最も純粋な形で(他人がそれを観察するかのように)眺めようとします。自分の感覚を、ぼんやりとした、ズキズキする、うずく、広がる、押されるといった言葉で描写できるのは便利だと、あなたは思うことでしょう。

そこから、慢性痛を引き起こしている状態を取り巻く感情に注意をシフトします。怒り、罪悪感、フラストレーション等の感情を、批判することなく“思いやりのある視点”で認識し、観察します。その感情の存在を正当化することなく受け入れて下さい。これらの感情が、体の他の部分に対してどのような影響を及ぼしているのかを、そして体全体を、ここでも批判することなく、感じて下さい。

これらの感情が、あなたが感じる痛みの強さやあなたの思考力や集中力にどう影響するかを観察して下さい。あなたが痛みを感じなかった瞬間や、痛みに気付かなかった瞬間を思い出して下さい(最初に起き上がった時、あるいは特定の体位にあるときのような)。あなたの心をその特定の瞬間に戻して、あたかもそれをもう一度経験しているかのように感じて下さい。

最後に、自分自身に対する感情が、周囲の人たちとの関わり方にどのように影響するかを観察して下さい。否定的な自己イメージを持っている、あるいはご自分の不自由について守りの体制を取っていますか?これらの行動は、痛み自体には直結しておらず、あなたが痛みをやり過ごす上で何の役にも立たないことを認識し、仲の良い友達に対するのと同様の優しさで自分自身を扱って下さい。

複数の研究では、ガイド付きマインドフルネス瞑想セッションを数回行ったところ、慢性痛患者さんの痛みが、各セッション直後に低下するだけでなく、それがより長い時間継続することが示されました。しばしば、鎮痛剤の量を減らしたり止めたりすることが可能です。[6]

これは、痛みの知覚の心理面に帰するものです。脳スキャンによると、痛みの信号を処理する脳部位の活性が増加し、感情に関わる部位の活性が低下することが示されました[7]。 これは、米国バイオテクノロジー情報センターによって発表された、マインドフルネス瞑想の訓練を10週間受けた慢性痛患者さんについての一つの研究で下された結論です。 今現在の瞬間の痛み、否定的な身体イメージ、痛みによる活性の阻害、症状、気分障害、そして不安や抑うつといった心理的な兆候について評価したところ、“統計的に有意な減少が観察されました”。痛みに関連する薬剤の利用が減少し、活動レベルおよび自尊感情が増加しました。性別、紹介元、そして痛みの種類とは独立に、改善が現れました[8]。

様々なガイド付きマインドフルネス瞑想が提供されおり、それらの多くは無料ですので、あなたのパーソナリティに合ったスタイルを見付けることは簡単でしょう。ほとんどのセッションは15-20分で、リラクゼーションも含めて行えば、ストレスも低下します。 もし慢性痛を管理するためにマインドフルネス瞑想を試そうと思ったら、これを疼痛管理療法に含めることについて、かかりつけ医と相談して下さい。ひょっとしたら医師は、あなたに調度良い指導者やプログラムを紹介してくれるかも知れません。いったん自分に合っているスタイルを見付けたら、自分自身で必要なだけ瞑想を行うことが可能です。