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敏感肌の管理

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スキンケアでよく遭遇する苛立たしいことは、過敏肌です。さらに悪いことに、最近、敏感肌の研究が行われているにもかかわらず、過敏肌のメカニズムの多くが解明されていません。この記事では、敏感肌とその重要な対処法について触れていき、「敏感肌にやさしい」薬用化粧品成分に焦点を当てながら、肌の健康を守り、光老化を軽減するための局所スキンケア製品についてご紹介します。

probiotics皮膚の感受性は、一般に、刺激に対する不快な感覚として定義され、通常、こうした感覚は本来生じるべきではありません。こうした感覚にはさまざまありますが、多くの場合、痛み、灼熱感、刺痛、かゆみ、および/うずきが含まれます。 特定の刺激にさらされてから数分から数時間以内、または局所的な製品を繰り返し使用した後など、積み重なる影響によって、こうした症状が生じる可能性があります。2 アトピー性皮膚炎やニキビなどの皮膚バリア機能に変化を及ぼす見た目でわかる様々な皮膚疾患や皮膚炎に関連する皮膚の過敏症の症状は、客観的および主観的に評価されます。一方、見た目ではわからない皮膚炎は、主観的に評価されます。3 重要な点は、皮膚の過敏症には、免疫反応やアレルギーに基づく根本的なメカニズムは関与していないことです。4 皮膚の過敏症に関連するその他の注目すべき要素は、以下の通りです:

有病率: イギリスの調査によると、女性の約51%と男性の38%が敏感肌であると報告されています。ヨーロッパと北アメリカで実施された研究でも同様の比率が示されていて、世界の推定では、人口全体の最大38%が敏感肌を患っているといわれています。5

影響を受ける箇所: 一般に、最も敏感肌が生じる箇所は顔、特にほうれい線です。また、前腕、手、頭皮、生殖器領域の掌側(前面)表面にも多く見られます。6

一般的なトリガー要因: 7,8

  • 局所化粧品、スキンケア製品やヘアケア製品(特定の石鹸、シャンプー、ヘアケア製品、保湿剤、トナー、アンチエイジングクリーム、日焼け止め、香水など)
  • 環境(高温または低温、風、乾燥空気、湿度、空調、日光への暴露、大気汚染など)
  • 家庭用品(食器用洗剤、洗濯洗剤、柔軟仕上げ剤など)
  • パーソナルケア製品(タンポン、生理用ナプキン、トイレットペーパー、デオドラント/制汗剤など)
  • 衣類(下着や粗い生地の服など)

probiotics

生理的変化:

皮膚の感受性の根本的な原因を解明するには、さらに多くの研究が必要ですが、一部の研究では、2つの主要な皮膚変化、すなわち皮膚バリア機能の破壊と神経感覚機能障害が皮膚の感受性の原因であるとされています。9,10.皮膚バリアが破壊されると、局所的な炎症性メディエーターを誘発する物質が侵入し、局所的な神経終末の神経伝達物質による刺激が誘発されます。11 神経感覚の変化に関する最近の研究では、一過性受容体電位バニロイド-1(TRPV1)と呼ばれる細胞センサーの発現の増加が注目されています。 TRPV1は、様々な化学物質、熱、低温、機械的変化などによって刺激され、神経性の炎症、痛み、そう痒症(かゆみ)を促す可能性があります。12,13  以下の表は、敏感肌に関連する生理的変化に関する所見をまとめたものです。14

皮膚バリア機能の変化 神経感覚機能障害
経表皮水分喪失量(TEWL) 表皮神経の支配の増加
角質層(SC)の菲薄化 感覚神経入力の強化
SCの水分補給の減少 TRPV1の発現のアップレギュレート
脂質の減少 カプサイシンに対する感受性(TRPV1の遺伝的変異に関連)
セラミドの還元 表皮内神経線維密度の低下(ペプチド作動性C線維)

 局所スキンケア製品の使用による皮膚の感受性を抑えるためには

  • 製品を初めて個別に(または組み合わせて)使用する前に、パッチテストの実施を検討してください。多くのメーカーやスキンケアの専門家による詳細な推奨事項がありますが、通常のパッチテスト方法として、前腕上部の小さな部分に局所的に塗布して、24時間以上放置し、刺激またはアレルギー反応の兆候が生じた場合、製品の使用を避けてください。ただし、製品を他の部分に使用する場合や、長期間使用した場合、皮膚の感受性や反応を予測できない可能性があります。
  • 個人的な経験や一般的な情報をもとに、刺激やアレルギーを誘発する成分を含む局所製品の使用を避けてください。例えば、一部のスキンケア製品には、一般的な刺激物/アレルゲンなどを含まない局所製品(敏感肌用のものを含む)であることがラベルに追記されています。
  • 敏感肌でも使用できることがラベルに明記されているかを確認してください。さらに、最終製品(個々の成分だけでなく)に対する皮膚感度テストを実施しているかをメーカーに確認しましょう。
  • 可能な限り、皮膚の過敏症の一般的なトリガー要因(上記のとおり)を制限および回避し、紫外線から皮膚を守りましょう。例えば、ミネラル成分配合の日焼け止め(敏感肌用)を使用することで、敏感肌の引き金となる紫外線への曝露を防げます。
  • Aエタノールやプロピレングリコールなど、他の配合成分の浸透を高めるための物質を含む局所製品の使用を回避/制限しましょう。 15
  • pHバランスの取れたスキンケア製品を使用することで、肌のpHを最適な状態にし、皮膚バリアを最大限に保てます。
  • 適切な皮膚の水分補給を維持します(以下を参照)。
  • 皮膚の感受性の管理が困難な場合は、皮膚科医に相談し、さらなる評価オプションについて話し合ってください。

考慮すべき保湿および薬用化粧品

probiotics多くの人が、皮膚の健康を保ち、皮膚の老化を遅らせるための局所製品を探し求めていますが、肌感度によって、逆効果になってしまう場合があります。当然、最近購入した話題の製品を使用することにワクワクしている場合、使用することで皮膚反応が起こる可能性があることを知ると、非常にがっかりするかもしれません。以下は、保湿剤、美容液、クレンザー、日焼け止めなど、敏感肌用の薬用化粧品に含まれる成分の例です。こうした成分には、敏感肌の症状を軽減する働きがあることが、研究結果により示されています。

セラミドと生理的に働く保湿剤

前述したように、皮膚バリア機能が変化すると、トリガー因子が皮膚組織のより深いところに侵入できるようになり、皮膚の感受性が高まります。これを防ぐには、皮膚バリアを強化することが不可欠です。生理的に働く保湿剤には、その他の保湿剤と比較して、通常、皮膚バリアの脂質マトリックス成分に含まれる脂質が含まれているため、優れています。こうした脂質には、セラミド、脂肪酸源、コレステロールがあり、数多くの研究により、生理的に働く保湿剤には様々な皮膚疾患において皮膚バリア機能を回復させる働きがあることが実証されています。16,17,18,19,20 アトピー性皮膚炎、ニキビ、酒皶、乾燥肌などの皮膚病の管理に対するセラミド配合の保湿剤の使用に関する研究が数多くありますが、コスメ製品不耐性症候群と呼ばれる敏感肌の一種についても研究されています。ある製造業者が出資した研究では、軽度から中等度のアトピー性皮膚炎やその他の皮膚掻痒症(コスメ製品不耐性症候群を含む)を患う男性と女性50人が参加しました。21  参加者は保湿クリームを1日3回4週間塗布しました。保湿剤には、疑似セラミド(疑似セラミドによっても皮膚バリアが改善されます)の他、炎症を緩和する薬剤も含まれていました。研究終了時には、参加者全員が、ベースラインレベルと比較して、刺激、紅斑、粗さなどが大幅に改善されました(p<0.0001)。主観的評価についても、2週間後と4週間後に(発赤、刺激、全体的な皮膚状態の評価)有意な改善がみられました(p < 0.001)。器械的測定では、4週間後、皮膚の水分補給(p <0.0001)や皮膚の滑らかさ(p <0.0001)などで有意な改善が示された一方、経表皮水分喪失量(TEWL)(p = 0.0363)がほぼ有意に減少しました。経表皮水分喪失量は、皮膚の水分喪失を示します。22

パンテノール

パンテノールには肌を落ち着かせる効果があるため、一部の局所製品で使用されます。保湿効果があり、皮膚バリアの脂質マトリックス生成をサポートする他、 他の配合成分による皮膚の炎症を抑える働きがあることも実証されていて、23 他の配合成分による皮膚の炎症を抑える働きがあることも実証されていて、.24  例えば、実験において、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS;高濃度の既知の皮膚刺激物)を含む処方にパンテノールを添加すると、SLSによって誘発される皮膚の発赤、温度上昇、うずきが軽減されました25

アラントイン

その他の人気のある敏感肌用の成分は、コンフリー植物(Symphytum officinale)由来のアラントインです。アラントインには、肌を落ち着かせて保護する働きがあり、肌の水結合能力を高めることで肌のバリア機能を強化できるといわれています。 また、抗酸化作用や抗炎症作用があることも実証されています。27,28,29

バクチオール

しわや肌の色むらなどの肌の老化の兆候を軽減するために局所レチノイドの使用を検討している敏感肌の人や敏感肌でない人に共通する課題は、皮膚の炎症です。そのため、レチノイドを使用する際には、段階的に濃度を高めていきます。.30 バクチオールには、レチノールのように、コラーゲン産生に関連する遺伝子発現を調節する働きがありながら、忍容性が高いことから、薬用化粧品に使用されています。バクチオールは、植物オランダビユ (ホコツシ)種子由来の化合物で、他の植物性成分と同様に抗炎症作用と抗酸化作用があります。過去の人体実験では、レチノールとバクチオールには、同様に細かいしわや色素沈着過剰の出現を軽減する効果が示されています。.31  最近行われた4週間にわたるメーカー資金による研究では、肌の見た目や敏感肌に対するバクチオールの具体的な効果が調査されました。この研究では、40〜65歳の女性60人がバクチオール1%含有の保湿剤を1日2回顔と首に塗布しました。敏感肌への影響を調べるために、アトピー性皮膚炎・湿疹、酒皶、コスメ製品不耐性症候群を患う女性が参加し、それぞれ全被験者の3分の1を占めました。評価尺度には、治験責任医師と被験者ベースの忍容性と有効性の評価、皮膚の水分補給とTEWLの機器による評価が含まれました。その結果、被験者ベースの忍容性評価において、刺痛、灼熱感、かゆみ、緊張がないことが示され(著者によるp値なし)、被験者のわずか10%、主に湿疹のある被験者のみが、4週製品を使用し続けた後、刺痛が生じていました。これがこのグループの顕著な肌バリア損傷にどのように関連するかが推測されました。忍容性と有効性に関する研究者ベースの評価では、視覚的および触覚的な滑らかさ、透明度、ツヤ、全体的な見た目や老化防止効果などにおいて、4週間後に有意な改善が見られました(すべてp <0.001)。有効性に関するこうした結果は、被験者ベースの評価に反映されていました(すべてp < 0.001)。TEWLに違いはありませんでしたが、皮膚の水分補給が16%上昇し、有意な増加が認められました(p < 0.001)。これはまた、皮膚の老化の兆候を軽減したい敏感肌の人にとって、バクチオールが有効であることを示しています。

結論

敏感肌は苛ただしいかもしれませんが、研究において、様々なライフスタイルのアプローチにより、敏感肌を抑えられることが示されています。刺激性成分を使用せず、肌を落ち着かせる薬用成分を含む局所製品が進歩したことにより、敏感肌の人がより幅広い製品を使用できるようになりました。