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瞑想

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瞑想

どうやってあなたの健康を一日たった数分で変えられるのか
ジョアンナ・ローゼンフェルド自然療法医師

Qiインテグラル・ヘルス
1764 West 7th Avenue
Vancouver, BC V6J 5A3
http://qiintegratedhealth.com
joannakrosenfeld@gmail.com




Meditation - How it Can Change your Health in Just Minutes a Day



もしあなたが自分自身の健康管理のための手当に積極的に関心を持っているならば、瞑想およびマインドフルネスの利益について聞いたことがあるかも知れません。しかし、定期的な瞑想が何故それほど良いのかについて本当に知っていますか?一般的に自己申告されるのは、不安、抑うつや痛みのレベルの低下といったものですが、これらのデータは多くの臨床試験を通して強化されています[1]

しかし、技術革新と相まってこの分野での科学的研究が増え、私たちの瞑想に対する見方が広がりました。瞑想を通したマインドフルネスの実践は、私たちの脳や免疫システムの働きを改善し、慢性疾患を発症する傾向を減少し、老化のプロセスを遅くさえします。


ストレスとあなたの健康 ストレスとあなたの健康

推定60-90%の医療機関への訪問は、心身ストレス性の病態と関係しています[2]。“戦うか逃げるか反応”とも呼ばれるストレス反応は、現実あるいは想像上の脅威に対して体が対処する方法です。まず脅威は、扁桃体と呼ばれる脳の一部位で認識されますが、扁桃体はエピネフリンおよびノルエピネフリンの血液中への下流放出を引き起こします。これらのホルモンにより心拍、血圧や呼吸数に加えて血糖値も上昇します。これは、体を脅威に対処させる準備のための、覚醒・代謝需要の高い全身状態を反映しています。この即自的な反応の後、脳内のもう一つの部位である視床下部が、体を高い警戒状態に長い期間保つための方法として、コルチゾール放出の増加を促すために本格的に始動します。もし体がストレスに長時間さらされると、血流中コルチゾール値が高いままになります。高いコルチゾール値が続くと、体内の炎症レベルの上昇、体重増加、免疫機能の低下、心血管疾患発症リスクの上昇や老化加速の原因となります。ですから、実際、長期的に私たちを傷つけるようなストレスの下にある状況に対処するために、短期的には何が役立つのでしょうか?


どのようにして瞑想が助けになるのか どのようにして瞑想が助けになるのか

研究では、ストレス反応に対抗する方法としての瞑想およびマインドフルネスが掘り下げて調査され、マイナスの影響があることが確認されました。マサチューセッツ病院およびハーバード医科大学の一部門であるベンソン・ヘンリー協会の研究者たちは、心身医療の分野、特に弛緩反応の研究に専念しています。ベンソン・ヘンリー協会長のハーバート・ベンソンによると、弛緩反応は“戦うか逃げるか”反応に対抗するものです。弛緩反応は、他の思索を退けるのと同時に、単語やフレーズを繰り返すことにより引き起こされます。弛緩反応には、酸素消費の減少、血圧の低下やストレスホルモン値の低下が伴います。最近、さらに深い分析により、構造的レベル、細胞レベルそして遺伝子レベルでの印象的な弛緩反応の効果が解明されました。


免疫システム 免疫システム

ストレスは免疫システムの有効性を低下させますが、これは人々がしばしばストレスの高い時期に続いて病気になる理由です。第二度熱傷の治癒に及ぼすストレスの影響を調査したある動物実験では、(ラットにとってはストレスの高い)隔離された環境に置かれたラットたちの傷の治りは、社会的な環境に置かれたラットたちよりも、ずっと遅いことが分かりました[3]。それに加えて、隔離されたラットのカゴ内に何らかの形で刺激を与えると、傷の治癒時間が著しく改善しました。これは、ストレスは免疫および傷の治癒を下方制御する一方で、それらの作用は環境やストレスのレベルを変えることにより和らげられることを示しています[4]。他の朗報は、瞑想はストレスの免疫抑制効果に対抗するのを助け、免疫を高めさえするかも知れないことです。インフルエンザ予防接種の有効性を調査したある研究では、被験者たちは毎日瞑想を8週間行う実験群および対照群に分けられました。8週間の後、瞑想しなかった人たちと比較した際に、実験群では予防接種に続きより多くの抗体が確認されました。この免疫システムの反応性上昇は、瞑想を定期的に行っている人たちの免疫が強化されているしるしで、ストレス誘発性免疫抑制を相殺するための効果的な戦略です[5]。転帰を改善するために瞑想を他の治療と併用して利用できます。乾癬は免疫介在性皮膚疾患の一つで、しばしばUV光療法の治療が行われます。従来のUV療法を受けている間に誘導瞑想を聞く患者たちは、誘導瞑想なしにUV療法を受けている対照群よりも、皮膚の治りが早いことが分かりました[6]


遺伝子プロファイル

瞑想は、遺伝子発現のレベルで影響力があることも示されました。研究者たちは、それまでに瞑想を行ったことのない被験者たちの遺伝子プロファイルを分析し、次に毎日の瞑想プログラムを8週間完了した後に再度分析しました。8週の後、遺伝子プロファイルは特定の遺伝子について上方制御、つまり活性上昇、そして有害な遺伝子については下方制御を示しました。上昇制御された遺伝子は、三つの重要な働きの遺伝情報を保持していました。

  1. ミトコンドリア能率性の改善、これはエネルギー生産に携わる細胞に関するものです
  2. インスリン生産の増加、血糖コントロールの改善をもたらします
  3. テロメア安定性の増加、これは細胞の老化速度を遅くする一要素です

より活発でなくなった遺伝子には、NFκBクラスターがありましたが、これは慢性炎症および高血圧、炎症性腸疾患やいくつかのガンといった、炎症関連疾患に携わっています。このような変化は、たった一回の瞑想の前後ですら見られ、瞑想は私たちの遺伝子プロファイルをたった数分で変えてしまうことが明らかとなりました。それと比較して、(3年以上の)長期的な瞑想者では有利な遺伝子プロファイルがベースラインとなっていますが、これは遺伝子発現の長期的な変化を反映しています[7]


機能的および構造的な脳の変化

瞑想の実践は、脳の構造および機能の療法に影響を与える可能性があります。長期的な瞑想者では、γ活性が上昇しますが、γ活性には集中力のピークおよび高レベルの認知機能との関連があります。γ活性の上昇は、瞑想を1週間行っただけの人たちにすら見られますが、これは脳の可塑性を示しています[8]。先で言及したように、扁桃体は初期ストレス反応の間に活性化しますが、瞑想が実際にこの部位の活性を低下させ、覚醒度およびストレス自覚レベルが減少し、ウェルビーイングの感覚が増加します[9]。同様に、瞑想中は傍辺縁系皮質(paralimbic cortex)の活性が高まりますが、これは感情処理、目標設定、動機づけや自己コントロールをつかさどる脳の部位です[9]。定期的な瞑想は、反応時間に関する老化関連の衰えを相殺することが可能です[10]

脳内の機能的変化に加えて、瞑想する人々では脳内に構造的な違いもあります。人々が年を取るにつれ、脳は収縮し、灰白質が失われます。しかし、50歳の瞑想者には25歳の非瞑想者と同量の灰白質があり、瞑想が脳の老化に保護的作用を及ぼすことが明らかとなっています。定期的にマインドフルネスを実践する人々では、選択的注意、集中、反応時間、記憶、感情移入や思いやりに携わる脳の部位は全て、灰白質と大きさとで上昇を示しました[11]


弛緩反応を引き起こす 弛緩反応を引き起こす

それでは、数多くの利益の享受を受けるために、瞑想およびマインドフルネスをどのようにして日常に組み込んだら良いでしょうか?多くの瞑想施設やオンラインのリソース、そして瞑想を始めるのを助けるCDがあります。ハーバード・ベンソンは、さらにもっとシンプルに推奨しており、効果は1日たった10分で現れます[12]

  1. 適切な環境を選びましょう-可能な限り気を紛らわせるものがない静かで落ち着いた環境を選ぶことが理想的です。
  2. 精神的刺激を見つけましょう-言葉、思索、フレーズを選び、静かにあるいは声に出して繰り返します。これはあなたの頭に入ってくる一連の雑念を破る方法です。目を閉じる、あるいは柔らかく凝視をしましょう。文や単語を繰り返しながら息を吸う、吐くと連動させます。単語や文の例は、“平和”、“一つ”、“信頼”や“私はリラックスしている”や“私は落ち着いて呼吸していて、緊張を吐き出している”といったものです。
  3. ある態度を身に着けましょう-受動的な態度を取り入れ、雑念が起こればそれを無視して、繰り返しに再度注意を向けなければなりません。エクササイズの結果やどれくらい上手くやっているかについては心配しないでください。“起こるに任せる”態度を取り入れてください。これは瞑想で最も重要な部分です。思索が巡ることは予想されることで、それらを認め、言葉の繰り返しに戻ることが大切です。
  4. 姿勢-必要以上に筋肉を緊張させるのを防ぐために、快適な姿勢で座るか横たわってください。これは足を組んで座るか横たわることを意味しますが、眠りに落ちないように気を付けてください!瞑想を行う間に眠りやすい人は、前後に揺れると眠るのを防ぐのに良いでしょう。

この見返りのある行為の生理学的、感情的、精神的な利益を享受するのを始めるのに遅すぎることは決してありません。あなたの身体と心とがあなたに感謝することでしょう!