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生活活動代謝-体重管理における縁の下の力持ち

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生活活動代謝-体重管理における縁の下の力持ち

リアム・ラトゥシュ名誉理学士・自然療法医師・強化コンディショニング専門家(CSCS)

マハヤ・フォレスト・ヒル統合ヘルス
73 Warren Road, Suite 102
Toronto, ON M4V 2R9

www.liamlatouche.com




Non-Exercise Activity Thermogenesis - The Unsung Hero of Weight Management




体重管理の従来のアプローチおよびそれが不十分な理由

私たちの社会は常に体重管理の特効薬を探しています。過剰な脂肪を落とし壮健で引き締まった体を手に入れることができる魔法のダイエット、ピルやフィットネスマシーンなどです。何年にもわたって、多くのサービスや製品がこの数十億ドル市場の産業でヒットしましたが、相変わらず関連共存症と共に肥満率も上昇し続けています。体重管理ということになると、一時的流行や子供だましよりもむしろ健康的な生活の基本的構成要素に焦点を当てることが、いつでも最善策です。しかし、これらの一般的なアプローチが望まれる結果の達成を常にもたらすとは限りません。

第一に、初期医療従事者たちはライフスタイル医学およびその患者治療への組み込みを評価していますが、特にこれは自然療法医に当てはまります。ライフスタイル医学の領域では、体重管理計画を考える際に、リストの一番目にあるのは通常、運動活動です。しかし、健康的な身体組成を支えるのを助ける “最良の”運動やワークアウトを決めるのは、それがしばしば様々な要素に依存することから、難しいかも知れません。医療専門家が適切な運動療法を開発したり勧めたりする際に、患者の病歴、怪我、健康上のリスク因子、目標、現在のフィットネスレベル、コミットメントの度合いや現実的な時間の余裕やその他の要素を考慮しなければなりません。自然療法医たちは、構造的および機能的なアンバランス(このようなアンバランスにより患者は怪我しやすくなる可能性があります)の評価を、整形外科的検査、機能運動スクリーン、筋力テストや神経学的評価を通して行う可能性もあります。この評価によって個別化した運動療法を制作するのが可能となります。個別化したプログラム開発の支援を求めない人たちでは、結果が最適以下となりがちです。いったん十分な評価が完了すればワークアウト療法を実行できますが、一般にこのワークアウト療法では、患者の年齢により定められた最大心拍数の65-85%の強度で、一日30-60分、週3-5回、心血管運動および筋力トレーニングを組み合わせた運動を行います[1]

第二に、患者と一緒になって体重管理の目標を達成するのを助ける自然療法医たちは、健康的でバランスの取れた食事の重要性を大いに強調することでしょう。基本的な考え方は、シンプルな一つの方程式で表されます:<摂取カロリー>-<消費カロリー>=<正味カロリー>です。別の言葉で言えば、摂取した食物のカロリー引く燃焼したカロリーで、正(体重増)あるいは負(体重減)のカロリー収支が決まります。物事を正しく見定めるために具体的に言うと、体重の1ポンド(約454g)は大体3500カロリーと同等で、ゆえにもし(余剰カロリーを燃焼させるかより少ないカロリーを摂取するかのどちらかで)毎日500カロリーの不足があれば、一週間で体重1ポンドが減ることになります[1]。このシステムは、厳しいプロセスではあるものの、もし個人が自分自身の食事および運動の習慣を難なく追跡できるならば、功を奏するでしょう。同様に、これは患者の代謝率、食物の選択や食物過敏症の可能性、健康を乱すような隠れた病理、減量源(筋肉あるいは脂肪)や継続的な健康的行動への変化促進を考慮に入れていませんが、これら全てが結果維持への制限に寄与する可能性があります。それに応じて、自然療法士は、健康的な脂肪と組み合わせた植物ベースの食事、脂分の少ないタンパク質、そして既知の欠乏症を補い患者の目標を達成するのを支援するようなミネラル・ビタミンのサプリメントといった健康的な食事選択についての教育を、患者に施します。

運動と栄養とを中心とする健康的な体重管理に対するこれらの基礎的なアプローチは確かに重要ですが、何も新しいことではありません。これらの重要性の一般的な知識や認識があるにも関わらず、多くの人たちは体重管理に悪戦苦闘し続けています。その結果として、この記事は運動や食事をより詳細に掘り下げることはしません。むしろこの記事では、もう一つの、少々過小評価された、健康的な身体組成の達成と維持において著しい役割を果たす体重管理の要素について探求しましょう。


NEAT(non-exercise activity thermogenesis; 生活活動代謝)
NEAT(non-exercise activity thermogenesis; 生活活動代謝)

前で言及したように、減量するためには、一貫して負のカロリー収支の状態を保つ必要があります。これが、健康産業で普及している低カロリー食事法やカロリー燃焼運動の論理的根拠です。しかし、一定期間中に人が何キロカロリー消費しているかということになると、運動が占める割合は相対的に小さいのです。

毎日のエネルギー消費には、I) 基礎代謝率(基礎的な細胞の働きを行うために必要なエネルギー)、II) 食物の熱的効果(食物・栄養を分解、吸収し貯蓄するのに必要なエネルギー)、III) 生活活動代謝(運動性および非運動性の活動(NEAT)から成るエネルギー消費)という三つの主要素があります[2-5]

基礎代謝率は、座ることの多い成人のおおよそ60%の割合を占め、除脂肪体重(脂肪を除いた体重)が大きいほど基礎代謝率が高くなります[2]。食物の熱的効果はエネルギー消費のおおよそ10%を占め、あまり個人差はありません[2]

NEAT (non-exercise activity thermogenesis) 情報源:Levine JA. Nonexercise activity thermogenesis (NEAT): environment and biology. Am J Physiol-Endoc M, 2004; 28:E675-E685.

生活活動代謝に関しては、運動およびNEATが吟味されます。平均的な“運動する人”は週2時間の運動を行いますが、これは一日100カロリーのエネルギーを燃焼するのと同等です[2]。平均的なカロリー摂取が一日1500-2500カロリーであるのを考えると、これは多くなく[1] 、さらに減量を試みている人はカロリー収支を負にする必要があります。それに加えて、全く運動しない人たちでは運動性エネルギー消費がゼロとなります。

ジェームス・A・レヴィン医学博士はNEATについて広範囲に研究を行い、次のように述べています[4]

“非運動性活動によるエネルギー消費は、意思に基づくスポーツの様な運動以外の全ての身体活動によるエネルギー消費です。NEATには、ダンス、職場や学校へ通う、雪かきをする、ギターを弾く、水泳をする、現代的なショッピングモールを歩いたりするといった、人を活気づけ独立した類のない存在とさせるような全ての活動が含まれます。毎日NEATは消費され、職業に関連するNEATや娯楽に関連するNEATとして分類することも非常に容易です。

NEATは運動と対照的です。運動は意思に基づく行為で、体力を付けたり維持したりするという目的があります。研究では、労働集約的な仕事はエネルギー消費を一日1500カロリー増加させることが可能であることから、NEATにおいては職業が最大の決定因子であることが示されました[2]

物事を正しく見定めるために、様々なアクティビティとそのNEATへの影響についての一般的な例をいくつか挙げましょう。

NEAT (non-exercise activity thermogenesis) 情報源:Levine JA. Nonexercise activity thermogenesis (NEAT): environment and biology. Am J Physiol-Endoc M, 2004; 28:E675-E685.












NEATの体重管理への統合およびさらに考慮すべきこと NEATの体重管理への統合およびさらに考慮すべきこと

エネルギー消費におけるコントロール可能で修正可能な要素、すなわち運動およびNEATについて吟味し、そして比較的小さな運動の影響について考慮すると、NEATを最大限に利用することが大変重要になってきます。レヴィン博士と彼のチームにより行われたある研究では、NEATを増やさなかった食べ過ぎの参加者たちでは脂肪の増加が最大限である一方で、NEATを最大限に増やした食べ過ぎの参加者たちでは、結局は脂肪の増加が最小限であるという結論が下されました[4]。他の言葉で言えば、NEATは健康的な体重管理において主要な役割を果たし、誰もがコントロールできるものです。これは、より労働集約的な性質の仕事や趣味を選んだり、座りがちの仕事や趣味を日々認識しつつ徐々に運動を導入したりすることが関わってくる可能性があります。

NEATを最大限に利用し、定期的な運動を行い、健康的でバランスの取れた植物ベースの食事を摂取するのに加えて、いくつかの補助を考慮することでさらに良い結果が得られます。定期的な自然療法のケアを受けることで、徹底的な健康評価および個別プログラム作成、説明責任、支援、動機づけや、目標を達成するための隠れた障壁に取り組むための診療所内での処置を可能とし、減量のプロセスを早める助けとなるでしょう。これには、過去の怪我や筋肉のアンバランス、ホルモンのアンバランス、免疫機能障害、睡眠の問題、消化の不調、神経・運動障害や気分障害といったものがあります。さらに、登録されたキネジオロジストや免許を持つ運動トレーナーの監視を求めると、運動中に行う運動パターンが正しく、将来の怪我のリスクの減少を確かにするのを助けるでしょう。さらに、カロリー収支を監視し摂食パターンや運動の習慣を追跡するために、追跡アプリケーションや追跡デバイスを利用することも可能です。

最後に、体重管理で正当に評価されない面は、身体イメージと自己受容です。様々な過去の経験や人間関係が理由で、否定的で強化された思考パターンが多数の健康への障害となる可能性があります。マインドフルネスの実践は役に立ちますが、マインドフルネスというのは、意図的に決めつけることなく今の瞬間に注意を払う行為のことです[6]。現在の瞬間に繋がることにより、どのようにして時間とエネルギーが費やされているかを、マインドフルネスがリアルタイムで気付かせてくれます(例えば、自分が長時間座っていたことに気づき、立ち上がって動くべきであることを認識する)。マインドフルネスは、平静あるいは“決めつけない“ということを利用して、さらに深い癒しと変化との土台を作るのを助けます。このレンズを通すと、何も努力しないことは“十分ではありません”。より良い健康に対する一人ひとりの全ての試みは、合目的であり歓迎されるのと同時に、マイナス思考の独り言のせいで起こるダメージを和らげます。マインドフルネスの基本的実践に加えて、認知行動療法(CBT: Cognitive Behaviour Therapy)は、認識・発展と行動の変化をさらに容易にすることで、健康的な体重管理を支える生活習慣の見直しの継続に寄与する可能性があります。認知行動療法と同様に、マインドフルネス理論および実践の複雑さはこの記事の範囲を優に超えますが、John Kabat-ZinnによるFull Consciousness LivingおよびDennis GreenbergerとChristine A. PadeskyによるMind Over Moodに加えて、自然療法医に相談することで、探ることができるでしょう。


結論 結論

運動および健康的な食生活は、健康な身体組成を達成・維持する基礎となる要素です。しかし、健康およびウェルネスは、週数回ジムで汗をかき、いくつもの野菜を皿に詰め込むことを確実に超えています。体重管理の場合には、日常生活に動作をもっと多く組み込むことが決定的な要素です。興味深いことに、NEATの利点はそれに留まらず、最近の研究では、II型糖尿病患者たちの健康的なインスリン感受性、胴囲、高比重リポタンパクコレステロール値や血圧の達成に一役買っていることが明らかとなりました[7]

結論として、全体的な健康な身体組成を促すために、そしてさらに肥満を逆転させるために、毎日2.5時間、立ったり歩行したりして、それによりNEATを増加させることが勧められます[3]。将来に目を向けると、我々の社会が、仕事、学校や家庭の環境を再設計して、活動的な生活の選択肢を作り出すことも勧められます。単純に一日を通してもっと動こうというこの極めて簡単な勧告に加えて、研究では、私たちが自分の体重を自主的にコントロールし現在の肥満の傾向に良い影響を及ぼすのが可能であることが明らかとなりました。これは、NEATを個人の日常生活のどの部分に組み込み、どの部分で強化することが可能であるかを調べることで、達成可能です。各自が、エレベーターではなく階段を利用し、公共交通機関では数駅早く下車し、最終目的地よりも相当手前で駐車し、犬をただ裏庭に放す代わりに散歩に連れて行く、といった努力をすることが可能です。こういった実践は個人の任意で簡単かつ創造的となるかも知れませんが、肝心なのはいつも同じです、ただただ動いてください。