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緑茶

NPC COLLABORATOR
ND

13 October 2015
日本語

 

緑茶は、中国南部原産のCamelia sinensisという低木の植物から作られる飲料で、多くの恩恵があることから利用されてきました[1]。緑茶が中国の国民飲料として知られているアジアで、これには大きな文化的意義があります。インドおよび中国の両国では、消化や心血管そして精神衛生などを維持するために、彼らの補完医学の実践において緑茶が取り入れられています[1]。過去10年のみを見ても、健康を促進するための緑茶の多様な応用を支持する研究が多数ありました。これらの研究は、西洋で新しく見出された緑茶の応用においても、先駆け的な存在となりました。

緑茶緑茶の生産過程は、カテキン、プロアントシアニジン、そしてエピガロカテキン没食子酸塩(EGCG: epigallocatechin gallate)のようなポリフェノール類の酸化や不活性化が殆どあるいは全くない点において、紅茶とは異なります。これらのポリフェノール類は、ですから緑茶には大量に含まれており、最も高濃度なのはエピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)です[2]。エピガロカテキン没食子酸塩は、体内の有害なフリーラジカルを打ち消す強力な抗酸化性物質です。この化合物は調査・研究され、異なるタイプのガン(胃ガン、直腸結腸ガン、乳ガン、肺ガン、前立腺ガン、肝臓ガン、白血病)の治療・予防から減量、精神的敏捷性や運動における持久力の改善まで、様々な病態に利用されています[3,4]。緑茶は外用で、ニキビの管理や子宮頸ガンに加えて肌の老化の進行についても、有望な結果を示しました[4]

植物療法の一つとして、一日数回温かい飲み物で、あるいは標準化ポリフェノール類のサプリメントで、緑茶を利用することが可能です。緑茶一杯には、ポリフェノール類に加えてカフェインのようなアルカロイドも、コーヒーほど大量ではないものの、含まれています[2]。緑茶は定期的に摂取すれば安全ですが、過剰に摂取すると緑茶に含まれているカフェインの副作用があるでしょう[2]。元来、中国人は緑茶を粉末(抹茶)で摂取していましたが、興味深いことに、時間の経過と共に茶葉抽出へと移行したことが注目されます。近世における緑茶の利用の進化は、科学的発見の幾つかと平行して起こりました。この記事では、減量のための治療への緑茶の応用およびガンの付加療法としての緑茶の応用について検討しましょう。

減量 減量

今日では、緑茶は疑いなく北米で最も一般的に摂取されているお茶の一つです。人気のコーヒーの代替飲料であるにも関わらず、このカフェイン含有飲料はその強力な抗酸化作用と、更に最近ではその減量を補助する作用についても良く知られています。やせ薬となる魔法の天然サプリメントは市場に存在し得るのでしょうか?そして、それには効き目があるのでしょうか?

言及されたように、緑茶は、緑茶葉に含まれる多数のカテキン類のうちの一つ、エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG: epigallocatechin-3-gallate)として知られている強力な活性成分を含んでいます。エピガロカテキン没食子酸塩は減量を可能にする主要活性成分であるという評判で、研究によるとエピガロカテキン没食子酸塩は特定の人に効果があることが示唆されています。2015年には、ある二重盲険無作為プラセボ対照臨床試験で、中心性肥満の女性115人が857mgのエピガロカテキン没食子酸塩を12週間摂取したところ、BMIが低下し、胴囲が減少しました[5]。血液検査でも、総コレステロールおよびLDL(低密度リポタンパク質)の低下が示されました。副作用や有害事象は見られませんでした。

この研究の肯定的な結果は、体内にあるグレリンというホルモンの値を低下させるエピガロカテキン没食子酸塩の作用に帰するかも知れません[5]。グレリンというのは、“空腹ホルモン”と言われており、エネルギー消費や、更に重要なことに、食欲と空腹との調節に携わっています。エピガロカテキン没食子酸塩は、アディポネクチンの値を上昇させることも分かりました。アディポネクチンというのは、体内のブドウ糖調節および脂肪酸(脂肪)の分解に携わっています。この研究のプラセボ群の被験者たちには、このような結果は見られませんでした。

2014年に更年期前の肥満女性83人を対象として行われた、初期の二重盲険無作為プラセボ対照臨床試験では、身体組成および代謝の変化にエピガロカテキン没食子酸塩がどのような役割を果たすかについて調査しました[6]。このグループの人たちが300mgのエピガロカテキン没食子酸塩を12週間摂取した結果、体脂肪組成やエネルギー消費に何の変化もなく、全体的な減量に対する影響は何も示されませんでした[6]

多くの人たちは魔法のような無害のやせ薬があって欲しいと望んでいますが、現存、研究の数には限りがあり、研究結果も様々であることから、エピガロカテキン没食子酸塩が魔法のやせ薬であるという結論を下すことはできません。しかし、服用量が正しく、かつ適当な人口が対象ならば、エピガロカテキン没食子酸塩は有望であると言えるかも知れません。更に多くの研究が進行中であることから、食事で沢山の果物や野菜を摂取し、一定の運動管理を行い、時々は緑茶を飲むことが、健康的な心と体の維持のために良い手始めとなるでしょう。

腫瘍学 腫瘍学

緑茶は、骨肉腫、白血病、皮膚ガン、乳ガン、前立腺ガン、食道ガン、胃ガン、直腸結腸ガン、膵臓ガン、肺ガン、子宮頸ガン、膀胱ガンといった幾つかの種類のガンを防ぐことが報告されました[7]。緑茶にはカテキン類が含まれていますが、これはポリフェノール性フラボノイドに由来する成分で、ガンの成長を抑制することが分かっています[8]。緑茶に含まれる主要なカテキン類の幾つかは、エピカテキン(EC: epicatechin)、エピガロカテキン(EGC: epigallocatechin)、そしてエピガロカテキン没食子酸塩(EGCG: epigallocatechin-3-gallate)といったものです[7]

緑茶は、ポリフェノール成分が含まれていることから、抗炎症性、抗酸化性、そして抗ガン性があると言われています[8]。緑茶の持つ抗酸化および抗ガンの機構の幾つかは、フリーラジカルの除去、解毒系フェーズIおよびIIに対する刺激、腫瘍プロモーターの抑制、そして変異原性および遺伝毒性の予防です[7]。それに加えて、複数のインビボ研究によると、緑茶ポリフェノールは、酸化性ストレスを低め、タンパク質の酸化を減らし、免疫系の抑制を防ぎ、DNA修復酵素を刺激することにより、紫外線照射により誘発される発ガン現象を妨げることが分かりました[9]

緑茶を摂取すると、エストロゲン受容体にエストロゲンが結合するのが妨げられ、それによって乳ガンのステージIおよびIIにおける転移と再発とを減少させることが報告されました[7]。別の研究では、緑茶を摂取することにより、乳ガンのリンパ節への転移のリスクが低下し、一日10杯以上飲む人たちでは全体的な乳ガン発生率に減少がもたらされることが分かりました[10]。緑茶の摂取は、女性の食道ガン発症リスクも低下させることが分かりました。緑茶を最も飲用するグループに割り振られた参加者は、他のグループと比較して50%のリスク減少がある一方で、別の研究によると、緑茶の摂取により食道ガン発症のリスクが60%減少することが報告されました[10]。更に、緑茶を摂取する喫煙者では肺細胞およびリンパ球の突然変異のリスクが減少しますが、緑茶摂取は非喫煙者の肺癌のリスクも低下させることが分かりました[10]

緑茶に含まれるポリフェノール類の一つであるエピガロカテキン没食子酸塩は、ガン性腫瘍の発症を防ぐことが報告されました。エピガロカテキン没食子酸塩は強力な抗酸化物質で、ガン細胞の成長を促す因子を抑制することにより、腫瘍の成長を遅くすることが示されました[7]。エピガロカテキン没食子酸塩が、健康な細胞を損なうことなく、ガン細胞の成長を停止させることも示唆されました[7]。更に幾つかの研究では、エピガロカテキン没食子酸塩が腫瘍壊死因子αの放出を阻害し、前ガン状態および初期化状態の両段階で、細胞における腫瘍のプロモーションおよびプログレションを抑制することも分かりました[10]

前立腺ガンにおいては、エピガロカテキン没食子酸塩がアポトーシス細胞死によってガン細胞の成長を阻害することが、研究者たちによって発見されました。エピガロカテキン没食子酸塩がインビトロでヒトの乳ガン細胞の増殖を減らし、初期診断における重症度を下げ、再発の確率を低くすることも報告されました[10]。それに加えて、エピガロカテキン没食子酸塩は、プログラム細胞死および細胞周期停止を介して、子宮頸ガン細胞の成長を阻害すると述べられました[10]

治療を目的とした緑茶の推奨服用量は一日4-10杯ですが、これは500mgの緑茶ポリフェノールを一日3-4回服用するのと同等で、更に、緑茶は安全性プロフィールが高いことから、定期的に服用しても安全です。研究調査によると、緑茶は強力な抗酸化性および抗発がん性を備えており、異なるタイプのガンの発症を予防するのに効果的である可能性があります[10]。しかし、全ての人は異なりますので、あなたの健康に関してどんな見直しを行う場合にも、事前に自然療法医のアドバイスを求めるよう、私たちはいつも提案しています。ある人たちには抽出物のサプリメントが最善策である一方で、別の人たちには一日2、3杯の緑茶を生活に取り入れることがより適当です。