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免疫サポート

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By: Heidi Fritz MA, ND
Bolton Naturopathic Clinic
64 King St W, Bolton, ON L7E1C7
www.boltonnaturopathic.ca
info@boltonnaturopathic.ca


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パートI パートII パートIIIパートIV

Immune Support




パートI:イントロダクション

秋は一年の中で、学生と教師との双方にとって興奮(もしくは恐怖)に満ちた美しい時です。大多数にとって、秋はまた、休暇や夏時間の終わりと、厳しい勉強や仕事のスケジュールの始まりとを告げるものでもあります。気候がより涼しく変動するのに加えて、これらの様々なストレッサーの組み合わせが、あの忌まわしい風邪とインフルエンザのシーズンの始まりに転じます。最初は、子供が鼻風邪で家に帰ってきたり、職場で同僚が渇いた咳をしたりしますが、あなたが気付く前に“病原菌”はあなたの世帯全体に行き渡ってしまっています。今月は、秋冬を通して免疫システムを健康に保ち、最高のコンディションで勉強や仕事を続ける助けとなる、いくつかの主要なナチュラルな戦略についてお話しします。

面白い話題に入る前に、衛生が素晴らしい役割を果たすことに言及する価値があります。適切な手洗いというのは、石鹸の泡で20秒以上行わなければなりませんし、食事の用意や食事の前後と最中、誰か病気の人を世話する前後、トイレの後、鼻をかんだり咳をしたりくしゃみをしたり動物や生ゴミなど他のものへさらされた後にも奨励されます(1)。手の消毒剤は、石鹸と水での手洗いと同様に効果的であるとは見なされません(1)。手を衛生的にするためのきちんとした手法を取り入れるだけで、学校の子供達の欠席日数が減ることが示されました(2)。

食事とサプリメントの視点からは、植物由来のフラボノイドとビタミンCとの摂取を増やすことが基本です。例えば、6ヶ月の間、果物と野菜から抽出された濃縮果実パウダーで栄養補給を行うと、プラセボ飲料と比べて、中くらいから重い風邪の症状の日数をほぼ2日短縮することが示されました(3)。同様に、低量の亜鉛の含有ありなしに関わらず500-1000mgのビタミンCを風邪のシーズンを通して補給すると、風邪の頻度を減らし、鼻水の症状の継続期間を最大27%短縮し、回復時間をスピードアップすることが示されました(4,5,6)。精製糖の摂取を制限することは重要です。それというのも、砂糖や他の精製された炭水化物は摂取後5時間の間、好中球のような免疫細胞の抗細菌的(そして恐らく同様に抗ウィルス的)活動を抑制することが示されたからです(7)。

パートIIでは、緑茶やプロバイオティクスそしてビタミンDといった、第二段階の対処法であるいくつかの天然サプリメントの役割について検討しますので、引き続きお読み下さい。



Immune Support - Preventing the “turn-of-season” cold

パートII:サプリメントと免疫の健康:緑茶、ビタミンD、プロバイオティクス
By: Heidi Fritz MA, ND
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Supplements and immune health; green tea, vitamin D, probiotics パートIでは、衛生の役割と食事習慣とが風邪やインフルエンザを予防したりその症状をコントロールしたりする役割を果たすことについて検討しました。これらは、更に優れた免疫効果を上げるために、どの栄養サプリメントやハーブのサプリメントを選りすぐって追加するかを決める前の基礎となります。主要ないくつかの薬剤は、緑茶、良質のプロバイオティクス、そしてビタミンDです。

緑茶は抗ウィルス作用を持つ新興の天然薬剤です(1)。緑茶は、タブレット型の抽出物(約400mg緑茶カテキンと等しい)として摂取しても、ヘルスケア従事者のインフルエンザの罹患を75%減少させることが示されました(2)。別の調査では、緑茶抽出物は、2日以上続く病気の総数を22%以上減少させ、症状の見られる総日数を35%以上減少させ、免疫細胞により生産される抗体の量を増加させることが示されました(1)。別の調査では、緑茶を飲料として一日1-5杯摂取すると学齢期の子供たちのインフルエンザ罹患を40-50%減少させることが分かりました(3)。

プロバイオティクスについての情報は過去数年間に急増しました。プロバイオティクスは、上気道感染症の罹患を効果的に減少させることが良く知られるようになってきています(4)。ある総説(訳者注:あるタイプの学術論文)では、プロバイオティクス補給により上気道感染症の罹患数が著しく減少するばかりでなく、抗生物質の処方率も減少させることができたことが分かりました(4)。プロバイオティクスは、腸内に住む免疫細胞と相互に作用してIgAの分泌器官を刺激してその生産を促すと考えられています。IgAは腸内のウィルスやバクテリアを中和し(5)、そして体中の免疫細胞の機能に体系的に影響を及ぼします(6)。

ビタミンDは免疫機能を調整するための重要な栄養素です。ある無作為調査では、冬期数ヶ月間の学齢期の子供たちにビタミンD(1200IU)を補給すると、インフルエンザAへの罹患を40%以上減少させる結果となりました(7)。これには、喘息を既往歴に持つ子供たちの喘息発作の著しい減少も伴いました(7)。ビタミンDはカナダ人にとって特に重要です。それというのも、カナダではボーダーラインや顕著な欠乏ですら広く行きわたっているからです (8)。各人にとって最適なビタミンDの服用量を決めるために、家庭医や自然療法医を通して費用40ドルほどの血液検査を行うことが可能です。

来週、パートIIIではエキナセアの使用について検討しますので是非お読み下さい。結局、エキナセアには効果があるのでしょうか?



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パートIII:エキナセア
By: Heidi Fritz MA, ND
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Echinacea ナチュラルな健康とウェルネスとの進展に通じている大多数の人々は、人気の免疫活性ハーブであるエキナセアについて聞いたことがあるでしょう。もっと端的に言うと、過去数年にわたって続いてきたエキナセアの効果を取り巻く論争について聞いたことがあるでしょう。このパートでは、エキナセアの効能およびエキナセアを用いる際に知っておくべきことについて検討します。

最初に、エキナセアに効能があり得ることを示す、まずまずのレベルのエビデンスが存在します。例えば、ランセット(訳者注:イギリスの高い階級の医学専門週刊誌)に掲載された2007年のある調査では、エキナセアにより一般の風邪の発生数およびその継続期間が減少したというエビデンスが発表され、エキナセアの効果を裏付けていることが分かりました(1)。エキナセアを用いることで、一般の風邪の発症リスクが40%以上低下し、風邪の継続期間が1.4日減少することが分かりました(1)。別の調査では、エキナセアが風邪症状の発現総数、風邪症状の総日数そして鎮痛剤を必要とする回数を減少させることが分かりました(2)。調査参加者の鼻から綿棒で集めた標本を検査したところ、エキナセアはウィルス性と確認された風邪を抑制していたことが分かりました(2)。

ハーブのサプリメントを使う際、製品の質が最も重要です。どのようにしてハーブが栽培されたか、いつ収穫されたか、そしてどのように加工され抽出されたかに応じて、最終製品の化学的要素の構成は非常に異なるものとなります。エキナセアについての研究を再吟味した際、用いられた製品には実際大きな変動性があることが指摘されました(3)。アルカミドはエキナセアの活性分子ですが、製品の効果はこれら含有物の質に依存します(4)。アルカミドを含有するチンキ剤(液体アルコール溶液)は、それを味見すると口の中で独特のひりひりした感じがしますが、これは製品の質に関する簡単な“味見試験“となり得ます。もしエキナセア製品にこのひりひりする作用がなければ、その製品にはそれほど効果がない可能性があります。

ある総論では、一般の風邪の治療についての19の調査、一般の風邪の予防についての3つの調査、合計22の調査を概観しました(3)。この総論では、エキナセアは治療で効果的であるものの予防ではそうでもないことが分かりました(3)。この総論が発表された後に、エキナセアが予防的に用いられた際に何らかの効果があることを示唆する他のエビデンスが現れたものの (2)、エキナセアは最初に風邪の兆候が現れた際に用いる(初期治療)際にあるいは最も効果が高いのかも知れません。服用量も様々で、大人を対象とした調査では5-15mLの間のチンキ剤が良く使われています(3)。

製品の質、服用量、そして使用するタイミングは、一般の風邪に対するエキナセアの効果に疑いなく大きな違いをもたらす要素です。パートIVではライフスタイルにおける衛生の役割について検討しますので、引き続きお読み下さい。



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パートIV:ライフスタイルが健全な免疫におよぼす影響
By: Heidi Fritz MA, ND
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Lifestyle influences on immune health パートIIとパートIIIとでは、免疫機能を高め風邪やインフルエンザを払いのけるための主要な天然サプリメントのいくつかを概観しました。このパートでは、ライフスタイルの要素、すなわち現代的生活でこれほどまでに行きわたっているストレスの影響について更に詳細に見ていきます。ストレスは通常、健全な免疫機能を抑制すると認識されていますが、それがどのようにして起こるか、そしてそれに対して何ができるかについては一般に知られていません。

汎適応症候群(GAS: General Adaptation Syndrome)としても知られているストレス反応は、三段階で成り立っています。第一段階は “戦うか逃げるか”反応で、この段階では体が直に知覚した脅威から自身を守ろうとします。エピネフリンとコルチゾールが副腎から分泌されて警戒を増大し血糖値を上昇させ呼吸数と血行そして心臓と大きな筋肉群への血流を増加させます。それと同時に、サバイバルには直接必要のない消化のような身体機能は抑制されます。もしこの脅威やストレッサーが持続するならば、GASの第二段階である抵抗段階が続きます。この段階では、体は継続するストレッサーに適応するために上昇したコルチゾール分泌を維持しようとします。もしこれが長期の間続けば、副腎は十分なコルチゾールを生産できなくなり、GASの第三段階が起こりますが、これが疲弊段階です。これをあらわす大衆的な用語は“副腎疲労“としても知られていますが、別の人々の間では副腎皮質の軽い欠乏と呼ばれました。

副腎疲労や副腎皮質の軽い欠乏に冒されている人は、しばしば呼吸器感染症が長引いたり再発したりします。例えばこれは、疲労や鼻づまりや鼻すすりのような軽度の症状を伴う何週間も続く“治らない風邪”や、間を置かず風邪やインフルエンザに連続で2つ3つかかるといったものです。これらのどちらのシナリオも副腎疲労の特徴です。

今日の多忙を極める社会では非常によくある高レベルのストレスを感じている人たちが、ハーブと栄養素を用いて副腎機能を支えることは、免疫機能を改善するだけではなく広汎性疲労やストレスの影響を受けた気分の問題にも、役に立つ可能性があります。ビタミンB群を余分に補給することは、副腎機能を支えるために大切です。それというのも、ビタミンB群はエネルギー生産の補因子であり、体がストレスにさらされる際に高率で使用されるからです(2,3)。例えばある調査では、コルチゾールを健康な若い男性に投与すると、血中のビタミンB濃度が13-24%低下することが分かりました(2)。

ストレスに対する体の反応を支える助けとなるハーブは“アダプトゲン”と呼ばれ、アシュワガンダ(Withania somnifera)やエゾウコギ(Eleutherococus senticosus)そしてイワベンケイ(Rhodiola rosea)といったものがあります(4)。アダプトゲンはコルチゾール調整剤として作用し、特にコルチゾールレベルが低ければその生産を増加させ、コルチゾールレベルが高ければその生産を低めることが示されました(5,6)。更に大きな尺度では、アダプトゲン様ハーブは、ストレスや疲労そして不安の主観的知覚を軽減すると同時に精神的および肉体的な能力を増進することで、体がストレスに対処するのを助けます(5-8)。ですからアダプトゲン様ハーブを用いるのは、長期のあるいは高いレベルのストレスに悩んでいる人が健全な免疫機能を確保するための有力な方法です。もし薬を服用中ならば、ハーブのサプリメントを服用する前に自然療法医師に相談することが勧められます。

結論として、食事、プロバイオティクスやビタミンDや緑茶のような栄養素の補給、そしてエキナセアやアダプトゲンのような適切な良質のハーブを組み合わせることが、冬の風邪やインフルエンザのリスクを減らすのを助ける効果的な戦略となる可能性があります。