これはカンジダ膣炎か？－よくある膣内イースト菌感染症とその予防

V膣内イースト菌感染症は、女性たちが医師の診療を求める、あるいは市販薬で自己治療する際の良くある理由です。カンジダ膣炎の手軽な外用薬がこれほど多いことから自己処方しない方が難しいでしょう。私たちは、母親あるいは祖母の時代の7日間治療から、より簡単でより“きれい”な、経口あるいは経膣両方での“一錠治療”へと進歩しました。あなたが膣のかゆみを感じ、ひょっとしたら匂いもあり、おりものがあるといった理由から、カンジダ膣炎になったと考えるのは早急かも知れません。私たちは、これらのカンジダ膣炎の手っ取り早い解決法に慣れ過ぎてしまい、女性たちの多くは適切な検査を受けることなく薬局に直行します。しかし、実際にはこれらの症状は全くカンジダ膣炎ではなく、一般的な抗真菌剤の治療では解決しないかも知れない他の多くの種類の膣内イースト菌感染症のうちの一つであるかも知れません。

妊娠・出産可能年齢の女性で三つの最も一般的な膣感染症は、細菌性膣炎、膣カンジダ症（イースト感染）、そしてトリコモナス症（性感染症）です。各感染症の原因や性質から、適切な診断や検査を受けることが重要です。これは特に、女性によってこれらの感染の現れ方が異なり、独特の兆候や症状を呈するか完全に無症状であることから、真実です。

細菌性膣炎（BV: bacterial vaginosis）は、感染を引き起こす非常に一般的な膣毒素症です。膣に住むバクテリア種の変化に関わるため、古典的な抗真菌剤やイースト菌感染薬に反応しない可能性があります。毒素症の場合、膣環境には、本来その部位を住処とする保護性のある乳酸菌種の代わりに嫌気性細菌が過剰繁殖します^[1]。 この微環境における変化は粘膜を劣化させ、炎症やおりものを生じさせます^[2]。

膣組織は、保護粘膜層のないまま段々と傷付き敏感になり、他の病原体からの攻撃をより受けやすくなります。このタイプの細菌感染が起こると、異常なおりものに加えて今までになかった臭いや魚臭があるかも知れません^[3]。これらの変化で膣環境のpHも変わり、膣カンジダ症の場合よりも酸性が弱くなりますが、これはイースト菌感染に対して細菌性膣炎かどうかを検査する一つの方法でもあります^[3]。膣pHが4.5以下は、十分に健康的な乳酸菌値の指標であり、ですから細菌性膣炎は疑わしいでしょう。

膣細菌毒素症の発症に影響する多くの要素が存在します。膣洗浄製品の使用や広域抗生物質の服用は両方とも、健康に良い乳酸菌種を膣環境から奪い去る可能性があります^[2]。それに加えて、保護のない性交を頻繁に行うと精子が膣環境をアルカリ化するため、細菌叢が変化する可能性があります^[2]。この様な理由から、膣感染症の期間は性交を控えることが大切です。保護がないと精子が膣pHを変化させ健康に良い細菌の数が減少し、保護があると性交による摩擦が不快感と炎症悪化を生じさせる可能性があります。

古典的なイースト菌感染症に関係があると一般に思われている症状には、痒みや“カッテージチーズ”の様なおりものがあります。でも、多くの女性たちには異なる症状が現れる可能性があり、実際におりものは水っぽいものからドロッとした水気の少ないものまで様々です^[2]。他の症状は、腫れ、赤み、そしてチクチク感といったものです。症状ははっきりせず人によって異なるかも知れないことから、本人による自己診断は通常、誤っています。これがしばしば不適切な治療、ひいては膣感染症再発や他の多くの問題の潜在的原因となります^[2]。

膣カンジダは、経口のフルコナゾールあるいは経膣のクロトリマゾール（膣坐薬あるいはクリーム）で容易に治療可能ですが、健康的な膣環境を適切に回復させ感染の再発を予防するためには、ナチュラルな治療やライフスタイルの見直しも含めて行うことが重要です。

多くの膣感染症には予防的ケアが大切ですが、これには綿のように通気性の良い素材で作った下着を着用することも含まれます。同様に、言葉通り、膣と肛門の間で病原菌の架け橋となるかも知れないトングのような下着を避けることが重要です。

トリコモナス症は性感染症で、淋病やクラミジアよりも一般的です^[2]。このタイプの感染の女性たちはしばしば、他の膣感染症と極めて類似した膣の痒み、おりもの、炎症を経験しますが、おりものの色は黄色あるいは緑色がかっているか泡状の可能性があります^[4]。細菌性膣炎やカンジダ膣炎とは異なり、性交での痛み（性交疼痛）や排尿での痛み（排尿障害）が珍しくありません。

膣検査の重要性をここで誇張し過ぎることはありません。膣検査は女性の私たちが心待ちにするものではありませんが、かかりつけの医師はこの検査から莫大な量の情報を得ることが出来るでしょう。

まず、かかりつけ医は膣組織を検査して、本人には見ることが出来ない皮膚損傷を探します。また、嚢胞やイボを示すこぶや突起がないかもチェックしなければなりません。

膣感染症では一般的に行われませんが、“子宮頸部細胞診”としても知られるパパニコロー試験が行われるかも知れません。子宮頸部細胞診の間、医師は異常細胞のスクリーニングのために子宮頸部の細胞検体を採取するでしょう。

検鏡検査の一部として、医師は膣管の中で実際に何が起こっているのかを見ることが出来ます。これは、感染の種類を調べるための一つの方法です。例えば、トリコモナス症では、子宮頸部は感染による小さな多数の出血が原因で “いちご”状の外観を呈することがあります。

膣感染症のある症例研究では、検鏡検査によって患者さんが気付かない異物が保持されていることが目視確認されました^[5]。この場合、古いタンポンが膣内に残ったまま忘れられ、後に患者さんの症状を引き起こしたのです。患者さんの感染の原因である完全に変形した繊維状の塊は、検鏡検査でしか特定することが出来ませんでした^[5]。

V膣の健康は、大部分が、私たちのライフスタイル、食事、そして免疫機能に影響されます。経口や経膣のプロバイオティクスは、細菌性膣炎のような感染症の再発予防に用いられてきましたが、これはとりわけ全ての抗生物質の後に重要です^[6]。膣感染症を避け再発のリスクを低下させるのに役立つ簡易な方法には、次のようなものがあります。

• タンポンや他の異物の挿入を避ける


• 殺精子剤やビデのような刺激物に加えて刺激性の高い石鹸や洗剤（特に香料が添加された製品）を避ける


• 湯船に浸かるのを避ける


• 綿のように通気性の良い素材で作られた下着を着用し、トングの着用は控える


• 自然食品が豊富で精製糖が（ほとんど）含まれない食事を摂取する


• プロバイオティクス（発酵）食品の摂取を増やす


• 膣感染症の期間は性交を避ける


• 男性パートナーとの性交ではコンドームを使用する

あなたの治療オプションについて自然療法医と話して下さい。ナチュラルなオプションは多数利用可能であることから、適切な治療を受けるためには、適切な評価と検査とが不可欠です。