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肥満

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肥満-また痩せることは可能か?

アンドレア・マキシム自然療法医師

Healing Journey Naturopathic Clinic
25 Caithness St W
Caledonia, On

www.healingjourneynaturopathic.com
www.TheMaximMovement.com



肥満-また痩せることは可能か?

はじめに

カナダの大人4人に1人(これは630万の人々に当たります)が2012年末までに肥満の診断を受けました。これは2003年から17.5%の増加です。肥満は、疲労、栄養不良、II型糖尿病、心血管疾患を伴い、更に他の深刻な慢性疾患診断の原因となります。

私たちも知っているように、”摂取カロリー”-”消費カロリー”という保守的手法は、減量においてはそれほど単純ではありません。もし3500calが1ポンドの脂肪と同等ならば、単純計算で、一日500calをカットすると一週間1ポンドの減量が保証されるはずです。でも、もし減量がそのくらい単純ならば、カロリー制限をしている人は誰もが問題なく痩せることでしょう。残念ながらそのような訳には行かないのです。

カロリーはカロリーであってカロリー以外の何物でもないという考え方は、北米の標準的な食事にはあまり適していません。この考え方によると、あなたが普段一日1500cal摂取していると仮定して、もし炭水化物の食物だけで一日1000cal摂取しても減量を達成するということになります。炭水化物と体重増加、デンプン質の食物と体重増加、そしてグルテン過敏症やセリアック病と体重増加といった問題が、益々多くの研究によって示されていることから、私たちは食物についての考え方を改めなければなりません。私たちが口にする食物に含まれている全ての食品添加物や人工甘味料も忘れないようにしましょう。

このように、もはや肥満は怠惰の副産物には分類されません。肥満は、感情、遺伝、免疫反応や他の生物学的要素とより深く関連しているため、毎日あなたが飲み食いするものや毎日のエネルギー消費(または“ステップ数”)について責任を取る必要がないとは言わないまでも、単独で肥満が起こる訳ではありません。ある専門家、ホワード・ランキン博士が提言しているのは、人間は実際にできる以上に自分の行動をコントロールしていると信じがちだということです[1]。私たちの行動は、私たちのストレス反応、習慣、常習・中毒、機嫌、睡眠の質や支援グループによって大きく形作られます。例えば、より健康的な食品よりもジャンクフードを選ぶのは、習慣かつ常習の両方が原因です。企業は毎年数百万ドルを投資して、人々が欲すると思われる食品を開発します。問題はそこにあります。これらの食品は私たちの脳を欺いて欲望の充足のスイッチを消してしまいます。これらの食品は文字通りあなたの本来のシグナル情報伝達経路を“騙し”て、カロリーを何も摂取していないのでもっと食べよう、あるいは自分はもう一個砂糖スナックを食べる“必要”がある、と考えるよう仕向けます。私たちが高脂肪で高糖分の食事やスナックを選択する時には、自動的に私たちの内分泌、代謝や炎症プロセスは警戒態勢になりますが、これは血糖、トリグリセリドや炎症マーカーといった代謝疾患の兆候全てが上昇することを意味します[2]

大半の人が減量に失敗するのは、“私が結果に気付くまでどのくらいこれが続くのだろうか?”と思う時です。減量すべき体重量によってどれくらい早く結果が見られるかが決まり、減量を着実にします。参加者270,000人を10年間追跡したところ、12人に1人の男性そして10人に1人の女性が毎年5%の減量を達成しました。体重の5-10%の減量は大変健康に良いことです。しかしこれらのグループで、53%が2年以内に、78%が5年以内に元の体重に戻っていることから、体重維持が困難であることが示されています[3]

これらの傾向は人間の本性を考えるとそれほど非合理という訳ではありません。大半の人は一生のうちに少なくとも一回は気まぐれなダイエットやヨーヨーダイエットを経験します[4]。体重増減は、減量を試みる人の三分の一以上では一般的です[4]。実際、このような形での大幅な減量および体重増加は脂肪細胞内の炎症プロセスの増加を促しますが、これは私たちの健康に深刻な影響を及ぼします[4]

更なる課題は、あなたのBMI(体格指数)が高いほど減量が困難となることです。研究によると、肥満(BMIが30-35)と分類された人たちで正常体重に戻るのは、女性で124人中1人、男性で210人中1人に過ぎないことが示されています。もしBMIが40以上になると、健康的な体重に戻る確率は女性で677人中1人、男性で290人中1人となります[3]。これは、深刻な肥満の女性と男性とでは、それぞれ83%および28%の成功率の減少です。これによる結論は、肥満および重い肥満の患者さんの大半は人生で健康的な体重に戻ることは決してないということです。

これらの驚くべき発見によって、病気の治療に力を注ぐのを止めて病的な体重増加の予防に力を入れることが最も重要となりました。肥満の予防には、何らかの形での追跡を伴う食事の見直し、適切な補給、そして積極的な支援システムの確立といったものが含まれます。


減量のための生活習慣の見直し 減量のための生活習慣の見直し

健康的な食事について “加工食品は悪く、本当の食品は良い”というスローガンに私たちはしっかりと馴染んでいます。では、あなたが毎日見ているものについてはどうでしょうか?ある研究では、シリアルの箱と甘い飲み物をよく見える状態で置いている人たちでは、より健康的な食品を置いている人たちと比較して、20ポンド体重が多いことが示されました[5]。このようなエビデンスは、人の環境をコントロールすることが減量で非常に大きい理由を証明しています。環境のコントロールというのは、毎日あなたが見るものだけでなく、お皿の大きさ、食事の予算、そして家庭環境も含まれます[6]。一般に、健康的な体重を維持している人たちを囲んでいるものは小さめの食品パッケージで、スナック食品は食器棚の後に隠され、より健康的な食品が見えるところに置かれています[5]。上述のように、高脂肪あるいは高糖分の食事は代謝疾患の兆候の引き金となる可能性があります。ですから一回でもズルをしてはいけません。

端的に言えば、毎日一つ余分に果物(主にベリー類、リンゴやナシ)や非デンプン質の野菜(緑の葉野菜やアブラナ科の野菜)を食べ、デンプン質の野菜(ジャガイモ、カブ、ビート、人参)を避けることで、減量を促進することが可能です[7]


減量のためのサプリメント 減量のためのサプリメント

上記に加えて良質のマルチビタミンおよび魚油を毎日摂取することの他に、あなたの減量プログラムを通して次のサプリメントの摂取も考慮すべきでしょう。

プロバイオティクス:あなたの腸の調子が良い限りあなたの調子も良いでしょう。これは消化の健康だけではなく減量にも当てはまります。あなたの腸内に住んでいるバクテリアは実際にあなたの体重とコレステロール値とに大きな影響を及ぼします。プロバイオティクスを利用して腸内に健康な微生物叢を維持することは、あなたが食物をより良く消化するのを助けて免疫システムを改善する可能性があり、また新しい研究によると、そのような微生物叢は善玉コレステロール(HDL値)と悪玉コレステロール(トリグリセリド)とを調節することが示されています。事実、ほとんど5%の脂肪減少の改善、6%のトリグリセリド減少、そして4%のHDL改善が、消化管内に健康的な微生物叢の住んでいる人たちで、性別や年齢とは独立して見られました[8]

抗酸化物質:太り過ぎや肥満と酸化性ストレスとに関連があるかどうかは、特にメタボリック症候群の診断を受けた人たちでは、避けて通れません。ビタミンE、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD,そしてセレンのような抗酸化物質は、ほんの数例です[9]。ベリー類、アサイー、マンゴスチン、クロレラ、そしてスピルリナも超食品の一つと見なされており、信じられないくらい高い抗酸化力のある物質です。食物から、あるいはサプリメントからのどちらであろうと、抗酸化物質は慢性疾患が進行するのを防ぐために必要不可欠です。


十分な睡眠を取る 十分な睡眠を取る

質および量の両方を伴う睡眠は大切です。睡眠の制限(一日4時間未満)や、8時間以上の深い眠りの達成失敗は、あなたが一晩中寝たとしても睡眠は非常に表面的であることを意味しており、自然と血糖が上昇し、インスリン感受性が増加し、空腹が促されます。これらの全ては、一日の間にあなたが行った全ての良い働きをぶち壊す可能性があります。忙しいライフスタイルでは質の高い睡眠の確保は難しいかも知れないことは分かりますが、あなたの減量法の一部として、睡眠に重点を置くように心掛けて下さい。


志を共にする積極的な支援システムに自分を協調させる

あなたを取り囲む人たちは、あなたの成功の鍵となります。もしあなたが1人で減量に臨むなら、あなたと同様の健康についての決心をしている1人以上の人たちと一緒に減量するよりも、失敗し易くなります。あなたは食事の追跡や医療ニーズの全てを支援してくれる素晴らしい医療専門家の手を借りる必要もあります。もしあなたと担当専門家や健康指南役との間に、質の高い、共感的で明確なコミュニケーションと信頼とがあれば、恐らく2倍は減量し易くなるでしょう[12]。実際、担当の医療専門家の診察を10-15分、14週以上受けることは、減量を最大14.5ポンド促進する可能性があります[13]。同様に、今後数年あなたの担当医と一緒に減量に励むことは、あなたの減量を助け、リバウンドを防ぐでしょう。