独自のハーブ庭園を始めるための5つのハーブ
植物医学または薬草の研究と利用は、私が自然療法医として気に入っている治癒法の一つで、特に広く手に入り、よく知られている植物を用いるのが好きです。服用している薬を知ってつながりを感じ、わくわくしていると、はるかに効果があるようです。
ハーブを知ってつながりを感じるためのお気に入りの方法の一つは、植物を植えて大切に育てることです。実際に私が利用している植物の多くは、非常に育てやすく、そのいくつかは北米原産で、地元の森でも見られます。
以下に、ハーブ庭園のための植物トップ5と、その薬効と比較的容易なケアについてご紹介します。
ミント
ミントは北米原産ではありませんが、特に土壌が湿っている森の中でゆっくり過ごすと、通常、野生のミントを見つけられます。これは、いかに簡単にミントが豊富に育つかを示しています。毎年、冬に姿を消した後、再び春に芽吹きます。
丈夫で豊富に育つことから、庭一面に広まるのを避けるために、鉢やコンテナに植えるとよいかもしれません。しかし、有効活用できれば、多すぎてもそれほど悪くはないでしょう。
通常、私が治療に用いているミントは、ペパーミント(メンタピペリタ)とスペアミント(メンタスピカタ)です。よく消化不良にペパーミントを使います。お気に入りの一つはお茶です。特にお腹の張りや便秘に最適で、多くの人が好む爽やかで清々しい味わいです。ペパーミントの清々しさは、炎症の緩和にも役立ちます。
スペアミントは、特に女性のホルモン調節に多く利用しています。実際に多嚢胞性卵巣症候群に対して抗アンドロゲン作用があるといわれています(1)。つまり、不要な発毛やニキビなどの原因となるテストステロンを減少させるのに役立ちます。
オレガノ
オレガノも育てやすく、ミントと同属の植物です。オレガノを使って食事に風味(特にトマトソースで!)や栄養を加えられるので、調理に用いるのが最適ですが、私はエッセンシャルオイルとして最もよく利用しています。
オレガノオイルは、抗菌作用があるため古くから用いられています。主にオレガノに含まれるフェノール類、カルバクロールに抗菌作用があるようです(2)。治療を通じて、オレガノの経口投与により、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症や水虫などの真菌感染症、そして足底疣贅などのウイルス感染症にも非常に効果があるのを見てきました。通常、効果を最大限に得るために、ニンニクなどの他の抗菌作用のあるハーブと併用しています。
マリーゴールド
マリーゴールドには注意が必要です!マリーゴールドには、フレンチマリーゴールドとポットマリーゴールド(カレンデュラ)があり、どちらも美しく鮮やかな色の花で、独自の効能がありますが、ここではカレンデュラについてご紹介します。
私は、よくカレンデュラを肌のトラブルに使います。カレンデュラには、肌荒れや肌ダメージを癒す効果があり、夏の日焼けや冬の乾燥肌に最適です。私は、この小さなハーブで浸出油や皮膚軟膏を作るのが大好きです。カレンデュラの創傷治癒効果は、私が太鼓判を押すだけではなく、研究でも示されています。おむつかぶれから緩和ケアや癌治療まで、カレンデュラの皮膚疾患に対する効果が研究されています(3,4,5)。
カレンデュラのあまり知られていない用途の一つは、消化管の炎症の治療です。私は、よく痔の治療のために、カレンデュラのオイルやクリームを局所的に用いたり、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の治療のために、カレンデュラのお茶やスープを利用したりしています。
しかし、カレンデュラはキク科の植物で、キク科の植物は、特に季節性アレルギーなどのアレルギーを引き起こすことが多くあります。キク科の植物のアレルギーがある場合は、カレンデュラの利用を避けた方がよいでしょう。その他の一般的なキク科の植物は、ヒナギク、タンポポ、ヒマワリ、カモミールなどです。
キャットニップ
キャットニップが猫に及ぼす影響を見たことがあると思いますが、人間に対して実際に鎮静効果があることをご存知ですか? 私は猫が大好きなので、正直に言うと、庭にキャットニップを植えた理由の一つは、近所の猫をすべて誘惑するためでした。事実、キャットニップは非常に役立ちます。
お茶やチンキ剤にして用いると、心を落ち着かせる効果があり、不安を和らげたり、睡眠を促したりします。また、夏の間、煩わしい虫を撃退するためにも利用できます。キャットニップのエッセンシャルオイルは、ディートよりも蚊を撃退する効果が高く、ゴキブリさえも退治するようです(6)!これで、キャットニップは誰にでも役立つこと
がおわかりいただけたでしょう。
エキナセア
ハーブ庭園に加えたいもう一つの野生ハーブは、 エキナセア(エキナセアプルプレア)です。夏の間、暖かく日当たりの良い場所で見られる独特の紫色の花で、どんな庭園にも美しいアクセントになるでしょう。そっくりな黄色いルドベキアヒルタ(ブラックアイドスーザン)を近所で見たことがあるかもしれません。どちらも蝶やミツバチの大好物で、身近にあると重宝するハーブです。
治療においては、私は、特に風邪やインフルエンザの季節になると、免疫系をサポートするためにエキナセアを用います。風邪をひき始めたらすぐにエキナセアを使っていると言う患者さんもいます。実際に、エキナセアにより風邪の症状が緩和されて治りが早まることが、研究で示されています(7)。風邪が早く治り、面倒を減らしてくれる植物です。間違いなく庭に欲しいものです!
エキナセアは、インフルエンザ、湿疹、HIV、ヘルペス、癌などのその他の免疫疾患に対する効果についても研究されています。ただし、季節性アレルギーの方は注意して
ください! 前述したキク科の植物を覚えていますか? エキナセアもキク科の植物なので、アレルギーがある場合は避けてください。
私は、治療において、免疫力を高めるために、エキナセアをお茶やチンキ剤(アルコール抽出物)にしてよく用います。また、甘草やセイヨウニワトコなどのその他の免疫系をサポートするハーブと併用することもよくあります。
さあ、これですべてご紹介しました。ハーブ庭園を始めるための素晴らしいハーブ5つです!どれを庭に植えたいですか?
この記事をお読みになって、ハーブは異なる手段で利用できることにお気づきになったでしょう。ハーブは、お茶やチンキ剤、オイル注入、エッセンシャルオイル、ハーブバス、さらには料理まで、実に様々な手段で利用できます! どのように利用するか、植物のどの部分を利用するかは、植物とその用途により異なります。
効果を得るためだけではなく、安全に用いるためにも、ハーブを利用する前に、自然療法医や植物医学の専門家に相談するのが常にベストです。アレルギーについて触れましたが、植物の中には、有毒な箇所があったり、特定の薬物と相互作用したりするものもあります。
References
(1) Grant, Paul. “Spearmint Herbal Tea Has Significant Anti-Androgen Effects in Polycystic Ovarian Syndrome. a Randomized Controlled Trial.” Phytotherapy Research, 2009, doi:10.1002/ptr.2900.
(2) Sakkas, Hercules, and ChrissanthyPapadopoulou. “Antimicrobial Activity of Basil, Oregano, and Thyme Essential Oils.” Journal of Microbiology and Biotechnology, vol. 27, no. 3, 2017, pp. 429–438., doi:10.4014/jmb.1608.08024.
(3) Carvalho, Alexsander R., et al. “Use of Some Asteraceae Plants for the Treatment of Wounds: From Ethnopharmacological Studies to Scientific Evidences.” Frontiers in Pharmacology, vol. 9, 2018, doi:10.3389/fphar.2018.00784.
(4) Sharifi-Heris, Zahra, et al. “Comparison the Effects of Topical Application of Olive and Calendula Ointments on Children's Diaper Dermatitis: A Triple-Blind Randomized Clinical Trial.” Dermatologic Therapy, vol. 31, no. 6, 2018, doi:10.1111/dth.12731.
(5) Cruceriu, Daniel, et al. “Calendula Officinalis: Potential Roles in Cancer Treatment and Palliative Care.” Integrative Cancer Therapies, vol. 17, no. 4, 2018, pp. 1068–1078., doi:10.1177/1534735418803766.
(6) American Chemical Society. "Catnip Repels Mosquitoes More Effectively Than DEET." ScienceDaily. ScienceDaily, 28 August 2001. <www.sciencedaily.com/releases/2001/08/010828075659.htm>.
(7) Schulten B, Bulitta M, Ballering-Bruhl B, Koster U, Schafer M. Efficacy of Echinacea purpurea in patients with a common cold. A placebo-controlled, randomised, double-blind clinical trial. Arzneimittelforschung. 2001;51(7):563–8.