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慢性疼痛 - 自然療法の視点

日本語
Chronic Pain - Naturopathic Perspectives

by Kaitlyn Zorn, ND

Dr. Sarah Zadek ND

1937 Gerrard St E
Toronto, ON, M4L2C2




カナダ統計局によると、12歳から44歳までの10人に1人が慢性疼痛を患っているといいます。[1] 慢性疼痛を患うと、どうすることもできないという感覚に襲われ、不安や抑うつを感じ、仕事や学業、社会生活に悪影響を及ぼす可能性があります。かつては伝統医療が急性疼痛の緩和に役立ちましたが(応急処置、市販の鎮痛剤、熱/氷など)、現代医療では、慢性疼痛の長期的な治療や緩和に欠けていると感じられているかもしれません。こうした状況に加え、現在のオピオイド危機の影響により、自然療法医学では、慢性疼痛患者をサポートして力づけるために、他の手動療法(マッサージ療法、理学療法など)を補完しています。

関節炎だけでなく、様々な健康状態によって慢性的な痛みが生じます。 自己免疫状態、外傷、片頭痛/頭痛、線維筋痛症、不安や抑うつにより、日々痛みが増し、時間が経つにつれて、身体的苦痛だけではなく精神的苦痛も起こります。一般に精神障害が慢性疼痛を引き起こしているのは驚くことではありません。幸い、慢性疼痛を治癒するための方法は数多くあります。そのうちの一つは、ハーブ/植物医学です。/p>

自然療法の原則「まず害を与えないこと」に基づき、慢性疼痛の治療を栄養や食事から開始します。

食事とサプリメント Chronic Pain

ポリフェノールが豊富な食品(コーヒーやダークチョコレート)
ある研究によって、線維筋痛症を患う女性は、ポリフェノールが豊富な食品を摂取することで生活の質が向上し、 コーヒーの摂取により、圧痛点の数が減少したことが示されています。コーヒーには、ポリフェノールと痛みを抑える効果のあるカフェインが豊富に含まれています。また、赤い果物(チェリー、ラズベリー、クランベリー、ザクロ、赤ブドウ)と赤ワインの摂取によって、生活全体の質が向上しました。 [2]ポリフェノールは、抗酸化物質の一種で、お茶やコーヒーの他、ブドウ、ナシ、リンゴなどの多くの果物や野菜に含まれています。[3:169]

2)伝統的な抗炎症スパイス(ウコン、ショウガ
研究により、ショウガ科植物(ウコン、ショウガ、ガランガルなど)が痛覚過敏に臨床的に有効(痛みを緩和する)で、非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン)よりも安全性が高いことが示されています。[4]ただし、NSAIDsとショウガ科の両方が出血のリスクがあるため、さらなる研究が行われるまでは、血液希釈剤との併用には注意を払う必要があります。

3)抗炎症性オメガ3脂肪酸(魚油)
ある人体実験で、毎日、必須脂肪酸(EFA)が含まれる魚油を1,200mg~2,400mg摂取すると、慢性関節炎の痛みがNSAIDs(アスピリンなど)と同じレベルで減少することが示されました。一部の参加者は、NSAIDsの服用を中止し、魚油を摂取し続けました。[5]もちろん、魚油が凝縮された錠剤を摂取した方がより痛みが緩和されますが、魚を食べることでも抗炎症効果があります。また、別の研究によると、食事におけるオメガ6脂肪酸(加工食品など)の摂取を減らしてオメガ3脂肪酸の摂取を増やすことで、日々の慢性的な頭痛が大きく緩和されることが示されています。[6][7]

これ以外にも様々ありますが、最も慢性疼痛の症状を和らげる食品/サプリメントは、コーヒー、ダークチョコレート、ベリー、ショウガ、ウコン、魚です。そうです、朝の一杯のコーヒーには、身体の痛みに対する反応を鈍らせる働きがありますが、コーヒーを飲むことで消化不良や不安、不眠症が生じていないか注意しましょう。また、毎日ダークチョコレートを一切れ食べるのもお勧めです…ベリー入りのものもよいでしょう。これは悪くありません!

以下は、自宅で作れる痛み緩和ドリンクです:

痛みと闘うウコン・ショウガ入り万能ドリンク

  • 新鮮なウコンとショウガ 一片
  • レモン
  • ハチミツ
  • 黒胡椒 一つまみ

ウコンとショウガを中型鍋に入れて沸騰させます。沸騰したら、20〜30分間弱火で煮ます(お好みのショウガの風味に応じて)。お好みの量のハチミツとレモンを混ぜ、黒胡椒を一つまみ加えます。黒胡椒を加えることで、よりウコンが体内に吸収されるといわれています。

ウコンとショウガを取り除いたら出来上がりです!

ウコンやショウガの粉末を代用することもできますが、少し粉末が残るので濾してください。

植物療法

植物/ハーブは、抗炎症(AI)作用や鎮痛作用など、いくつかの主な生化学作用を通じて慢性疼痛を鎮める働きをします。抗炎症の薬草には、体内の炎症性化学物質を減少させるといわれる化合物が含まれていて、鎮痛剤/鎮静剤(頭痛の際に服用するタイレノールなど)のような鎮痛作用があります。その他の一般的な働きは、リウマチ症状の緩和で、古くからハーブがリウマチ(関節痛/他の痛みの症状)の症状の緩和や鎮痙(鎮痛)に利用されてきました。

1)ウコン
ポリフェノールの一種、クルクミンは、体内の抗炎症(AI)分子、NFκBとCOX 2を下方制御します。人体研究では、関節リウマチと炎症性腸疾患に効果があることが示されています。変形性膝関節症の研究では、クルクマ・ロンガを摂取したグループでは視覚的アナログ尺度(VAS)において改善が見られ、酸化ストレスのバイオマーカーのレベルが改善されたことが示されています。[8]

Chronic Pain

2)ショウガ
ショウガオールとジンゲロンは、ショウガに含まれる主な抗炎症性物質で、NFκB(炎症を調整する別の化合物)の働きを抑制し、ロイコトリエンやPGの合成を調節します。ショウガ科植物のエキスは、慢性疼痛を緩和し、多く摂取するほど改善がみられるといわれています。[9]

3)セイヨウシロヤナギ
セイヨウヤナギに含まれるサリチル酸は、アスピリンの抗炎症性物質で鎮痛作用があるため、リウマチをはじめ、あらゆる痛みに有効です。アスピリンが持つ抗凝血作用がないため、アスピリンよりも安全です。

4)ブラックコホシュ(アメリカショウマ)
シミシフゴシド(ブラックコホッシュに含まれる化合物)には、鎮痙作用や抗リウマチ作用があります。あらゆる種類の痛み、特に痙攣に伴う痛み(子宮内膜症や月経困難症に見られる慢性痛など)に有用です。[10]

5)マリファナ(大麻/インディカ)
内因性カンナビノイドシステムの慢性疼痛の症状を緩和する効果が研究されてきました。Chronic Painエンドカンナビノイドは大麻だけでなく、運動や魚油などによっても影響を受けます。医療用マリファナの関節炎や神経痛、癌疼痛などの痛みの症状に対する効果が研究されてきました。痛みには多面性があり、神経伝達物質や他のシステム(大麻の内在性カンナビノイドシステムなど)と同様に、様々な炎症システムの影響を受けます。大麻の合法化により、大麻の安全性や有効性、慢性疼痛に対する適切な投与について、さらに研究を行えるようになるでしょう。

Chronic Pain

6)インドのフランキンセンス(ボスウェリアセラタ)
この伝統的なハーブは、アーユルヴェーダ医学において関節炎の症状の緩和に利用され、西洋医学では、その他の炎症に伴う過程(潰瘍性大腸炎、慢性疼痛、変形性関節症、関節リウマチなど)の緩和に用いられています。

他の多くのAFハーブと同様にロイコトリエンを阻害します。これは慢性疼痛状態に役立つ理由の一つかもしれません。

ある研究によって、ボスウェリアセラタを摂取した場合、プラセボと比較して、痛みの基準値レベルが変化したことが示されています。[11]

慢性疼痛の緩和に役立つハーブは他にも数多くあります。効果のあるハーブを特定する際、自然療法医に相談するとよいでしょう。植物療法の利点は、数多くのハーブには複数の作用があり、同時に他の症状も治癒できることです。例えば、ショウガには制吐作用(嘔吐/吐き気を防ぎます)があり、慢性的な痛みや吐き気に悩んでいる場合に有用です。

栄養と植物医療の両方に、優れた慢性疼痛の緩和効果があることが研究により証明されていて、医療システムの負担を軽減するのに役立つかもしれません。