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幸せのハッキング

日本語

 

この種の対話を聞いたことがありませんか

「君に幸せになってもらいたいだけなんだ」

「幸せじゃないんだ」

「やらなきゃだめだ。幸せになろうとすればいいんだよ」

他人が苦しんでいるのを見ると、悲しくなることがあります誰かが幸せでない時に「幸せになりなさい」とっても、あまりうまくいかないようです。 事実、幸せになろうとすると不幸になることが多いです 心理学の研究において、これについて試みたところ、楽しい音楽を聴いている時にできるだけ幸せを感じるように指示された人たちはこうした指示をされずに同じ音楽を聴いていた人よりも気分が落ち込みました1

幸せの探求は西洋文化に根付いていて、この追求が益よりも害を及ぼしているかどうかについて議論されています。2極端な例として、自らの意志で常に幸せになろうとすることは、真の幸せへのアプローチではないようです。3 心と体はつながっていますが、相反する方向性を生み出すことがあります。例えば大切な人と喧嘩した時のことを思い浮かべてください。自分が相手のことを気にかけていることを頭でわかっていますが、体は相手と距離を置きたがっていますよね? 体の認識と感覚の一部として経験するこうした感情は、心理状態と嚙み合わないかもしれません。そのため、幸せだと思っていても、体はそうではないと言っています。幸せをハッキングして、それに相反する化学物質コルチゾール(ストレスホルモンとも呼ばれます)が優勢になるのを防ぐための手段を理解することで、こうした衝動を克服できます

ハッピータイムを計画する

心理学研究者ラーンナ・カタリーノ博士により研究されたアイデアの一つに、真にポジティブな感情を生み出す瞬間や活動に優先順位を付けて計画することがあります。カタリーノ博士とそのチームは、幸せの優先順位付けプロジェクトを見出しました。このプロジェクトでは、一瞬一瞬移り変わる感情を見つめるのではなく、内側から幸せを生み出すための計画を立てることで、幸せの優先順位に基づいて幸せを予測できます。4こうした瞬間を生み出すため方法の一つは、「状況の選択」で、何が最も重要で意味があり、喜びをもたらすかに基づき判断します。例としては、瞑想や新しい趣味を始めるために時間を作ったり、「ホームスパ」の日を設けたりするなどがあります。この方法では次の幸せになれる出来事を待ちながら喜びを期待し、ジェットコースターのよう気分の上がり下がりを味わうのではなく、常に楽しい活動をスケジュールに組み込んでいきます。重要な点は、幸せかどうかを判断することは、幸福感を得られない原因の一つであるということです。つまり、幸せかどうかを分析しすぎると、幸福感を妨げてしまう可能性があります!これは、今この瞬間を生きる上で、核となる特徴の1つです。

神経伝達物質

気分の高揚と本物の幸福感を区別するにはどうすればよいのでしょう?考えられる手段の一つは、神経伝達物質の基本的な要素を理解することです。こうした神経伝達物質はなぜ重要なのでしょう?それは、神経系を身体、つまり筋肉や腺、別の神経と繋ぐ小さなメッセンジャーだからです。私はよく、神経伝達物質をオーケストラの交響に例えています!時には主導権を握り、時には調和します。

  • ドーパミンは報酬ホルモンです。
  • オキシトシンは愛のホルモンです
  • セロトニンは気分を安定させるホルモンです
  • エンドルフィンは痛みを止めるホルモンです

うしたホルモンはそれぞれ体内で自然に生成されます。以下の条件は、こうした物質により、幸せを頭で考えるのではなく、いかに感じられるかについて示している可能性があります。

ドーパミン

小さな勝利を祝う、任務を完了する、食べ物を食べる、セルフケアに対する報酬ホルモンで、満足感を味わうのに役立ちます。 また、モチベーションと注意にも関係している他、運動能力や学習能力、情動反応を調整するのに役立ちます。5ドーパミンによって刺激を求める行動や感覚を求める行動、覚醒、目標を目指す行動が誘発されます 睡眠不足によりドーパミンが下方制御され、集中力と注意力の低下につながる可能性があることが実証されています6ドーパミンを高めるのに役立つ食品は、レンズ豆、チーズ、魚、ナッツなどのチロシンが豊富な食品と、種子や全粒穀物などのマグネシウムが豊富な食品です。また、お茶に含まれるテアニンは、ドーパミンのバランスを保つうえで役立ちます。7

セロトニン

セロトニンは、瞑想やヨガの他日光浴や自然の中での散歩ランニング、サイクリングなどの定常運動によって強化される気分ホルモンです。8 マインドフルネス瞑想などの瞑想に関する科学的研究により、マインドフルネス瞑想などの瞑想ライフスタイルに取り入れることで気分の落ち込みを改善できる可能性があることが示されています9

オキシトシン

オキシトシンは、家族を抱きしめたり、犬と遊んだり、赤ちゃんを育てたり、誰かの手を握ったり、褒めたり、会話をしたりすることで生成される愛のホルモンで共感することでオキシトシンが増加して寛大な気持ちになり、幸福感をもたらす可能性があります10 Harvard Business Reviewに掲載された記事は、前向きな会話とオキシトシンへの影響によるリーダーシップの有効性を顕著に指摘しています。Conversational Intelligence(会話の知能指数)」の著者であるJudith Glaserは、記事の中で、ビジネスマネージャーは、包括性、聞き取り、オープンな対話を心がけることで最も成功すると述べています こうして意識して会話することで、文字通り脳体の化学反応に影響を与える可能性があります。11 オキシトシンは、と愛に関連しているため、抱擁ホルモンと呼ばれます様々な状況で 動物、特に犬が「感情的なサポーー」として用いられているのも不思議ではありません。

エンドルフィン

エンドルフィンは鎮痛ホルモンで、笑い、特定のエッセンシャルオイル、チョコレート、運動によって放出促されるいわれています。アロマテラピーに用いられるラベンダーエッセンシャルオイルは、認知症の高齢患者の睡眠障害の緩和に役立つことが小規模な研究によって実証されていて、ラベンダーエキスによってエンドルフィンセロトニンが放出され、こうした効果をもたらすと考えられています。 12 β-エンドルフィンは、天然のペプチドホルモンで、「内性」つまり体内で産生されるオピオイドです。ケシから単離された化合物モルヒネは、最も強力な鎮痛作用を持ち、「エンドルフィン」という名前は、「内性」と「モルヒネ」の組み合わせたものです 13 うした化学物質は、痛みのシグナル伝達経路を阻害する体内のオピオイド受容体に結合します。気分状態と幸福に対するβ-エンドルフィンの役割はまだ完全にはわかっていませんがこうした化学物質とそ痛みの知覚に与える影響を意識することで、幸福をもたらす分子を活用するための手段の一つかもしれません

結論

幸福は内面から来るといわれていますが、まさにその通りです!日々の状況は幸福の度合いに影響を及ぼしますが、それは現実的でも、全体的な幸福の予測因子でもありません。幸せを感じるためにできることについてもう少し理解し、身体に同調し、小さなシグナルに耳を傾けることで、幸せを取り戻すことができます。こうした小さな瞬間を生み出し、自分自身の幸せを優先することをお勧めします!