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男性の不妊症

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男性の不妊症 - ユニークなサプリメントのオプション
by: Rochelle Fernandes, ND




男性の不妊症 - ユニークなサプリメントのオプション




はじめに

過去10年にわたる受胎率の衰えという近年の傾向から、男性不妊の分野に対する興味が増加中です。このご時世、子供が少なく、高齢になるほど受胎がより困難になる家族たちについて良く語られています。不妊は、身体的、心理的、財政的、経済的な重荷を、個人や健康保険システム、そして社会に負わせます。歴史的には、女性の不妊症に大半の注目が集まりましたが、最近では男性の統計データは無視できないという警報が鳴らされています。例えば、不妊の40%は男性が原因であると考えられています[1]

病因
男性の不妊症には幾つかの原因があります。これらの原因には、慢性炎症、環境汚染物質、ホルモン機能障害、代謝症候群、酸化性ストレスそして遺伝的原因などがありますが、それに限られるものではありません。

治療の概要
男性不妊症には数々の治療法があり、各々は上記の原因の幾つかを標的にデザインされています。これらには、閉塞した管を治すための外科的手術、精液を女性に届けるための支援、実験室で行われる卵子の受精、投薬治療や天然サプリメントなどがあります。

ナチュラルな選択肢
生殖障害の予防および改善を支援することが可能な、幾つかの栄養サプリメントおよび他の自然療法が存在します。これらには、ビタミンC、ビタミンEのような良く知られているビタミンそして亜鉛があります。L-カルニチンやコエンザイムQ10のように、より複雑なサプリメントも存在します。最後のサプリメント群は、リコピンやβカロテンのような栄養代謝産物・成分のカテゴリーに分類されます。これら多くのサプリメントは、‘慢性炎症’および‘酸化性ストレス’の不妊理論に関する研究において有望であることを示しました。


ビタミンC、ビタミンEそして亜鉛の果たす役割とは? ビタミンC、ビタミンEそして亜鉛の果たす役割とは?

ビタミンCの最も一般的な利用法は、普通の風邪、アレルギー、火傷、そして現在ではガンの予防すらあります。成人一日あたりの推奨摂取量は90mgです。ビタミンCの食物源には、柑橘類の果物、スイスチャード、ブロッコリー、イチゴや他多数です[2]。ビタミンCはコラーゲン再生の共同因子です。コラーゲンは血管、皮膚や靱帯に含まれます。コラーゲンは、アミノ酸代謝およびホルモン生成でも大きな役割を果たします。コラーゲンは体内での鉄およびカルシウムの吸収を促進します[3]。不妊症に対するビタミンCの利用は、その抗酸化能力に基づきます。抗酸化物質はフリーラジカルが蓄積するのを防ぐのと同時に、その排出を促進します。これは最適な精液の生産およびより良い機能的な発育を助けます。

ビタミンEも主要な抗酸化性を備えています。成人一日あたりの推奨摂取量は15mgです。ビタミンEには、天然および合成の二つの種類がありますが、天然の形のビタミンEの方がより効能が高いと考えられています。ビタミンEの食物源には、麦芽、ヒマワリ、紅花、トウモロコシそして大豆の油に加えてほうれん草とブロッコリーとがあります。亜鉛は大切なミネラルです。一日あたりの推奨摂取量は、8-12mgです。亜鉛は、免疫システムを強化し傷の治癒を助けるために利用されます。亜鉛の食物源は海産物、牛肉、羊肉、ほうれん草、ナッツ類や種子類です。

ビタミンC、ビタミンE、亜鉛についてのエビデンス
幾つかの研究では、ある抗酸化物質のベースラインの低さが男性不妊症に寄与するということが示されました。ある研究では、対照と比較して(p<0.001)不妊男性で、亜鉛・葉酸の摂取が著しく低いことが示されました。その上、対照に対して(p<0.05)、59.4%の不妊男性で、ビタミンC・ビタミンEの摂取が一日推奨量よりも低かったのです。この研究では、作用機構およびこれらのビタミンの低摂取がどのようにして精子の形状・運動性を変化させるのかについても示されました。例えば、全ての被験者たちについて、葉酸(r=0.5, p<0.001)、亜鉛(r=0.6, p<0.001)と運動性パーセンテージとの間に、そしてビタミンEと形状(r=0.3, p=0.03)との間に、そして亜鉛と濃度(r=0.4, p=0.004)との間に、それぞれ有意な相関が見られました[4]


L-カルニチンとは何か?

L-カルニチンは体が生産するアミノ酸の一つです。牛肉、鶏肉および牛乳は、この成分の優れた食物源です。体内でのL-カルニチンの役割は、長鎖脂肪酸をミトコンドリアに届けることですが、このミトコンドリアというのは細胞のいわば発電所です。L-カルニチンは、心筋梗塞、鬱血性心不全のような心疾患、筋肉性病態、脳障害や、比較的新しい検討事項としての不妊症を含む、他の様々な用途のために利用されることは良く知られています。L-カルニチンの平均摂取量は用途により様々ですが、通常1-3gの範囲です[5]

L-カルニチンについてのエビデンス
L-カルニチン補給による精液の生体構造および運動性の改善についての有望なエビデンスが存在します。あるシステマティック・レビュー・メタ分析では、L-カルニチンとプラセボとを比較したところ、妊娠率(OR = 4.10, 95% CI (2.08, 8.08), p< 0.0001)、総精子運動性(WMD = 7.43, 95% CI (1.72, 13.14), p = 0.04)、そして精子前進運動性(WMD = 11.83, 95% CI (0.49, 23.16), p = 0.04)に有意な改善が示されました[6]。別のグループも同様の理論を暗示し、L-カルニチンのような抗酸化物質の利用により、妊娠率が4.18倍、生児出生率を4.85倍、改善するであろうとしています[7]


コエンザイムQ10とは何か? コエンザイムQ10とは何か?

コエンザイムQ10は体で自然に生産される分子の一つで、食事のサプリメントとしても摂取することが可能です。コエンザイムQ10の食物源には、大豆油、ピーナッツ、牛肉や内臓肉といったものがあります。コエンザイムQ10のサプリメントは、L-カルニチンと同様に、心筋梗塞や鬱血性心不全のような心疾患に対して一般的に用いられているのに加えて、代謝障害、ガンや筋ジストロフィーにも用いることが可能です[8]。受胎におけるコエンザイムQ10の新しい役割は、その精子の発達のためのエネルギー派生物としての利用の理論に帰するもので、それに関連した作用機構を介すると考えられています。

コエンザイムQ10についてのエビデンス
コエンザイムQ10(CoQ10)についての、そして男性不妊症の様々な側面すなわちCoQ10が精子の形状および機能を改善すると考えられることについての、多数の強力なエビデンスが存在します。ある二重盲険無作為プラセボ対照試験では、コエンザイムQ10およびユビキノールは、処置後に精漿および精子細胞の両方に加えて精子の運動性も著しく増加させました[9]。もう一つの研究では、コエンザイムQ10での処置後に精子の濃度および運動性に大きな改善があることが示されました。治療結果は、パートナー48人(28.4%)の妊娠で、そのうちの16人(9.5%)は自然妊娠でした。治療の3ヶ月後および6ヶ月後に、精子の濃度および運動性に計り知れない改善がありました[10]。一日2回100mgのコエンザイムQ10を6ヶ月受けた特発性不妊症患者62人を対象としたもう一つのレトロスペクティブ研究では、統計的に有意な(P < 0.00)形態および運動性に変化が示されました[11]。全体的に、この研究はCoQ10の濃度と精子の運動性との間の直接の相関による十分に根拠のある因果関係をサポートしています[12]


βカロテンおよびリコピンの役割は何か? βカロテンおよびリコピンの役割は何か?

カロテンは、強い抗酸化性を備えるユニークな栄養群で、これらにはリコピン、ルテイン、アスタキサンチンやβ-カロテンといったものがあります。これらの分子の抗酸化性作用は、人が慢性病と闘うのを助けます。研究で測定したところ、アスタキサンチンはβ-カロテン、ビタミンE、ビタミンCよりもそれぞれ54、14、65倍の強さの抗酸化物質であることが示されました[15]

このグループの食物源には、人参、トマト、濃い緑の葉野菜、グレープフルーツ、赤ピーマンおよびサツマイモといったものがあります。カロテンおよびリコピンは両方とも、ガンおよび心疾患に役立つと考えられて来ました。βカロテンは黄斑変性症で利用されている一方で、リコピンは良性前立腺肥大症や前立腺ガンのための候補となっています。受胎におけるこれらの分子への新しい興味の理由は、その高い抗酸化力です。

βカロテンおよびリコピンについてのエビデンス
ある研究では、βカロテン摂取は精子運動性の上昇と、そしてリコピンの場合には精子の形態改善と、それぞれ関連することが示されました[14]。すなわち、βカロテンの最低四分位数の男性たちと比較して、最高四分位数の男性たちでは、進行運動性が6.5(95% confidence interval [CI], 0.6, 12.3)パーセントユニット高いことが示されました。リコピン摂取と精子の形態とには正の相関がありました。もう一つの研究では、ビタミンC(P (trend) = 0.04)、リコピン(P (trend) = 0.03)、そしてβカロテン(P (trend) = 0.04)と総運動精子数との間に正の相関があることが示されました。精液量はビタミンCの高摂取(P (trend) = 0.04)により増加しました[15]


結論

トータルで、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、L-カルニチン、コエンザイムQ10、カロテンそしてリコピンは、非常に多数の研究で有望な可能性を示しました。更に詳細で統計的検出力の強い研究が必要であるものの、上述のこれらの研究は現在あるものの見本です。これらのサプリメントがそのまま、あるいは薬で、また幾つかの男性不妊症の原因を治療するための他の不妊療法と併せて、利用されることが望まれています。