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アレルギーとは? - 自然療法の視点

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アレルギーとは? - 自然療法の視点

Priscilla Tang自然療法医

https://drtangnd.com/




Introduction

ようやく春が訪れ、日差しが多くなり、鳥たちが活動を始めました。その一方で、残念ながら、くしゃみや鼻水、鬱血に苦しむ人も多くいます。アレルギーがある人にとって、この時期は祝福であり呪いでもあります。アレルギー対策のために最も効果的なのは、「アレルギーシーズン」の2〜3ヶ月前に身体を備えることですが、症状を軽減する手段はまだあります。

What is an allergy? 以下の推奨事項の一部を理解するには、まずアレルギー反応とは何かについて理解する必要があります。簡単に言えば、ヒスタミン(タンパク質)の放出を引き起こすIgE免疫反応で、これに伴い、腫れと鬱血が生じます。しかし、ヒスタミンは本質的に悪い物質ではありません。全身に作用し、怪我や感染、アレルギー、炎症反応時に放出されます。これにより、組織の浸透性が増し、栄養素が必要な箇所に行き届き、治癒を促します。また、危険な環境に曝された際に、体にシグナルを送ります(例えば、有毒な煙の吸入を防ぐために肺を収縮させます)。問題なのは、身体がヒスタミンを除去できない場合や、体内にヒスタミンが過剰に存在する場合のみです。ヒスタミンによって、鎮痛剤により緩和されない痛みや意識混濁(思考困難など)、下痢など、全身に症状が起こる可能性があります。

自然療法を用いたアレルギー対策では、この知識を用いて、全身におけるこうしたヒスタミン反応の緩和または軽減を促します。以下は、アレルギー対策に役立つ考慮事項です:

  1. 多量のヒスタミンを含む食品を減らす

    はい、ヒスタミンは食品に含まれています! 「ヒスタミン不耐性」とは、遺伝や食物摂取、腸管内壁の障害や腎臓や肝臓の障害、慢性ストレスなどの危険因子によるヒスタミンに対する過負荷状態や過敏症を示します。ヒスタミン不耐性の一般的な症状には、膨満感、下痢、腹痛、食後の膨満感の他、めまい、皮膚発疹、頭痛、鼻詰まりなどのより稀な症状もあります(1)。

    こうした症状があるか否かにかかわりなく、ヒスタミンを多く含む食品やヒスタミンの放出を増加させる食品に注意することで、身体への負荷を減らすのに役立ちます。こうした食品には、ナス科の野菜(ナス、ジャガイモ、トマト、ピーマンなど)、発酵食品・飲料(はい、残念ながら、これにはワインも含まれます)、人工着色料や防腐剤、生酵母(サワードウブレッドなど)の他、パイナップルやバナナ、イチゴ、柑橘類といった特定の果物さえも含まれます(ピクニックシーズンでもあることを考えるとこれは不公平なようにみえますよね...)。

  2. 肝臓をサポートする

    What is an allergy? 肝臓は、毒素や化学物質、ホルモンが体内で分解、吸収、消費される前に処理する働きがあることから、最も重要な臓器の一つです。多くの場合、環境、ストレス、不健康なライフスタイルや食習慣により肝臓が過負荷状態になって余分な「活動」に対処できなくなり、ヒスタミン反応を起こしやすくなります。では、この負担を減らすにはどうすればよいでしょうか?解毒には多くのビタミン(ビタミンB6など)が必要なため、自然食品を摂りましょう。加工食品の摂取を控えて、処理する化学物質の量を減らしてください。苦いメロン、タンポポの葉、ルッコラ、ケールなどの苦い食品をより多く摂ると、胆汁の生成を促せます(食物をより効果的に消化するのに役立ちます)。肝機能を促進するといわれるタンポポ茶やルートハーブを飲んでください。そして最後に、アブラナ科の野菜(カリフラワー、ケール、ブロッコリー、芽キャベツなど)をより多く摂りましょう。

  3. 運動して汗をかく

    毛穴を開き、リンパの流れを促進しましょう! リンパ系は健康面において見落とされがちですが、老廃物を除去し、免疫細胞を必要な箇所に行き届かせる働きがあるため、重要な組織です。 鬱血によって、肝臓により負担がかかり、免疫反応が損なわれ、体が重く、動きが鈍くなることがあります。サウナやウォーキング、スポーツ、水泳、ダンス(私のお気に入りです)はいずれも、リンパ系の呼吸を促して働きを良くさせ、鬱血を軽減させます。 多くの場合、筋肉が硬直し続けるとリンパの流れが悪くなるので、週の運動にヨガを取り入れるとよいでしょう。

  4. 腸を癒す

    What is an allergy? 「腸管壁浸漏」(または腸の透過性の上昇)と呼ばれる現象は、今日の北米社会で、慢性ストレス、精製糖や単一炭水化物の大量摂取、睡眠不足、消化不良、(特に)感受性の強い食品の継続的な摂取によって増加しています。「腸管壁浸漏」では、消化管の内側が損傷して食物粒子が血流中(食物が存在しないはずの場所)に入り、こうした粒子に対して免疫反応が生じます(本来は血中に存在しない異物であるため)。

    感受性の強い食品を特定してそれを避けることで、腸や全身の炎症が減少し、腸を治癒できます。乳製品はアレルギーが生じやすく、炎症を起こしやすい食品です。また、乳製品は、漢方で「湿邪」食品と呼ばれ、アレルギーを持つ場合は絶対に避けるべき食品です。自然療法では、血液検査で食品感受性を調べ、避けるべき食品を特定できます。また、プロバイオティクス、グルタミン(2)、アロエ、アカニレなどのサプリメントやハーブを摂取すると、腸内の修復を促し、さらなる免疫疾患のリスクを減らせます。

  5. リスク要因に対処する(特に自己免疫疾患とストレス)

    前述したように、アレルギーは免疫反応です。自己免疫疾患では、単に免疫系が「過活動」状態になり、橋本病(甲状腺機能低下症)、関節リウマチ、紅斑性狼瘡、1型糖尿病、セリアック病などの自己免疫疾患に対するアレルギーが高まる可能性があります。研究により、実際に自己免疫疾患とアレルギーに共通の過程があることが示されています(3)。自然療法では、自己免疫疾患の治療に、ライフスタイルや食事の変更に加えて、ハーブ、サプリメント、鍼治療を利用します。上記で何度も述べたように、慢性的なストレスは、健康、体内におけるヒスタミンの処理、肝機能の他、腸内膜の状態にまで悪影響を与える恐れがあります。ストレス管理は治療に不可欠です。

  6. 抗炎症/抗ヒスタミンサプリメントを摂取する

    私は常に、サプリメントはあらゆる治療を補うもので、ライフスタイルや食事を変更せずに効く魔法の薬はないと言っています。しかし、様々な疾患向けの特定のサプリメントに関する研究が数多く行われていて、多くの場合、サプリメントを摂取して、ライフスタイルや食事の変更と相乗効果を図る必要があります。ケルセチンは、抗炎症作用と抗ヒスタミン作用がある優れたサプリメントで、アレルギー症状に効果があるといわれています(4-5)。クルクミンは、肝機能にも役立つ私のお気に入りの抗炎症サプリメントです。 What is an allergy?

    「どれくらいの量を摂取すべきですか?」や「どのブランドを購入すべきですか?」とよく訊かれます。サプリメントの質と投与量は重要で、自然療法医が個別に決定する必要があります。これは、健康食品店には実に様々なサプリメントがあり、必要な情報がすべてサプリメントのラベルに記載されているわけではないためです。クルクミンは、本質的に体内に吸収されにくく、一瓶の価格が2,000~1万円以上であるため、専門家の推奨が必要です。品質が製品によって大きく異なるために価格にバラつきがあることを知らずに、安価な製品を選んでしまう可能性があります。同時に、高価な製品が必ずしも良いとは限りません。そのため、サプリメントを選ぶ際は、自然健康製品の利用経験がある専門家に相談することが大切です。

    「ヒスタミンが問題なら抗ヒスタミン薬(Reactineなど)さえ服用すればいいだろう」と思われるかもしれません。場合によってはその通りで、すべきことをしなければなりません。しかし、抗ヒスタミン薬はヒスタミンの結合部位をブロックするだけで、過剰なヒスタミンを除去したり、ヒスタミンに対する感受性を低下させたりする効果はありません。一時的に症状が和らぐかもしれませんが、疾患の根本原因が解決されていないため、抗ヒスタミン薬への依存も生じます。

    アレルギー症状と体全体のバランスに役立つその他の治療法は、鍼治療とカッピング療法です。こうした治療は、鬱血を減らして血流を増加させ、再び身体を健康な状態にするのに役立ちます。通常、ライフスタイルや食生活の変更と合わせて、4〜8回の治療が推奨されます。

上記の情報は教育を目的とし、一般的なガイドラインとしての利用を目的としていることに留意してください。治療を始める前には医療専門家に相談しましょう。