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プロバイオティクス

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プロバイオティクス - プロバイオティクスの免疫に及ぼす影響
ターニャ・リー名誉理学士、自然療法医師

572 Bloor St . W Suite 201
Toronto, ON M6G 1K1


ヘルスセンター・オブ・ミルトン
420 Main St. E Unit 102–103
Milton, ON L9T 1P7

www.tanyaleend.com



Probiotics - Their Influence on Immunity




はじめに

プロバイオティクスは、湿疹、アレルギーや喘息に加えて消化器疾患のようなアトピー疾患の人たちの治療のために自然療法医が利用する人気の介入です。実際、疫学的エビデンスによると、アトピー性疾患の子供たちは健康な子供たちと比較すると腸内(プロバイオティクス)フローラが異なることが示されました(1)。プロバイオティクスは、微生物、典型的には乳酸菌属、ビフィズス菌属、連鎖球菌属のメンバーと定義されていますが、これらの属は元来胃腸管にコロニーを形成して定着している微生物です(2)。正しいプロバイオティクスの細菌叢が存在するということは、免疫システムの正しい働きや成長に欠くことができません(2)。アトピー性疾患の発生率はここ数年増加中ですが、この増加の理由は生誕時の天然のプロバイオティクスへの曝露がないことに関係しているかも知れません。最近の研究では、その多くが母乳に含まれるようなプロバイオティクスには(乳児の消化管の正しい形成に影響を与えることを通して)免疫反応の均衡を取る力があるという事実と、アトピー性疾患増加の理由とを関連付けました。私たちの細菌叢は幼児期後に顕著に変化することはありませんので、生誕時および幼児期に適切な腸内細菌叢のコロニーを作り上げることは、成長するのと共に健康で強い免疫システムを発達させるためには決定的です(2)。これを完全に理解するためには、免疫システムの発達の準備を、誕生時にプロバイオティクスがどのようにして行うのかを知るための基礎に立ち返る必要があります。


生誕時のプロバイオティクスの役割 生誕時のプロバイオティクスの役割

新生児の免疫システムは、子宮内では殆ど曝露がなかったことから、未開発の状態です。これは、免疫システムが白紙状態で、発達において感受性が非常に高く子宮から出た直後に接触したものなら何からでも影響を受けることを意味します。乳児の在胎期間、食事や分娩様式といった要素の全てが、正に生誕のその時にこの免疫システムに対して強く影響を与えます。赤ん坊が生まれる時、最初のバクテリアとの接触は膣管で、大腸菌、腸内細菌、腸球菌、連鎖球菌、ブドウ球菌といった共生細菌に曝されます(3)。赤ん坊が二番目に曝露されることになっているのは、もし完全母乳ならば、最初の一週間での母乳を介したもので、これで新生児の腸にはビフィドバクテリウム属の細菌が住み着きます(3)。面白いことに、経膣分娩で生まれた乳児は、母乳であろうとなかろうと、48時間後にも同様の細菌定着がありますが、母乳と人工栄養との赤ちゃんの違いは7日目という早さで検知可能となり、1ヶ月後には完全に区別可能です(2)。この母親から受け継いだ細菌への腸管での曝露や定着は、消化システムの発達、ひいては免疫システムの適切な準備のために決定的です(4)。この理由から、もし安全で実行可能ならば、経膣分娩および早期乳児期での完全母乳が高く奨励されます。この考えを固めるものとして、数々の疫学研究および臨床研究では、母乳は完全人工栄養の子供たちと比較して、アトピー性疾患や青年期の子供たちの肥満の発生率を著しく減少させることが分かりましたが、この原因はプロバイオティクスの有り無しです(5,6,7)。消化管は幼児期の最初に形成される免疫システムの一部分で、善玉バクテリアが定着した健康な消化管は、健康でバランスの取れた免疫システムの発達に影響を与えます。


制限事項-もし帝王切開分娩だったら?もし母乳育児ができなかったら?

提唱されている経膣分娩や完全母乳のための努力に反して、これが全ての新米母親に当てはまることを医療専門家が期待するのは現実的ではありません。他になす術もなく、母子の健康にとって危険のより少ない帝王切開や人工栄養に訴えるしかない不測の事態があります。このような状況では、健康的な消化システムおよび免疫システムの発達を促すのを助けるために、プロバイオティクスをサプリメントの形で与えることで免疫システムに影響を及ぼすべきでしょう。


プロバイオティクスのサプリメントの利点 プロバイオティクスのサプリメントの利点

膣管や母乳に存在する細菌と類似したプロバイオティクスの細菌ブレンドは、母乳育児や経膣分娩と同じくらい健康に良い環境を作り出します。最近行われた数々のレビュー研究では、食事やサプリメントからのプロバイオティクスの摂取は、乳児疝痛のような消化の問題を扱うのに極めて有用で、これらの子供たちが青年期に達するまでの間、アトピー性疾患を予防するという結論が下されました(8,9)。更に、プロバイオティクスのサプリメントが免疫システムに及ぼす有益な作用は、上気道感染に冒された子供たちの熱、咳、鼻詰まり、流感の様な症状や抗生物質の利用を減少させることを示した数々の研究に反映されています(10,11)。プロバイオティクスは、新生児の健康に良いだけでなく、出産前後にも良いのです。妊婦にプロバイオティクスが定着していると、彼女たちの子供たちのアトピー症状の出現にも大きな影響を及ぼす可能性があります。ある最近のレビューでは、妊婦たちにプロバイオティクスを補給することで、その子供たちのアレルギーや湿疹のリスクを著しく低下させることが可能であることが分かりました(9)

この強力な研究を踏まえ、主要な乳児向けフォーミュラの製造業者の多くは、母乳育児が適わない乳児の健康を改善するのを助けるために、調合にプロバイオティクスを追加しましたが、この製品は今日、市場で容易く手に入ることでしょう。


結論:

数々の理由から、プロバイオティクスは健康食品店で良く売られている一般的なサプリメントであり、免疫システムに好ましい影響を及ぼすものについての研究分野では、最も一般的で良く研究されています。出生児における膣管や母乳を介した母体プロバイオティクスへの新生児の曝露は、消化システム発達の準備のため、ひいては免疫システムのバランスを取るために重要です。赤ん坊の腸に適切にバクテリアが定着するためには、母乳育児を少なくとも6ヶ月間行うことが推奨されています(6)。新生児の免疫システムを膣管のバクテリアに曝すことによるプラスの影響に基づくと、母乳育児は帝王切開で分娩された新生児に対して強く推奨されます。もし多くの妥当な理由により母乳育児を選ぶことが出来なければ、新生児用プロバイオティクスサプリメントやプロバイオティクスのブレンドで強化した調合乳で、これらの体に良い細菌を新生児が摂取することが奨励されます。