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メンタルヘルス改善のための10のステップ:自然療法医学の利用

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Natural Terrain Naturopathic Clinic
#200-6650 177th St NW, Edmonton, AB, T5T 4J5
(587) 521-3595 naturalterrain.com




10 Steps to Improve Mental Health : Using Naturopathic Medicine

背景

多くの人にとって、精神疾患は答えのない多数の疑問をはらんでいます。私の場合、何回も繰り返し自問したのは“なぜ私が?”でした。この疑問は、精神疾患が起こる理由を診断するメンタルヘルス専門の自然療法意としての私のライフワークの中心的な探求となりました。自分自身だけでなく私の患者さんたちの格闘と向き合った何十年もの経験を通して、私は、精神的ウェルネスを達成しようとする際に取り組むべき、10つの主要領域が存在することに気付くに至りました。

  • 食事
  • 睡眠
  • 運動
  • ストレス管理
  • 思考
  • 感情
  • 行動対反応
  • 環境有害物質への暴露
  • 精神性
  • 自分や他人に対する愛情と慈悲心

  • 食事

    うつ病や不安神経症といった病態は、一般に神経伝達物質の不足と見なされていますが、薬の服用ではこれらの神経物質のバランスが乱れている根本原因を治癒することはありません。あなたの体にはそもそも、構成要素や他の主要な生化学的補因子が足りないために、健康量の神経伝達物質を生産する経路がサポートされていない可能性があります。

    10 Steps to Improve Mental Health : Using Naturopathic Medicine

    もしあなたの食事が貧しく、加工食品が多く、カフェインが多量に含まれているならば、単にセロトニンや他の神経伝達物質をバランスが取れるほど十分に生産することが出来ないのです。重金属、殺虫剤や内分泌かく乱物質といった環境有害物質も、栄養吸収を阻害します。脳内の主要経路には、トリプトファン、ビタミンC、B6、B3、鉄、マグネシウム、リボフラビン、葉酸そして亜鉛といった適量の必須栄養素が必要です。

    食事の要素が極めて重要である一方で、摂食環境も同様に重要です。家で料理する、孤食を避ける、良く噛んで食べる、そしてマインドフルに食べるといった習慣をつけることで大きな違いが生まれるでしょう。血糖値も気分に大きく影響するため、規則正しく食べることも重要です。食事については言うべき事が非常に多いため、私は、「必須ダイエット“メンタルヘルスのための食事”」という手引き書を執筆しました。

    睡眠 10 Steps to Improve Mental Health : Using Naturopathic Medicine

    一貫した定期的な睡眠の習慣は、休息とデトックスになり、日中に起こったことが処理されるため、私たちのメンタルヘルスには欠かせません。睡眠不足は、エネルギー低下、ストレス、コルチゾール、そして感情面での反応性を高め、免疫システムを抑制し、体重増加を促します。更に重要なことに、医療関係者は現在、睡眠不足を、うつ病、不安神経症や精神病エピソードのような多くの慢性および急性メンタルヘルスの病態の直接の寄与因子と見なしています。

    睡眠は量だけの問題ではなく、質も重要です。夜中一気に眠れましたか?それとも何回か目が覚めましたか?ストレスで歯軋り、あるいは悪夢がありましたか?ストレスは体内のコルチゾールを上昇させますが、これにより睡眠誘発ホルモンであるメラトニンを生産する体の能力が低下し、良質の睡眠を得るのが難しくなります。

    結局は、良質の睡眠の獲得は多因的で、自分自身の生活習慣、思考、摂食および運動の習慣、ホルモン、ストレス対処のメカニズムに取り組むことを必要とします。サプリメントや薬に出来ることは限られており、悪質の睡眠の根本原因に着手するのが目標です。

    運動 10 Steps to Improve Mental Health : Using Naturopathic Medicine

    しばしば私は、運動は最も見過ごされている利用可能な抗うつ治療であると言っています。2016年のあるメタ分析では、うつ病の治療として定期的な有酸素運動について調査したところ、抗うつ薬と統計的に同等で、副作用が伴われない治療であることが示されています。運動は、統合失調症、双極性障害、ADHDそしてOCDにも効果的であることが示されています。効果的なのは有酸素運動だけではありません。複数の研究によって、他の種類の活動の心理面での利益も示されました。定期的な重量挙げ、スポーツやヨガは、高強度で激しいランニングと全く同様に、気分を改善し、不安や抑うつスコアを減少させます。

    運動の心理面での利益は、他人と一緒に、そしてとりわけ野外で運動する際に高まります。定期的に野外で練習して他人と関わる地域のスポーツチームに加わることは、あなたのメンタルヘルスの改善に向かう大きな一歩です。

    ストレス管理

    ストレスは、あなたのリソース(内的あるいは外的)を使い果たし、生きるために要するものをやり繰りするのに悪戦苦闘するように感じる生理学的な経験です。どんな出来事であっても、もし心が心理的なストレスを感じるならば、身体は生理学的なストレスを経験します。この生理学的なストレスは、有害な状況から逃げるのを促すために体に組み込まれている太古のサバイバル機構ですが、今日の世界ではそれほど役立ちません。

    この“戦うか逃げるか”の反応は、免疫システムを抑制し、消化を停止させ、睡眠に関わるホルモン生産に影響を及ぼし、副腎に貯蓄されたエネルギーに大きく影響します。長期的に、これは副腎疲労、筋緊張、消化の不調、抑うつ、不安、そして不眠症を引き起こします。

    ストレス管理の第一歩はストレスの引き金に注意することです。意識すれば、ストレスを軽減したり無くしたりすることが可能となります。もしストレッサーを小さく出来なければ、現在の状況下であなたのストレスに対する反応をやり繰りする術を学ばなければなりません。問題のある考えに取り組む7つのR(これは私の著書“Beyond the Label”で議論されています)の様な心理療法的なテクニックや体系的なリラクゼーション法を用いることで、ストレスに対する反応を管理することが可能です。

    環境有害物質への曝露

    現代の日常生活では至る所に化学物質が存在します。規制団体がこれほど多数の環境有害物質から私達を守るのを怠っているのは悲しい事実です。残念なことに、これらの油断のならない化学物質は、精神疾患を含む多くの慢性疾患に寄与しています。

    あなたの毒物負荷を理解するために、プラスチック、殺虫剤、テフロンのフライパン、電子レンジ、必要以上の携帯電話の使用、人工着色料と香料、化粧品やパーソナルケア製品、遺伝子組み換え食品、抗菌ソープ、アルコールや薬に対する曝露の可能性について考慮した私達の環境クイズをして下さい。同様に、あなたの住む町の空気や水の質はどうでしょうか?それらを浄化していますか?

    これほど多くの汚染源に圧倒されるのは簡単です。要するに、ただちに変化する全ての仕事を自分に課さないことです。最も頻繁で激しい曝露について良く理解し、それらを軽減するよう努めて下さい。Environmental Working Groupsによる、最も殺虫剤を噴霧されている食品(The Dirty Dozen)および最も噴霧されていない食品のリストのような先進的な取り組みや、含まれている有害物質を発見し、より健康的な代替を見つけるために、家庭用製品をスキャンするThink Dirty®のようなアプリに注目して下さい。

    思考

    私たちが心に浮かべる全ての思考は必ずしも真実ではありません。思考は単に私たちの頭の中に存在する考えに過ぎません。しかし、あまりにも強力で事実であると思ってしまう思考もあります。古傷や子供の頃の条件付けが、“自分は十分に良くない”、“私にこれは出来ない”という思考となります。

    この様な否定的な考えを持つ度に、感情は自然とそれらが真実であるがのように反応します。私たちは傷付き、悲しくなり、打ちのめされ、やる気をなくし、鬱々とし、自暴自棄になるかも知れません。そしてこれらの感情は強化され本当のことであるかのように感じられます。それは、あたかも思考が事実であることのエビデンスが感情であるかの如くです。

    このスパイラルが起こる際に行うべきなのは、思考-感情サイクルを破ることです。段階を追って、思考と感情との間を広げ、事実をフィクションから分離する方法を学ぶことが出来ます。あなたは、思考と思考に対する反応である感情に生活を乗っ取られる必要などないことを学ぶでしょう。思考に対してよりバランスの取れたアプローチを学ぶことが可能です。この方法は、認知モデルを用いて歪められた思考パターンを認識し、それに取り組むだけでなく、身体集中テクニックおよび呼吸法を用いて副交感神経システムを生かして生理学的なストレス反応を調節します。

    感情 10 Steps to Improve Mental Health : Using Naturopathic Medicine

    自分の感情を捉えにくく正確に把握することが難しい人もありますが、感情がはっきりして、圧倒的で絶え間ない人もあります。同様に、同じ感情でも異なるタイミングでは異なって感じられるでしょう。私が患者さんたちと行う感情面の対処では、その人が今その瞬間に何を感じているかを、正直な形で理解し、次に抵抗をほぐし、感情を受け入れるというプロセスに従います。そこで私がお教えするスキルは、自分自身の感情面での感受性レベルを認識し、健康的な境界を設定すること、そして現在の瞬間におけるマインドフルネスを学ぶことです。このワークフローは、思考、行動や感情面の反応への取り組みにおいて行きつ戻りつします。

    行動対反応

    しばしば、精神疾患では、孤立する、睡眠不足あるいは過多、感情の噴出あるいは遮断、食べ過ぎあるいは食べなさ過ぎ等、病気を強化する行動のサイクルが存在します。これに対処するためには、思考と感情への取り組みにしっかりと従うことが行動の変化をもたらします。

    思考と反応の間の時間を引き延ばすことを覚えるうちに、単純に反応するのとは異なる方法で行動する機会のウィンドウが発達します。実際、私たちは、即座に防御的に反応するのとは反対に、健康な行動を選択することを学ぶことが可能です。

    もし、私たちが否定的なことを考えているならば、一休みして自分自身に“私は否定的なことを考えている”と言い聞かせることが出来ます。こうすることで思考と感情との間の隙間を広げ、実際に感情とは何なのかの認識を行うのです。このようにすることで、私たちは自分の反応を静寂から選ぶ機会を得るのです。私たちは、精神疾患に見られる否定的な思考や感情を強化することのない、健康的で肯定的な行動を選ぶことが出来ます。私たちは思考や感情の悪循環を断ち切り、抑うつ、不安、そして他の心理学的スパイラルから自分を引き揚げる行動を選択するのです。

    精神性

    メンタルヘルスはしばしばと生化学的アンバランスと見なされます。私は、メンタルヘルス関連の懸念に寄与する生化学を超えた、心理学、トラウマ、生理学や環境といった他の要因の探究をライフワークとしていますが、別の探求すべき要素が存在します:精神疾患におけるスピリチュアリティという一面です。ここで私はスピリチュアリティを、自分自身よりも偉大な力の存在を信じ、あるいはその存在との繋がりと定義しています。

    精神疾患は、生活の何らかの側面(学校、仕事や人間関係)が私たちの精神性と調和しないため、精神が私たちの注意を引こうとしている表れであるというのが、私の視点です。自分自身を注意深く観察し、静かではっきりした心でいるための時間を取り、他人と話し、何を感じているかについて心を開くことで、うつ病、不安神経症、依存症、双極性障害、そして精神世界にのしかかっているかも知れない他の問題の隠された根本原因に取り組むことが出来るのです。

    どのような宗教行為を選んでも、精神との繋がりは、あなた自身そしてこの地球の現状を治癒するのに非常に重要で不可欠であるというのが、私の個人的な信条です。

    自分や他人に対する愛情と慈悲心

    究極には、私たちのメンタルヘルスやウェルビーイングに決定的なのは、自分自身に対する感情および自分自身の扱い方です。私は全ての患者さんに、自分をどのくらい愛しているかを1から10段階で表してくれるよう尋ねたところ、6以上の答えを得ることは稀でした。自分自身のことを悪く言う人の話を聞くのは心が痛みますが、そういう私自身もかつて、同様の答えをしたものです。もし自分の親友に自分自身に対するのと同様に話しかけたら、はたして親友は受け入れてくれるだろうかと自問してみて下さい。メンタルウェルネスで悪戦苦闘する人の多くは、このような自分自身が行っている会話を隠し、恥じながら生きています。

    私が患者さんと分かち合うようになった素晴らしい贈り物は、自分自身を愛することを学び、最終的にはこの愛を世界に向かって拡張することです。ミラーワークのようなテクニックを用いて、身体、肯定感、感謝、自分自身への思いやり、そして非暴力的なコミュニケーション。愛と再度繋がることは、学び、改善することの可能なスキルです。

    結論

    精神疾患は、普遍的な症状や兆候の存在しない多面的な疾患です。私は、このような多面的な疾患に対する応急処置や単一の解決法は存在しないと、固く信じています。真に癒されるために、食事、睡眠、運動、ストレス管理、環境有害物質のデトックス、思考、感情、行動、そして精神性、愛と容認といった全ての分野に取り組むべきです。そうすることにより、精神疾患の根本原因が取り除かれ、あなたのメンタルヘルスが修復するでしょう。メンタルヘルスを回復させることは可能であり、あなたにはそれが出来るのです。初めの一歩を踏み出してください!