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腸の健康

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腸の健康 - 自己免疫疾患との因果関係
ティファニー・エバーハード名誉理学士、自然療法医師

Mahaya Forest Hill
73 Warren Road, Suite 102
Toronto, ON, M4V 2R9

www.tiffanyeberhardnd.com
tiffanyeberhardnd@gmail.com



Gut Health - The Link With Autoimmune Disease

自己免疫

免疫システムは、免疫反応の引き金となるような自分でない抗原や物質と自分自身とを区別する能力がありますが、この免疫反応はホストを感染や癌から守ります。自己免疫疾患は、無秩序な免疫反応が特徴です(1)。自己免疫疾患は、米国の人口5-8%に罹患しており、体のほとんど全ての部位を冒します(2)。この病気のプロセスは、細胞媒介性、TH1細胞、あるいは自己抗体媒介性のいずれかです。しかし自己免疫疾患では、サイトカイン、ケモカイン、接着分子、そして炎症反応の他の要素も組織損傷を媒介することが知られています(1)。更に、TH1とTH2との免疫反応のアンバランスが、自己免疫疾患がどのようにして発症するかを理解するために重要です(2)。自己免疫疾患には、特定の臓器に対して向けられた免疫反応による組織損傷および機能喪失が見られます。自己免疫の発症の原因となる幾つかの条件が存在します。一つ目は胃腸管内の環境抗原を認識・誤解釈する免疫システムの遺伝的感受性です。二つ目は、ホストが抗原や物質に曝されなければなりません。最後に、胃腸粘膜免疫システムが抗原に曝されなければなりませんが、これは通常は損傷のない腸バリアにより妨げられます(3)


腸浸透性

腸粘膜バリアは腸に並ぶ一層の細胞ですが、これは主に腸の細胞膜と細胞間の密着結合とから構成されています。密着結合は、幾つかの部分からなるタンパク質のメッシュからできており、それが被る多様な生理学的課題に迅速に反応し、かつ協調を保ちつつ追従する能力がなければなりません(3)。ゾヌリンは、結合組織の浸透性を可逆的に調整する一つの主要な分子です(2)。腸上皮は選択的バリアとして働き、食事からの必須栄養素、電解質、そして水が腸上皮を通過して血流に入るための運搬を可能にする一方で、有害な物質の通貨を防ぎます(4)。このバリアの異常調節は、ストレス、(微)生物の侵入、感染、そして様々な病気に関連する免疫的学的攻撃が原因で起こる可能性があります。腸バリアの正常性は、栄養素の吸収と全体的な健康とに必要不可欠です。バリア機能障害は、腸浸透性および胃腸疾患の発症の増加に加えて様々な自己免疫疾患と関連があります(5)


Autoimmune diseases linked to intestinal permeability

密着結合の能力の変化に関連する腸浸透性の変化は、急速に増加している自己免疫疾患と関係があります。腸浸透性の増加は、病気の発症前に起こる模様で、自己免疫反応の原因である複数臓器のプロセスの引き金となる抗原輸送の異常を引き起こします。腸管関連リンパ系組織(GALT: gut-associated lymphoid tissue)は有害な可能性のある腸内抗原が体循環に入るのを防ぎ、そして抗原に対する耐性にも関与しています。免疫と耐性との間のバランスは健康な腸には欠かせないのと同時に、異常あるいは不適切な免疫反応は炎症性の病状を引き起こす可能性があります(2)

腸浸透性と因果関係のある自己免疫疾

下で概要が述べられている次の病態は全て、抗原の腸バリアー通過を引き起こす腸浸透性の増加や密着結合の不能と関連しています。これらの抗原は免疫システムを攻撃し、全ての臓器や組織を標的とし得る免疫反応を、遺伝的傾向のある人たちに生じさせます(3)

セリアック病

セリアック病は、免疫媒介性慢性腸疾患で、重症度により様々な複数の現れ方をします。この病気の引き金はグリアデン摂取ですが、これは麦に含まれるタンパク質で、免疫反応による小腸の炎症を引き起こします。セリアック病は、全ての臓器を傷付ける可能性のある全身性疾患であると考えられています。炎症性メディエーターの断続的な発現は、腸上皮の浸透性を更に増加させます(3)

I型糖尿病 I型糖尿病

I型糖尿病は複合的な病態ですが、これは腸浸透性増加、免疫反応の変化に加えて腸内細菌叢の変化が関わっています(6)。腸の密着結合の浸透性増加は、I型糖尿病発病とI型糖尿病患者にしばしば見られる胃腸症状との両方の原因となることが示唆されました(3)

多発性硬化症

多発性硬化症は、免疫システムが神経細胞の髄鞘を攻撃する自己免疫疾患です。結果として起こる損傷は、脳と体との間のコミュニケーションを混乱させます(7)。多発性硬化症患者たちには、血管脳関門浸透性の増加に加えて密着結合の浸透性増加があるかも知れないことが示されましたが、これらが症状に寄与している可能性があります(3)

強直性脊椎炎

強直性脊椎炎(AS: Ankylosing Spondylitis)は、若年および中年の成人を冒す一般的なリウマチ障害です。強直性脊椎炎では背中の強張りおよび痛みがあり、腸の浸透性および炎症の増加と因果関係があるとされています(3)。硬直性脊椎炎の人たち最大70%には何らかの腸炎症がある一方で、炎症性腸疾患患者で見られる形と同様のより深刻な炎症の形に進行している人たちもいます。研究では、健康な対照被験者たちに対して、硬直性脊椎炎の患者では腸内毒素症があることが明らかにされました。ですから硬直性脊椎炎の治療では、この腸内毒素症および腸浸透性にも取り組む必要があります(8)

ぜんそく ぜんそく

ぜんそくはT細胞が炎症を引き起こし、それにより気管支内に収縮が起きる疾患です。しかし、ぜんそくと胃腸管との間にある関係が存在します(9)。研究では、喘息患者たちでは腸浸透性が増加していることが明らかにされましたが、これは環境アレルゲンへの感受性が高いことに一役買っている可能性があります(3)

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患(IBD: inflammatory bowel diseases)には、潰瘍性結腸炎やクローン病といったものがあります。炎症性腸疾患患者たちの腸浸透性増加の原因として、密着結合タンパク質発現の変化や上皮細胞死増加といった複数の分子機構が存在します。炎症性腸疾患の患者たちでの防御バリアの分解は炎症を引き起こし、バリア機能不全に更に寄与するサイトカインや他のメディエーターの生産を高めます(4)


自然療法的アプローチ 自然療法的アプローチ
食物過敏症を取り除く

私たちが食べるものは、私たちの腸浸透性ひいては自己免疫疾患に影響を与えます。炎症aの原因となり腸バリアを損なう原因となる食品を食事から取り除くことで、症状が緩和される可能性があり、幾つかの場合には自己免疫疾患が解消されるでしょう。一般的な幾つかの食物過敏症は、グルテン、乳製品、唐辛子やトマト、そしてジャガイモのようなナス科の野菜です。食品添加物や加工食品は、これらに含まれる化学物質が密着結合に損傷を与え、その結果腸浸透性を増加させることが知られているため、それらを避けることも重要です(10)

プロバイオティクス プロバイオティクス

バクテリアは免疫反応を形作るのに必要不可欠で、ですからプロバイオティクスは腸浸透性に影響を与える能力があります(2)。幾つかの有害な腸バクテリアは、T細胞の個数に影響し、体内の様々な臓器での自己免疫疾患の発症をコントロールする可能性があります。食事には、腸微生物叢を変化させるその力による広範囲な免疫調節作用があり、食事を見直すことで微生物叢の構成を迅速に変えられることが示されました。腸バクテリアの特定の種が免疫反応を調節するのに必要であり、ですから微生物の変化は免疫調整の欠如や炎症を引き起こす可能性があることが明らかになりつつあります。更に、ストレスが免疫および代謝システムに強い影響を及ぼし、腸細菌叢を変化させる可能性があります。炎症は細菌叢に損ない、病原菌にとって理想的な環境が作られるかも知れません(11)。正常な細菌叢に対する腸免疫反応調節異常が、炎症性疾患および自己免疫疾患において重要は役割を果たしているかも知れません(12)

グルタミン

グルタミンは腸細胞の働きに重要な非必須アミノ酸で、腸細胞にとっては主なエネルギー源です(5,13)。グルタミン酸は腸および全身の成長を高め、腸細胞増殖および生存を促進し、損傷、感染、ストレスや他の異化作用的な状況での腸バリア機能を調節します。グルタミンは腸細胞内でのタンパク質合成を増やし、腸の成長を促し、密着結合タンパク質の発現や腸免疫を調節し、酸化性ストレスによる細胞死を阻害します。グルタミンが欠乏すると、腸浸透性の増加や密着結合タンパク質の減少を引き起こします(5)。ある研究では、クローン病の人たちでグルタミンを補給した後に腸の浸透性に有意な改善があることが分かりました(13)

ケルセチン

ケルセチンは抗炎症活性を呈するバイオフラボノイドです。複数の研究では、頂上非細胞がケルセチンに曝されると、浸透性および密着結合タンパク質を調整する細胞内シグナル情報伝達分子の活性化・不活性化を通して、そのバリア機能が高まることが示されました。ケルセチンを補給あるいは食物からの十分な摂取を確実にすると、腸浸透性に防御的および効果的な影響があるかも知れません(14)

クルクミン クルクミン

クルクミンはNFκβシグナリング経路を弱める強力な抗炎症剤です。このシグナリング経路は免疫および炎症反応において重要な役割を果たします。I型糖尿病は、インスリンを生産するβ細胞の選択的および進行性喪失に起因する自己免疫疾患です。複数の研究では、クルクミンは、β細胞に対する攻撃に携わる主要な免疫細胞を調整することが明らかにされました。クルクミンは免疫を弱め、糖尿病発病を遅らせるあるいは防ぐかも知れません(15)。クルクミンは、膵臓のβ細胞の抗酸化状態を高めることにより、糖尿病患者たちの血糖値を抑制します(16)。クルクミンは腸粘膜の浸透性を改善し、損傷を減らし、そしてバリア機能を守ることから、様々な炎症性および自己免疫性疾患で利用できます(17)

結論

結論として、最適な腸バリア機能は全体的な健康には不可欠です。腸浸透性の異常は、幾つかの自己免疫疾患の発病において決定的な役割を果たします(18)。腸を治癒するためにナチュラルなアプローチを利用し、免疫機能障害および炎症に取り組むのに加えて、全ての食物過敏症を特定することは、症状を減らし、病気の進行を遅らせ、そして病気にかかりやすい人たちでは自己免疫疾患の発症する確率を低下させるのを助けるでしょう。