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つわり

Kendra Smith
BKin, Doula, ND
https://www.Kendrasmithnd.com
6 October 2014
日本語

つわり-妊娠中の吐き気と嘔吐に対するナチュラルで効果的な治療
ケンドラ・スミス・ホンズ・Bキン臨床栄養士・自然療法医師

ストーンツリークリニック
115 Hurontario St, Suite 200
Collingwood, ON

www.Kendrasmithnd.com



Morning Sickness - Natural Effective Treatments for Nausea and Vomiting in Pregnancy




はじめに

妊娠悪阻としても知られるつわりは、妊婦たちの最大80%を冒しています[1]。吐き気および嘔吐は通常妊娠初期7週から12週までに限られて現れますが、それよりも長引く女性たちもいます。重症度も軽度から重度と様々で、脱水のような合併症も伴います。嘔吐が非常に酷くなると、食物および液体の摂取が崩壊し、母子に有害な脱水および電解質のアンバランスを引き起こします。つわりが原因で、明らかな身体的影響に加えて心理的および感情的な影響も生じます。妊娠は素晴らしい喜びと準備の期間であるべきですが、体が病気であると感じることは、妊娠という経験から多くの楽しみを奪い去ります。つわりは妊婦たちにとって非常にリアルでかつ非常に良くある問題で、長年の間、ショウガ茶、レモンの果皮の匂いをかぐ、ペパーミントガムを噛む、温かい牛乳に小麦胚芽を溶かす、リンゴ酢といった、終わりのないおびただしい数のレメディが利用されてきました。

妊娠中の吐き気および嘔吐がより起こり易くなるようなリスク因子がいくつかあります。朝、起きたときに胃が空っぽであることは一般的な引き金ですので、就寝前に高タンパク食を食べ、ベットの脇にクラッカーを何枚か置き、朝一番に食べることは良い考えです。朝食前に歯磨きをするのも、多くの妊婦たちの嘔吐の引き金となります。残念なことに、何を食べようとも何をしようとも、吐き気と嘔吐が絶え間なく続く女性たちもいます。このような女性たちのために、ビタミンB6およびショウガの補給のつわりを軽減する能力を見て行きましょう。ビタミンB6(ピリドキシン)およびショウガは、妊娠中の吐き気および嘔吐を軽減する治療法として安全かつ効果的でしょうか?


つわり治療としてのビタミンB6 つわり治療としてのビタミンB6

ビタミンB6は、豆類、ナッツ類、卵、マメ科植物、肉、魚、全粒穀物そして栄養強化パン・シリアルのような食物に含まれる水溶性ビタミンです[7]。ビタミンB6 は体の主に免疫および神経機能に加えて、赤血球細胞が適切に機能するのを助けます。ビタミンB6 の過剰摂取や大量服用は、神経機能障害や無感覚を引き起こしますが、これは通常大量服用をやめると元に戻ります。ビタミンB6欠乏症はカナダやアメリカではあまり見られず、妊婦たちの一群を除いて単独で補給することも希です。これは問題を提起します。妊婦たちは平均的な人たちよりも多くビタミンB6を必要とし、ゆえにこのビタミン不足が吐き気や嘔吐の要因となり得るのでしょうか?1973年に米国臨床栄養学会誌に発表されたある研究はまさにその問いが興味の対象でした。結果によると、献血に来た男性および女性300人と比較して、妊婦458人のうち40-60%の女性たちでビタミンB6の摂取が最適以下であることが示されました[4]。同様にこの研究では、より多くの子供を持つ母親は、より少ない子供を持つ母親と比較して、ビタミンB6欠乏がわずかに多く見られ、ビタミンB6欠乏の程度は妊娠回数と相関があることが示唆されました。この研究の結論は、妊婦たちの50%にビタミンB6補給が必要であるというものでした[4]。これらは顕著な結果です。欠乏症という根本原因により平均的な妊婦たちには余分にビタミンB6が必要であることが示されています。次に、この欠乏症がつわりに一役買っているかどうかという因果関係を明らかにしなければなりません。

次に調査が行われた研究は、より最近の無作為対象試験です。女性59人中31人が25 mgのビタミンB6の投与を8時間毎に72時間受けました。残りの女性28人は同じ療法でプラセボの投与を受けました[7]。その結果、重い吐き気のあるビタミンB6 投与を受けた患者たち(平均4.3 ±2.1)とプラセボ投与を受けた患者たち(平均1.8 ±2.2)との間で、吐き気スコアに有意な差異があることが示されました[7]。軽度から中程度の吐き気のある患者たちでは、プラセボと治療群との間に有意な差異は示されませんでした。嘔吐に関する限りは、ビタミンB6治療群の嘔吐患者総数は、ビタミンB6治療の直後に著しく減少しました[7]。これらは大変勇気付けられる肯定的な結果です。この研究は、ビタミンB6が妊娠中の重い吐き気と嘔吐とに効果的で、マイナスの副作用は何もないことを証明しています。この研究は、軽度から中程度のレベルの吐き気には効果がない可能性を示していますが、全体的にはエビデンスは明らかです。ビタミンB6 は、つわりのある妊婦たちにとって安全で効果的なサプリメントです[3]。現在のところ総合的に学術文献は、ビタミンB6が妊娠中の吐き気および嘔吐のための有用な治療であることを私たちに示しています。

さて、妊婦たちが摂取すべきビタミンB6 の服用量はどれくらいでしょうか?妊娠中のビタミンB6補給の妥当性に関する前向き研究では、現在の妊娠中ビタミンB6推奨栄養所要量(2.5 mg)は低過ぎで、欠乏を避けるためには実際一日4 mgが推奨されるという結果が示されました[2]。妊娠中の一日30 mgのビタミンB6は、安全かつ効果的であることが研究により示されています。


つわり治療としてのショウガ つわり治療としてのショウガ

2003年に無作為対照二重盲険試験が行われ、妊娠中の吐き気および嘔吐の治療におけるショウガからビタミンB6までの有効性を比較しました。吐き気の重さに視覚アナログ評価尺度が用いられ、各患者の嘔吐エピソードの数が記録されました。この研究に参加した女性138人は二つのグループに分けられました。一つのグループはショウガ500 mgを一日3回、3日間経口摂取し、もう一つのグループは10 mgのビタミンB6を一日3回、3日間経口摂取しました[5]。これら二つの治療は、患者たちおよび医師・研究者たちには同一であるように見え、この研究における二重盲険の構成要素を確かなものにしました。その結果、両群で吐き気スコアに平均5.0から3.6への減少があり、これはビタミンB6群でわずかに効果が大きいものの、統計的には有意な差異ではないことが示されました[5]。しかし、両方の治療が効果的で、吐き気を軽減するのにはビタミンB6の方が僅かに効果が高く、嘔吐エピソードを減らすのにはショウガの方が僅かに効果が高いというのは興味深いことです。両方の治療群で見られた軽い副作用は、鎮痛作用および胸やけです。この研究の結論は、妊娠中の吐き気および嘔吐の治療においてビタミンB6およびショウガはどちらも安全かつ効果的で、二つの間に有意な差異はないというものです。


結論

つわりの妊婦たちのための治療選択肢として、ショウガおよびビタミンB6は安全で効果的です[6]。何らかの軽い胃食道逆流を超えるような著しいマイナス副作用や安全性に関する懸念を報告する研究はありません。将来的には、ビタミンB6療法の有効性および妊婦たちのビタミンB6欠乏症を評価・研究するさらに効果的な方法が発見されることを願っています。

ビタミンB6療法の平均頻度および平均期間は、経口ビタミンB6を一日25-30 mgの範囲で3日間の間というものです。これらの研究の弱点はたった3日という治療期間です。例えば一日30 mgの経口ビタミンB6を30日間というような、より長期の効果を見られたら面白かったことでしょう。ビタミンB6は水溶性で比較的安全です。一日100-200 mgの服用量で、吐き気および嘔吐の軽減の増加があるかどうかを明確にするような研究を見たいものです。結果をより容易に他の女性群へと一般化するために、これらの研究により大規模な女性群を用いるのも有用でしょう。

上で言及された全ての研究では、人種グループについて制限がなく、募集した患者たちは異なる国々の出身であったため、これは結果をより一般化可能なものにすると同時に、この記事で吟味した一連の研究の強みでもあります。研究に基づいて、つわりに苦しむ妊婦患者たちに対してビタミンB6療法やショウガを断然お勧めします。私ならば一日30 mgのビタミンB6、あるいは一日3回500 mgのショウガを推奨するでしょう。二つの治療法を組み合わせるとつわり軽減に相乗効果があるかどうかを調べてみるのも面白いことでしょう。ビタミンB6およびショウガは、吐き気および嘔吐のある妊婦たちにとって素晴らしい選択肢であり、安全で効果的です。