単なる庭の雑草ではない - タンポポに関する自然療法の視点

春一番に芽吹き、すぐにその輝く明るい黄色い花が、きれいに手入れされた芝生一面を埋め尽くします。至る所で見られ、たいていすぐに見分けられます。一度根付くと、そう簡単には引き抜けません。

おそらくもうお気づきでしょう。そう、タンポポです。

祖父母や知恵のある年配者がタンポポを抜いて集めているのなら（確かにそのイメージが頭に浮かびます）、おそらくそれにはもっともな理由があるはずですよね？タンポポは、至る所に咲き、根強く、緑豊かな芝生一面を黄色の花畑に変える並外れた力があることから、面倒で厄介な雑草として見られることが多く、その栄養価と健康上の利点は見落とされがちです。

タンポポは、あらゆる部分を食べることができ、各部分に栄養価や治癒効果があるのをご存じですか？

タンポポは、あらゆる部分を食べることができ、各部分に栄養価や治癒効果があるのをご存じですか？

• 根

  タンポポには、強くて深い根があります。これにより芝生や庭から引き抜くのが非常に困難です。根は最も苦い部分ですが、それはイヌリンが多く含まれているためでしょう。イヌリンとその効能については後ほど触れます。イヌリンなどの有効成分は、沸騰させて煮出すか、アルコール抽出によって根から抽出できます。タンポポの根をローストすると、素晴らしいコーヒーの代用になります。

• 葉

  根の上には緑色のロゼット状の葉が伸びています。葉にはカリウムが豊富に含まれていて、特に花が咲く前の早春に収穫すると、サラダとして最適です。開花すると、葉はより苦くなるので、お茶にしたり、アルコールで抽出したりするとよいでしょう。


• 茎

  茎はロゼット状の葉から伸びています。茎には葉と同じ成分が多く含まれていて、同様の効能と用途があります。しかし、より繊維質が多くて苦いため、サラダにはあまり適しません。

• 葉

  茎からは、誰もがよく知る明るい黄色の花が咲いています。花は最も苦味の少ない部分で、苦いというよりも甘く、ベーキングパウダーとして使用するとよいでしょう。また、ビタミンAやビタミンCなどの有効な栄養素や抗酸化フラボノイドも含まれています。

タンポポには効能が非常に多くあり、冬になるまでの間はいつでも収穫できますが、季節によって様々なレベルの異なる成分を生成します。つまり、最適な収穫時期は、タンポポからどの効能を得たいかによります。

タンポポは、肝臓の健康や脂肪の代謝、消化器系や腎臓の健康を維持するのに有効です。また、タンポポは癌の治癒に役立つことも示されています。事実、タンポポには非常に多くの用途があり、絞り込むのは困難です。今日は、タンポポが持つ4つの効力をご紹介します。

上記のように、タンポポはあらゆる方法で使用できます。その新鮮な葉でサラダやお茶を作れ、根は沸騰させて煮出せます。そして、花は油や酢を注いだり、焼いたりすることさえできます。どのように使用しても、特に葉や根は、消化に実際に役立つようです。

タンポポは、古くから、食欲や健康的な消化を促すのに利用されてきました。特に慢性的な大腸炎をはじめ、便秘や下痢、胃けいれんなどへの対処にも役立つようです。[1]抗炎作用があるため、[2]クローン病や大腸炎などの炎症性腸疾患の治癒に有効だといわれています。

タンポポは、古くから、食欲や健康的な消化を促すのに利用されてきました。特に慢性的な大腸炎をはじめ、便秘や下痢、胃けいれんなどへの対処にも役立つようです。[1]抗炎作用があるため、[2]クローン病や大腸炎などの炎症性腸疾患の治癒に有効だといわれています。

タンポポは、古くから「血液を浄化または解毒する」ために利用されてきました。その後、デトックスのお茶やサプリメントによく利用されていることは何の驚きでもありません。タンポポがこれほどまで解毒に役立つのは、解毒作用のある主な器官の一つである肝臓の働きを促進するためです。

肝臓は、血液から毒素を採取して簡単に処理および除去できる形態に変換し、解毒を促します。肝臓は毒素の除去だけではなく、ホルモンの調節と脂質の代謝においても非常に重要な役割を果たしています。タンポポは、こうした毒素を体内から安全かつ効果的に除去できる形態に変換する肝臓酵素の活性を高め、肝臓をサポートしているようです。[4]このため、タンポポは、にきびや頭痛、月経異常、高コレステロール、心血管疾患などの肝機能の不調に伴う症状の治療に役立ちます。

タンポポは、腎臓をサポートし、解毒をさらに助けます。腎臓には、肝臓で処理された毒素が排尿を通じて排除されるのを促す働きがあります。特にタンポポ葉のお茶には、穏やかな利尿作用があり、正常な排尿を促すことでこの過程を促進します。

タンポポには血糖を調整する働きもあることをご存じですか？前に述べた、消化管内の善玉菌に有益なイヌリンを覚えていますか？結局、それが血糖の調節に役立つ可能性があるのです。では、これがどのように糖尿病に役立つのでしょう？

これについて説明するために、まずインシュリンについてみていきましょう...くれぐれもイヌリンと混同しないでください！インスリンは、細胞にグルコースをエネルギーとして利用するように指示し、細胞の機能を促進させるホルモンです。2型糖尿病の症状にインスリン抵抗性がありますが、これは細胞がインスリンの指示を無視する状態を示します。これにより、グルコースが血流に蓄積され、グルコースを利用できない細胞は、様々な機能を果たすために必要なエネルギーに飢えた状態になります。

では、イヌリンに戻りましょう。イヌリンは、タンポポに含まれるチコリ酸などの化合物と同様に、2型糖尿病患者のインスリンに対する感受性を高める可能性があります。[5]つまり、タンポポは、こうした細胞に対して、再びインスリンの指示に従い、利用可能なグルコースを使ってエネルギーを生成するように指示する可能性があるようです。このため、タンポポには抗酸化作用や抗炎症作用だけではなく、糖尿病の治癒効果もあるのです。

その他の多くの植物と同様に、タンポポもまた癌治療における有用性について調査されています。伝統医学では、乳癌や白血病の治療によく利用されています。[2]しかし、最近の研究では、タンポポの抗腫瘍作用が小児癌や胃癌などの癌治療にも役立つことが示されているようです。[6][7]さらに興味深いことに、タンポポの根の抽出物には、健康な細胞を傷つけることなく癌細胞を殺す効果があるようです。[6][7][8]

タンポポは、癌の治療だけではなく予防にも役立つ可能性があります。 炎症や酸化損傷/ストレスは、癌の2大要因であるといわれていることから、タンポポの抗炎症作用と抗酸化作用は、癌予防に優れた効果があります。

これでタンポポの効能についておわかりになったでしょう！これによって、少なくとも、新たな気持ちでタンポポを鑑賞されることを願っています。今度、芝生でこの見慣れた黄色い花を見た時、厄介な雑草ではなく、自然からの豊かな食物や薬の贈り物と思えるでしょう。タンポポなどの漢方薬があなたの健康にどう役立つかについては、常に自然療法医をはじめ、知識のある医療専門家に相談しましょう。