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3つの重要な相互作用

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3つの重要な相互作用

By: Heidi Fritz MA, ND

Bolton Naturopathic Clinic
64 King St W, Bolton, ON L7E1C7
www.boltonnaturopathic.ca
info@boltonnaturopathic.ca


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What is a Herb Nutrient- Drug Interaction




パートI:ハーブ・栄養素と薬剤との相互作用とは何か?

現在、いくつかのハーブ・栄養素と薬剤との間の相互作用について、多くの情報および多くの間違った情報が存在します。私たち自然療法医師(ND: naturopathic doctors)が一番良く受けるいくつかの質問は、この領域に属するものです。これは非常に複雑な領域で、もし投薬を受けているならば、自然療法医師のような訓練を受けたヘルスケア提供者に相談するよう必ずお勧めします。しかし、安全重視の消費者が注意すべき、良く特徴付けられた一握りの相互作用が、普通薬といくつかの天然健康製品(NHPs: natural health products)との間に存在します。この記事では、ハーブや栄養素とメトフォルミン薬、抗うつ薬そしてワルファリンとの相互作用に関連するエビデンスについて議論します。

栄養素・ハーブと薬剤との相互作用は、色々な形で現れる可能性があります。この記事では、3つのタイプについて検討します。最初に、ある薬剤はある栄養素のレベルを減少させる可能性があります。これは栄養素の利用増加や栄養素の吸収障害を通して起こります。次に、ハーブは薬の作用と同様あるいは相乗作用を与える可能性があります。例えば、睡眠のための薬を服用している人が、同様に中枢神経系を鎮静するハーブを摂取すると、過鎮静となります。最後に、あるハーブ・栄養素は体が薬剤を代謝する方法を変える可能性があります(3)。これらは薬物動態学的相互作用としても知られています。例として、ある薬剤はそれが作用を及ぼすことが可能になる前に体内で活性化される必要があります。もしあるハーブがこの活性化に寄与する酵素を増加させるならば、そのハーブはこの薬剤の体内レベルを増加させるかも知れず、ですからその薬剤の効果を増加させます。反対に、もしあるハーブがその薬剤を分解・排泄する原因となる酵素を増加させるならば、そのハーブはその薬剤の血中レベルを下げ、その効果を減少させる可能性があります(4)。

一般に、酸抑制剤のように、もしある薬剤が消化システムに影響を及ぼすならば、それは栄養素の吸収を変える潜在的な力を持っている可能性があります。同様に、もしあるハーブ・栄養素が、肝臓や腎臓のような薬剤代謝・排泄を行う主要な臓器に強く影響するならば、そのようなハーブ・栄養素は薬剤の血中レベルを増加あるいは減少させる潜在的な力を持つかも知れません。最後に、もしそのハーブ・栄養素が薬剤と同じ臓器や身体機能を標的としているなら、相乗効果の可能性があるかも知れません。非常に安全性の高い多くの天然薬剤が存在しますが、そうでないかも知れない天然薬剤について注意し、もし安全性について確実でなければ専門家に助言を求めることが重要です。

これから述べる3つの相互作用では、それぞれ異なるタイプの相互作用について例示します。パートIIでは、メトフォルミンとビタミンB12との相互作用について検討しますので、引き続きお読み下さい。



Three important interactions - What you should know about herbs, drugs, and nutrients

パートII:メトフォルミンとビタミンB12
By: Heidi Fritz, MA, ND
Bolton Naturopathic Clinic
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Metformin and Vitamin B12

パートIでは、薬剤と天然健康製品(NHPs: natural health products)との間に起こり得る共通の種類の相互作用をいくつか定義しました。このパートでは、メトフォルミンとビタミンB12との間の薬剤・栄養素相互作用について述べます。メトフォルミンは、最も良く処方されるII型糖尿病および多嚢胞卵巣症候群(PCOS: polycystic ovary syndrome)のための経口薬です。あまり知られていませんが、メトフォルミンはビタミンB12のレベルを減少させることが示されています(1,2,3)。

研究では、メトフォルミンを服用している糖尿病患者はビタミンB12のレベルがより低いことが繰り返し示されました(1,2)。ある研究では、およそ一日1800mgのメトフォルミンを服用している患者の100人以上で、メトフォルミンを服用していない患者の平均である509pg/mLと比較して、B12 のレベルの平均が393.5pg/mLであることが分かりました(2)。

別の研究では、メトフォルミン850mgを4年以上服用すると、ビタミンB12のレベルが、プラセボを服用した患者と比較して、19%減少するという結果になりました(4)。これは、ビタミンB12がホモシステインと呼ばれる物質を代謝するために必要なことから、重大な影響です。ホモシステインのレベルの上昇は、心疾患および卒中のリスクと関連しており、これは糖尿病患者が既に高い心疾患リスクにあることから、特に意味があります。

米国人を対象とした代表的な調査として行われた国民健康栄養調査(NHANES: National Health and Nutrition Examination Survey)では、メトフォルミンを服用している糖尿病患者は、メトフォルミンを服用していない糖尿病患者と比較して、ビタミンB12不足になるリスクがほとんど3倍高いことが分かりました(5)。

最近では、メトフォルミンを服用する患者たちは認知障害のリスクが高いことを示したエレイン・ムーア医師による研究に続き、ビタミンB12が大手メディアで人気となりました。Medscape Medical Newsとのインタビューでムーア医師は、メトフォルミンを服用している最大30%の患者において、ビタミンB12 のレベルが最適以下であるかも知れないことを示唆しました(6)。正常な脳と神経機能において、ビタミンB12は非常に重要であることから、この問題を正すことは、認知障害のリスクを打ち消す助けとなるかも知れません(7)。

メトフォルミンは、回腸と呼ばれる小腸終端部内での吸収に寄与する受容体に干渉することにより、ビタミンB12の取り込みを抑制するようです(7)。ムーア医師は、メトフォルミンを服用している患者たちは、年毎のビタミンB12のレベルのチェックと欠乏を補うための適切なビタミンB12の補給とを義務付けられるべきであると提案しています(7)。大切なことは、ムーア医師が単に“妥当な”(つまり欠乏してない)レベルではなく、“良好”もしくは相当に高いレベルを目指すよう勧めていることで、彼女は最低ラインとして300pg/mLを採用しています(7)。各自がイニシアティブを取って、定期的にビタミンB12レベルを測定してもらうよう家庭医や自然療法医師に依頼することが可能です。

パートIIIでは、抗うつ剤に関連する相互作用について検討しますので、引き続きお読み下さい。



Three important interactions - What you should know about herbs, drugs, and nutrients

パートIII:セントジョーンズワートと抗うつ剤
By: Heidi Fritz, MA, ND
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St. John’s Wort and Antidepressants

パートIIでは、メトフォルミンとビタミンB12との間の薬剤・栄養素相互作用について例示しました。これは、非常に特徴のある相互作用でした。このパートでは、ハーブ・薬剤相互作用に焦点を当てますが、今回はセントジョーンズワートと選択的セロトニン再取り込み阻害薬類(SSRIs: selective serotonin reuptake inhibitors)として知られる抗うつ剤類との相互作用です。この部類には、シタロプラム、パロキセチンそしてフルオキセチンといった薬剤があります。セントジョーンズワートは、SSRIの作用を増加させて、セロトニン症候群と呼ばれる副作用を引き起こす可能性があります。

その名前が示すように、SSRIは脳内伝達物質セロトニンのレベルを脳細胞(ニューロン)内で増加させることにより作用します。セントジョーンズワートは、うつ病の治療に非常に効果の高いハーブであることで知られており(1)、一部セロトニンへの平行した作用を介して効果を及ぼすと考えられています(2,3)。これらの薬剤をセントジョーンズワートと組み合わせて用いると、結果として過剰量のセロトニンを生じさせると考えられていますが、このような状態は非常に危険である可能性があります。マヨクリニックによると、セニトロン症候群には、興奮や情動不安、精神錯乱、速い心拍および高血圧、瞳孔散大、筋肉協応性の喪失やけいれん、大量の発汗、下痢、頭痛、そして震えといった症状があります(4)。重い症例では、高熱、発作そして不整脈を引き起こす可能性があります(4)。

SSRIを、他のセロトニンに作用する薬剤やセントジョーンズワートと組み合わせて服用している人々で、セロトニン症候群の症例が記録されています(2,5)。抗うつ剤の服用を断っている最中の患者のように、セントジョーンズワートの服用の必要が示されるようないくつかの場合があるかも知れませんが、これはヘルスケア提供者の助言および監視下になければ、絶対にするべきではありません。

抗うつ剤に加えて、セントジョーンズワートは、臓器移植を受けた患者に使われるシクロスポリン、心疾患患者に使われる薬剤であるジゴキシンそして抗凝血薬として一般に使われるワルファリンといった他のいくつかの薬剤と相互作用があることが知られています(2,6)。セントジョーンズワートは薬物クリアランスに寄与する酵素を変化させ、これらの薬剤の効果を減少させると考えられています(2)。

セントジョーンズワートは、適切に使用される際には、非常に重要な天然薬剤であることに変わりはありません。投薬治療にある患者たちは、自然療法医師に相談し、それが彼らにとって適当か否かを評価してもらうべきです。このシリーズのパートIVでは、一般食品・植物薬とワルファリンとの間の相互作用について吟味しますので、そのままお読み下さい。



Three important interactions - What you should know about herbs, drugs, and nutrients

パートIV:ワルファリンとクランベリー
By: Heidi Fritz, MA, ND
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Warfarin and Cranberry

これまでのパートでは、栄養素の欠乏(ビタミンB12)や相乗的組み合わせ(セントジョーンズワート)に関わる相互作用について検討しました。このパートでは、一般食品やハーブ、クランベリーと、一般的な処方抗凝血薬であるワルファリンとの間の相互作用の可能性について述べましょう。

この薬剤を考慮する際には、ワルファリンの血中レベルの目標水準の範囲が非常に狭いという事実を認識することが最も重要です。これは、もしこの薬剤の血中レベルが低くなり過ぎれば、効果を発揮しないということを意味します。しかし、もし血中レベルが少しでも高くなったら、重い副作用のリスクがあるのです。ワルファリンは抗凝血薬であるため、そのリスクというのは、まず血液凝固時間が短くなり過ぎて血栓形成と潜在的な心臓発作との素因になるか、あるいは血液凝固時間が長くなり過ぎて出血や大量出血のリスクが生じるかです。

クランベリージュースは食品であり、かつ尿路感染の治療と予防のために最も良く使われている植物薬でもあります。食品としては、クランベリーは見たところ無毒の物質ですが、そのワルファリンパラメターへの作用は議論の的となっています(1)。実に、過半数の研究では、1杯のクランベリージュースの摂取によるワルファリンレベルへの影響はほとんどないことを示している一方で、少数の研究では、クランベリーはワルファリン代謝を減少させる可能性があり、ワルファリンの血中レベル上昇とそれに続いて起こる出血のリスクとを示唆しています(2,3,4)。

人を対象とした3つの試験では、一日240mLのクランベリージュースを2週間摂取することによる、INRと呼ばれる血液凝固時間やワルファリン血中レベルへの影響は、認められませんでした(5,6,7)。しかし、一つの研究では、2週間クランベリージュースを摂取すると、ワルファリン一回分を服用後にINR(凝固時間)に関する一つの基準が最大30%増加することが報告されました(8)。この研究によると、クランベリーの作用はある遺伝的変異を有する男性でより大きいようで、これがこのタイプの相互作用に影響を受けやすいかを決める要因に一役買っている可能性があります。

結論として、クランベリージュースやその抽出物は、尿路感染と戦うためには非常に有益ですが、ワルファリンを服用している人々はそれを使うことに慎重であるべきです。現在のところ、エビデンスははっきりしていませんが、クランベリーとワルファリンとを組み合わせることにより出血時間が長くなり易い人々が存在する可能性があります。もし天然健康製品を用いる妥当性について確信が持てないならば、ヘルスケア提供者と相談して下さい。