メインコンテンツに移動

むずむず脚症候群

日本語



ハイディ・フリッツ文理学修士、自然療法医師

ボルトン自然療法クリニック
64 King St W, Bolton, Ontario L7E 1C7

www.boltonnaturopathic.ca
info@boltonnaturopathicclinic.ca



Restless Leg Syndrome - Treatment Approaches はじめに

むずむず脚症候群(RLS: restless leg syndrome)は、脚を動かす衝動を引き起こす神経システムの部分を冒す病態です。通常この病態は眠りを妨げるため、睡眠障害とも見なされています[1]。症状の強さによっては、むずむず脚症候群は極めて厄介なもとなります。その症状は、かゆみ、ヒリヒリ感、痛み、そして(何の明らかな理由もなく)脚を動かしたいという欲求といったものです。むずむず脚症候群は、性別に関わらず、人口の最大10%を冒していますが、女性および子供により見られます。

むずむず脚症候群の原因は、多くの場合不明です。多くの人たちには同じ病気の家族があることから、遺伝的因果関係があるかも知れません。他に可能性のある要因には、鉄欠乏のような特定の医学的病態、腎不全、糖尿病、そして末梢神経障害といったものがあります[1]。時には、根本原因となる病態を治療することでむずむず脚症候群が良くなる可能性があります。むずむず脚症候群のリスクを上昇させる薬もあります。これらは、制吐薬、抗精神病薬、抗うつ薬、そして抗ヒスタミン剤といったものです。(勿論、医学的管理なしには勧められませんが)もしこれらの薬の服用を中止すると、何らかの症状の緩和がもたらされる可能性もあります。多数の女性たちは、妊娠中、特に第三三半期で、むずむず脚症候群を経験します。この理由は完全には明らかにされていませんが、26%という多さの女性たちが妊娠第三三半期でこれを経験するのです。これはホルモンの変動、ミネラル欠乏、あるいはドーパミンのアンバランスと関連があるかも知れません。(通常この群では、赤ん坊が生まれた後すぐに症状が消散します。)最後に、睡眠不足やアルコールやタバコをたしなむといった生活習慣の因子は、症状を悪化させる可能性があります[2]。

むずむず脚症候群の診断は、特別のラボラトリー試験を用いて下されることはなく、そのような医学的試験は他の病態を除外するために用いられるでしょう。この病気を診断するための4つの基本的な基準は[3]、

  • ·· 症状が夜悪化し、朝には見られない
  • ·· 病気の方の脚を動かしたいという強い必要に迫られる;
  • ··感覚症状は、急速、リラックス、あるいは睡眠が引き金となる
  • ··感覚症状は動きで緩和する;

通常、医師は症状一つ一つに加えて引き金や緩和要因に集中します。他の病態の可能性を除外するためには、神経学的検査が必要とされるかも知れません。ラボラトリー検査も行われるでしょう。鉄欠乏症などが明らかになる可能性があるというのは便利ですが、これ自体は診断には無関係です。特に非常に重症の場合には、睡眠検査が勧められる場合もあります。これにより睡眠時無呼吸のような根本的な問題が発見される可能性がありますが、これは病気の管理への取り組み方に影響を及ぼすでしょう。子供の診断は、子供がその症状をどのように説明するかによって難しくなる可能性があります。この記事では、むずむず脚症候群の治療について、自然療法に焦点を当てつつ、評価を行いましょう。


Treatments for RLS むずむず脚症候群の治療 生活習慣への取り組み

治療の際の最初の試みでは、潜在的根本原因あるいは悪化要因に焦点を当てるべきです。睡眠不足、煙草、そしてアルコールは全てむずむず脚症候群を悪化させるということは既に述べました。ですから、その点について、禁煙(あるいは特に就寝前の煙草を止めること)が有用な可能性があります。この病態の管理のためには長期的な取り組みが必要にすらなるとしても、もし原因物質が取り除かれればそれはパズルで最も重要なピースとなるでしょう。アルコールの摂取は、それがなければ症状に何か改善があるかを確認するために、少なくともお試し期間中は減らすか止めるかしなければなりません。

運動プログラムもひょっとしたら有用かも知れません[1]。これは、定期的に筋肉を動かし、血液循環の増加によって老廃物が排出され、栄養素の補充を確実にします。(特に就寝前の)脚のマッサージが効果的な人たちもいます。脚にヒートパックやアイスパックをしたり、何らかの形の水治療法を施したりすることも良いでしょう。熱いものと冷たいものとを交互に行うと血液循環が促されます。お試し期間中はお湯と水とを交互に浴びるコントラストシャワーが勧められます(これは冷水シャワーで終わるので快適ではありませんが、循環を改善し全体的な健康に効果が高いでしょう)。

規則正しい睡眠パターンを確立することは、殆ど全ての場合で主要な推奨事項です。良い睡眠習慣は、あなたの体が何を望んでいるかを知るのを助けるでしょう。私たちの体は、私たちが定期的に行うことに対して非常に良く慣れます。毎日同じ時間に寝床に入り、毎日同じ時間に起きることは、最初は難しくても長期的に健康を促進するでしょう。睡眠の質を改善する他の全ての生活習慣の見直しに組み込むのも良いでしょう。これは、寝室を静かで暗くし、ベッドを快適でリラックスできるものにするといったことです。


Pharmaceuticals 薬剤

むずむず脚症候群に有用な可能性のある幾つかの薬剤が存在します。全ての人が利用可能な一つの薬というものはありません[3]。定期的に服用している薬は時間と共にその効き目を失う可能性もあることから、そのような薬は一定の間隔で回転させたり変えたりします。パーキンソン病の治療に使われる薬が良く使われます。これらは、脳内伝達物質のドーパミンを増加させることから、ドーパミン作動薬と呼ばれます。ドーパミン作動薬は通常耐性良好ですが、時々胃腸への副作用やめまいを引き起こします。長期的な服用では、時間の経過と共に服用量を増やさなければならない可能性があります。一般に、服用量が高いほど副作用の出るリスクが上がります。

ベンゾジアゼピンは筋肉弛緩薬で、不安神経症の治療にも利用されます。これはむずむず脚症候群治療のための選択肢の一つにもなるでしょう[5]。しかし、しばしばベンゾジアゼピンは鎮静作用を呈することから、夜間に用いるのが最善ということになります。抗けいれん薬も考慮可能なもう一つの薬物群ですが、これらは特に感覚(かゆみ、ヒリヒリ感、むずむずした蟻走感)について助けとなるでしょう。


Supplements サプリメント

欠乏症を正すためのサプリメントをまず考慮すべきですが、もし鉄欠乏症が分かったら、鉄分のサプリメントは良い選択肢でしょう[4]。逆症療法専門家が処方する鉄分のサプリメントは一般的に非常に高用量(300mg)です。鉄の吸収は非常に悪く、通常このような高用量の処方は症状の悪化や便秘の原因となります。一般に自然療法医は総服用量のずっと低い(30mg前後)サプリメントを使いますが、逆に副作用はありません。通常、これらの低用量の鉄分サプリメントは数回に分けて服用することが可能であることから、全体として吸収される鉄分の量についての最終的な結果は同等になります。

他に考えられる欠乏症には葉酸やビタミンB12がありますが、これらは両方とも検査可能で、非常に簡単に正すことができます。ビタミンB12は舌下錠、あるいはもし迅速な結果が望まれるならば筋肉注射で補給することが可能です。

むずむず脚症候群において最も一般的に考慮される欠乏症の一つは、マグネシウム欠乏症です[5]。マグネシウムは多数の形態で売られていますが、このような形態は単純にその吸収能と関係しています。時には、異なる形態が異なる目的で用いられますが、全ての形態のマグネシウムが受け入れられるでしょう。最も吸収の良い形態のマグネシウムの一つは、クエン酸マグネシウムと呼ばれるもので、もしあなたがこの形態のマグネシウムを入手できるならば、それを考慮する価値があります。マグネシウムは、改善が見られるかを試すために、単独あるいはカルシウムと一緒に服用することができるでしょう。マグネシウムについて考慮すべきもう一つの事項は、マグネシウム自体は欠乏していないかも知れないものの、マグネシウムの高服用には治療的有用性がある可能性があることです。これは、栄養サプリメントが薬と同様の方法で利用される状況でしょう。この場合、経口カプセルのマグネシウムを徐々に高用量服用して効果が見られるかを確認すると良いでしょう。マグネシウムの副作用は下痢であることから、もしマグネシウム摂取が多過ぎると下痢になるのはお分かりでしょう!カプセルを開け(パウダーを用いて)マグネシウムを直接舌に乗せることを勧める専門家もいますが、これはむずむず脚症候群では明らかに良い結果をもたらします。


結論

むずむず脚症候群は、その症状の酷さに依っては消耗の激しい病気で、他の人たちよりも第三三半期の妊婦を含む女性と子供とがよりかかりやすい病気です。大体の場合において原因は不明ですが、もしこの病気が生活や睡眠の質に著しく強い影響を与えるならば、複数の治療法を試す価値があります。この記事では、むずむず脚症候群に影響する幾つかの生活習慣に関する要因を明らかにしました。規則正しい睡眠習慣、運動、水治療法、そして煙草や喫煙の中止は、ほとんどの場合に考慮すべき健康に良い見直しです。薬剤という観点では、異なる方法で作用する多数の薬剤を利用することが可能ですが、これらにはしばしば副作用のリスクが伴われます。有用である可能性のある幾つかの栄養サプリメントについて検討しました。全ての推奨サプリメントは、実際に役立つかを確認するために試す必要があります。ここでは検討しませんでしたが、効果があるかも知れない(鍼や植物薬といった)多数の他のナチュラルな治療法も存在しますが、これらには生活習慣の要因や推奨サプリメントと同様の働きがあります。いつものことですが、どんな治療でも始める前にあなたの自然療法医に相談して、それがあなたに相応しいことを確実にしてください。