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慢性咳嗽の治癒 - 自然療法の視点

日本語
Management of Chronic Cough - Naturopathic Perspectives

by Dr. Krysten DeSouza, ND

5-3405 South Millway, Mississauga, ON

desouzanaturopathic.com




最も多い病院を訪れる理由の一つは咳です。咳は厄介でうるさく、家族全員の睡眠を妨げることがあります。ウイルス感染では、多くの場合、感染が治まった後、2週間くらいまで咳が残る可能性がありますが、8週間以上続く場合は、さらに検査する必要があります。[1]

Fertility 咳とは?

咳は、刺激物に対する呼吸筋の反射です。刺激物が喉や気道の受容体を刺激し、これによって神経が信号を受け、脳にメッセージを送ります。その後、脳は胸部と腹部のあらゆる筋肉を収縮させて、肺から空気を強制的に押し出します(そして、できれば刺激も!)。[2] 刺激物は、細菌やウイルスなどの微生物、粉塵粒子、または単に鼻腔から滴る粘液かもしれません。そこにあるはずのないものはすべて、何らかの免疫反応を引き起こします。

免疫系は実に優れています。過剰な粘液を生成して、外来細菌を捕捉したり、強力なくしゃみをして、身体に危険を及ぼす恐れのある粘液や埃の粒子を追い出したりします。また、免疫系は体温を上昇させて、微生物が住みにくい環境を生み出します。免疫系は生命の維持に大いに役立ちますが、こうした働きが身体に悪影響を及ぼす場合もあります

咳以外の症状がないことは非常に稀で、咳に苦しみ病院を訪れる人の多くは、複数の疾患を抱えています。以下は、慢性咳嗽の最も一般的な原因です。

1. 後鼻漏(上気道咳症候群)

「後鼻漏」は、口腔咽頭(口と喉の奥)や下気道に漏れる鼻腔内の粘液の生成をいいます。この定義からは、そもそもなぜ粘液が存在するかはわかりません。最も一般的な原因は、アレルギーによる慢性鼻炎や鼻炎です。[3]季節性アレルギーでは数ヶ月間鼻にかゆみが生じることがありますが、環境アレルギーでは一年中続きます。これには、埃やカビ、ペットのふけなどのアレルゲンが含まれます。皮膚アレルギー検査を行うと、避けるべきアレルゲンについての認識が高まりますが、もちろん、こうした原因を完全に避けることで回復へと向かえます。

2. 喘息

喘息は、非喫煙者の慢性咳の最も一般的な原因の一つです。「典型的な」喘息では、呼吸困難や喘鳴、胸の痛みが生じます。こうした症状は、喘息の始まりを示します。しかし、咳のみが生じる喘息「咳喘息」という別の疾患もあります。

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咳喘息では、一つの要因がより少量で長く存在します。[4] これは、上記のような環境要因による場合もあり、これによって、気道過敏症や気道狭窄が生じます。これは、刺激物受容体が安定した状態で、脳に咳反射を知らせる準備ができていることを意味します。免疫系全体が緊張状態になり、些細な要因で咳が始まります。咳喘息では喘鳴や呼吸困難が現れないことに注意することが大切です。咳は一日中いつでも生じることがありますが、夜間に最も顕著です。気管支拡張薬で緩和されることもありますが、免疫系が緊張状態にある限り、咳は続きます。[5]

3. 胃食道逆流症(GERD))

胃食道逆流症だけで咳が生じる可能性があります。喘息や後鼻漏と併発した場合、咳が劇的に強まり、治療がやや困難になります。胃食道逆流症は、消化管が下食道括約筋(食道から胃への出入口)を閉じるための伝達に失敗した状態で、胃酸が食道に戻って跳ね上がり、口まで移動します。これによって胸焼けが生じる場合もあれば、口に達するまで完全に症状がない場合もあります。酸は腐食性で、組織に損傷を与える可能性があるため、胃の内側に厚い粘液層があります。しかし、酸が食道に移動すると、身体を保護するための粘液層がないため、焼けるような感覚が生じます。やがて、食道に粘液が生成され、喉の奥にしこりがあるような感じがすることさえあります。常にうがいをしなければならない感じがし、声がかすれる場合もあります。この過剰な粘液は、咳反射を促す刺激物になる可能性があります。食べ物や食べるタイミング、食べる量によっては、この胃食道逆流症による咳が四六時中続くこともあります。

慢性咳嗽の診断

自然療法医は、疾患の診察では、あらゆる点について評価する必要があることを理解しています。まず、胸部X線を行ってみると、大規模で厄介な診断を考慮せずに済むのでよいかもしれません。特に、喫煙歴や肺疾患の家族歴がある場合や、短期間に原因不明の著しい体重減少があった場合はなおさらです。

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喫煙歴と受動喫煙を評価します言うまでもないかもしれませんが、受動喫煙は喫煙と同様に害を及ぼす恐れがあります。受動喫煙がなくなると、肺はゆっくりと回復しますが、常にわずかな損傷が残ります

服用薬をすべて記録します。ACE阻害薬は、高血圧薬の一種で、服用開始から数日または数ヶ月の間、乾いた咳が生じます。服用を中止しても、ACE阻害薬の影響による咳は最大4週間続く可能性があります。

環境曝露や職場環境について尋ねます。多くの人が、自宅よりも職場でより長く過ごしています。職場は、埃っぽかったりカビが生えていたり、空気の循環が悪かったり過度に乾燥していたりすることがあります。特に1日5時間以上、こうした環境で過ごしている場合、これが原因で慢性咳が生じる可能性が誰にでもあります。炭鉱労働や建設作業など、細かい粉塵が飛び交う環境で働いている場合、こうした有害物質を常に吸い続け、慢性咳嗽を発症するリスクが高くなります。

効果のあるものとないものを見分けます。ジルテックなどの抗ヒスタミン薬を服用していて効果がない場合、アレルギーではないのでしょう。この場合、喘息や胃食道逆流症の可能性が高いです。逆流性食道炎が疑われる場合は、食事の変更や逆流性食道炎の治療薬で咳を止める必要があります。

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食事の見直し。食事の変更と食物過敏症の完治は、胃食道逆流症や後鼻漏の治癒に最も大切です。辛い食べ物は、胃酸を逆流させるといわれているため、夜遅くに大量に食べるのは避けましょう。砂糖や乳製品は、粘液の生成を促し、すでに乱れている免疫系の働きをさらに悪化させる恐れがあります。これは、特に季節性アレルギーを患い、環境要因と闘っている場合に当てはまります。この時点で砂糖や乳製品を摂ると、免疫系が閾値を超えた状態になり、非常に明らかなアレルギー症状が生じる可能性があります。

ビスグリシン酸マグネシウム。これは、私が免疫疾患やアレルギー症状に最もお勧めする栄養素の一つです。マグネシウムは非常に穏やかな微量栄養素で、気道を弛緩させて高まった神経系の反応を低下させ、免疫系の過剰反応を軽減させます。喘息や後鼻漏の症状がある場合に最適です。

N-アセチルシステイン。強力な抗酸化剤グルタチオンの前駆体として知られているN-アセチルシステインは、気道をリラックスさせ、喘鳴を軽減させる働きがあることで知られています。特にあらゆる種類の喘息に効果があり、一年中服用できます。

加湿器とエッセンシャルオイル。空気が乾燥した家や職場、寝室では、すぐに咳が出始めます。建物の換気によっては、暖房やエアコンにより室内の湿気がかなり奪われることがあります。加湿器がない場合は、濡れたタオルを寝室に掛けてみてください。朝起きたときにタオルが完全に乾いているのなら、湿度を上げる必要があります。ポットに水を入れて沸かし、ベッドの横にコースターを置き、その上に乗せましょう。湯気に1〜2滴のユーカリやラベンダーを加えるとさらに効果的です。

慢性咳嗽は、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。慢性咳嗽により、睡眠や運動を妨げられ、仕事の生産性が低下する場合があります。全身を徹底的に調べることは、慢性咳嗽の原因とその刺激物を特定するうえで役立ちます。