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薬用化粧品による皮膚反応 一般的な原因を明らかにする

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薬用化粧品による皮膚反応 一般的な原因を明らかにする www.NaturopathicAesthetics.ca


Cosmeceutical Skin Reactions

日が昇り、目を覚まして大あくびをし、ついにベッドから出ることにしました。あなたの一日が始まりました。朝食を摂り…もしくは摂らずに(できれば摂り)、メールとソーシャルメディアをすべて確認しました。いよいよ「身支度」の時間です。女性は、外出する前と寝る前に、180種類以上の成分を含む12種類のパーソナルケア製品を使用し、男性は、約85種類の成分を含む6種類のパーソナルケア製品を使用するといわれています。[1]

化粧品やデオドラント、口紅、洗顔フォーム、ヘアケア製品、日焼け止めを利用する場合、かゆみや刺すような痛み、炎症が生じることがよくあります。パーソナルケア製品による皮膚反応で最もよくみられるのは、アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎です。アレルギー性接触皮膚炎は、基本的に成分に対する免疫反応で、皮膚に炎症が生じます。特定の刺激成分に対する非特異的な皮膚反応で、免疫反応を伴わない刺激性接触皮膚炎ほど一般的ではありません。生化学物質の刺激力は、その化学物質の大きさや濃度、皮膚に曝される時間によります。[2]

この分野の課題の一つは、接触皮膚炎を持つ人は、通常(そして当然)問題の製品の使用をやめるため、かかりつけの医師に報告する機会がない、または報告する必要性を感じないことから、接触皮膚炎が起こる頻度を測定するのが難しい点です。[3]多くの場合、なかなか原因を特定できないために皮膚科医を訪れます。

Cosmeceutical Skin Reactions

今日は、アレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎を最も招く成分と成分カテゴリーの一部に焦点を当てます。こうした成分のいくつかは、薬用化粧品で人気があり、よく使用されている成分です。ここで強調したいのは、こうした成分を避けなければならないということではなく、人によっては、こうした成分によりアレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎が起こる可能性が高かったり、こうした成分がその決定的な原因であったりする場合があるということです。炎症やかゆみ、刺すような痛み、鱗屑などの症状があり、その原因がわからない場合、こうした成分は、刺激反応の原因を特定(および回避)するうえで何らかの役に立つかもしれません。いつものように、まずはかかりつけの皮膚科医やスキンヘルスケア専門医にこうした症状について相談し、製品の使用方法を見直しましょう。

「低刺激性」の概念を払拭する

化粧品や薬用化粧品の世界では、実質とは異なるような用語が数多く頻繁に使われている可能性があります。「低刺激性」はその良い例です。低刺激性は非アレルギー性と同意語だと勘違いされがちですが、そうではありません。低刺激性はアレルギー反応の可能性が低いことを示しますが、その可能性はゼロではありません。一般的に、そして信頼を保つために、低刺激性の化粧品には、トラブルを引き起こすような成分が含まれるべきではなく、市場に出る前に、特に敏感肌を持つ人々を対象としたアレルギー反応テストや刺激反応テストを実施されるのが望ましいです。ただし、この原因を常に想定できるとは限らず、これまで問題視されてこなかった他の成分に対して敏感に反応する可能性もあります。[4]

皮膚反応を招くカテゴリーと成分

香料
香料は、アレルギー性接触皮膚炎を最も招く原因の一つといわれていて、2,500種類以上の香料成分が化粧品や薬用化粧品に使用されています。皮膚科医が香料成分に対するアレルギー検査を行う際、最もアレルギーを招く混合物形態で行われることが多いですが、より多くの成分が化粧品に使用されていると、こうした混合物もテスト対象物の中で絶えず形態を変える傾向があります。

さらに混乱することに、香料に含まれている特定の成分がすべてラベルに表示されているとは限りません。また、「無香料」と表示されていても、実際には無香料ではなく、単に無臭であることを示す場合もあります。配合されている他の成分の臭いを消すために香料成分が使用され、香料成分が含まれているにもかかわらず、臭いがしないことが多いです。最後に、「無香料」製品には、香料成分が防腐剤などとして、香り以外の効果のために含まれている可能性もあります。

ハーブ成分は、刺激やアレルギーの原因となり得え、香りを与えますが、局所的な薬効があることから、無香料と表示されている場合があります。[1]

防腐剤
防腐剤は、化粧品の成分の中で2番目に最もアレルギーを引き起こし、抗菌剤や抗酸化剤、紫外線吸収剤が含まれます。ご想像のとおり、防腐剤には製品の汚染を防ぐ働きがあります。

薬用化粧品において、よりアレルギー性接触皮膚炎を招く防腐剤の一つはクオタニウム15です。また、DMDMヒダントイン、ジアゾリジニル尿素、2ブロモ-2ニトロプロパン-1,3ジオールも一般的なアレルギーの原因です。[1]

市場で最も話題になっている防腐剤は、おそらくパラベン(様々な化学形態のパラヒドロキシ安息香酸)でしょう。化粧品やパーソナルケア製品、医薬品に使用されている他、食品添加物としても使用されています。パラベンは、特にほぼあらゆる化粧品に見られるように低濃度で使用されている場合、アレルギー性接触皮膚炎を引き起こす可能性は低いです。しかし、特定の局所治療薬などのように高濃度で使用されている場合や、特に損傷した/敏感な皮膚に塗布した場合などは、アレルギー性接触皮膚炎が生じる可能性が高いです。[5][6] 少々曖昧なのは、パラベンのホルモンを破壊する働きです。リスクは低いといわれていますが、エストロゲン活性が弱く、推奨用量で使用した場合はアレルギー反応の心配はないことが研究により示されていますが、一部の研究者は、さらなる調査の必要性を強調しています。つまり、パラベンの研究は、個々のパラベンに関する研究がほとんどで、 Cosmeceutical Skin Reactions 私たちの身の回りにある数多くの源から形成されるあらゆるパラベンに接触した際の相加的および累積的な影響については疑問が残っています。[7]様々な医学に関する議論と同様に、これに関する議論もしばらく続くでしょう。

ビタミン

これからご紹介する項目には驚かれる内容があるかもしれませんが、化粧品に含まれるいわゆる美容成分の多くは、皮肉なことに肌に刺激を与える可能性があります。局所製剤に含まれるビタミンの一部は、皮膚刺激や、まれにアレルギーを引き起こすといわれています。

Cosmeceutical Skin Reactions ビタミンA/strong>: ビタミンAをいずれかの形態(レチノール、レチンアルデヒド、パルミチン酸レチニルなど)で使用している場合、すでに皮膚刺激や発赤、皮膚乾燥が生じているかもしれません。しかし、これは想定されていることで、皮膚の「網膜化」と呼ばれることもあります。 このため、スキンケア提供者は、ビタミンAを取り入れる際に、こうした影響を最小限に抑えるための特定の手段を勧めることがあります。こうした手段には、まず低濃度(例えば0.25%のレチノール)から始め、製品を購入するごとに用量を徐々に増やすことや、約1ヵ月間にわたって保湿クリームを塗ってからレチノール配合製品を使用した後、その順序を入れ替えること、約2週間にわたり3日おきに夜間に少量使用し、その後、数週間かけて徐々に使用頻度を増やすことなどがあります。[8]

Cosmeceutical Skin Reactions ビタミンC:アスコルビン酸の皮膚に対する低pHの影響により、皮膚刺激が生じる場合があります。幸い、リン酸アスコルビルなどの様々なビタミンCが化粧製品の成分として誕生しました。これにより、低pHの影響が緩和され、刺激を受けやすい敏感肌にもより安心して使用できるようになりました。[9]

ビタミンE: ビタミンEによるアレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎が報告されていますが、ここでは話題のセルフケアに関する注意点について触れていきます。アレルギー反応の報告の多くは、経口用のビタミンE油カプセルを割って中身を皮膚に塗布したことが原因のようです。対照的に、薬用化粧品に含まれる塗布用に製剤化されたビタミンEは、通常、アレルギーを招くことはほぼありません。これは、製品の使用方法を守ることの大切さを強調しています。[1]Cosmeceutical Skin Reactions




ハーブ

植物性(ハーブ)成分やその製品の人気と利用が驚くほど高まっている一方、払拭すべき概念が生まれています。まず、薬用化粧品の植物成分は「天然」であるため、「化学成分」や「合成成分」よりも優れている、もしくは安全であるという概念です。皮膚が化学物質に反応するのなら、皮膚は上記の化学物質に反応します。それが大地の恵みから生まれたものであろうが、実験室で生まれたものであろうが関係ありません。例えば、植物性香料が、有機性であろうとなかろうと、低刺激性なら、前述したように、低刺激性は非アレルギー性であることを示しません。敏感肌の場合、低刺激性の製品でさえ刺激が生じる可能性があります。また、様々なハーブ成分が、最初に植物から発見され抽出されましたが、薬用化粧品会社の多くは、膨大な費用がかかることや元の抽出物が配合に与える影響(製品の色や触感など)により、植物から抽出するのをやめます。そのため、抽出物の多くが、化粧品の他の成分とより生化学的に「作用する」形態に組み換えられたり合成されたりします。[4]

Cosmeceutical Skin Reactions アレルギー性接触反応を招くといわれるハーブエキスは、ティーツリー油、マンサク、クルクミン、アロエ、ペパーミント、加水分解コムギ、タンパク質誘導体で、化粧品クリームやヘアケア製品に含まれています。[1][10]

ヒドロキシ酸

ヒドロキシ酸は、多くの場合、肌の角質除去、肌のきめやバリア機能の改善、肌老化の軽減のために使用される化粧品化合物です。[11][12]主なヒドロキシ酸は、α-ヒドロキシ酸(グリコール酸、乳酸、クエン酸など)、β-ヒドロキシ酸(サリチル酸など)、ポリヒドロキシ酸(グルコン酸やラクトビオン酸など)です。[12]ヒドロキシ酸は、刺すような感覚や焼けるような感覚などの刺激反応を引き起こす可能性もあります。一般に、刺激反応の多くはα-ヒドロキシ酸でみられますが、これはα-ヒドロキシ酸のpHが低く、サイズが小さいことから、より肌に浸透して神経終末を刺激するためです。しかし、肌のバリア機能に障害がある場合、通常はα-ヒドロキシ酸ほど効率的に肌の上層部に浸透しないβ-ヒドロキシ酸やポリヒドロキシ酸により、刺激反応が起こる可能性が高まることがあります。[1]

皮膚反応を緩和するためにできること

はじめに:まず、いかに簡単に刺激成分の見当をつけて特定するかにかかっています。新しいデオドラントを試し、腕の下に発疹が出たら、容易に原因を特定できます。しかし、多くの場合、原因はそれほど明確ではありません。そのため、まずは皮膚科医やアレルギー専門医に相談しましょう。皮膚科医やアレルギー専門医は、アレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎などの皮膚疾患を診断し、パッチテストを行って問題のある化粧品成分を絞り込みます。こうした問題のある化粧品成分をすべて避けることが大切です。

接触を全体的に減らす:デオドラントなどの特定の化粧品は避けることが難しいかもしれませんが、その他の製品は、必ずしも必要とは限りません。例えば、多くの場合、肌の健康を保つのに、数多くのスキンケア製品を利用する必要はありません。スキンヘルスケア専門医に相談して、薬用化粧品の利用を必要最小限に留め、「より少ない製品でより多くの効果」を得ましょう。自然療法では、薬用化粧品に加えて、食事の調整や経口サプリメント、鍼治療を用いて肌を健康にし、多くの製品への依存を減らせます。接触を減らすためにも、できるだけ成分数の少ない製品を選びましょう。[8]

低刺激性製品の盲目的な使用を避ける:前述したように、低刺激性は非アレルギー性であることを示しません。しかし、低刺激性製品を選ぶことで、よりアレルギーを招く成分を含む製品によるアレルギー反応の可能性を減らせます。特定の低刺激性製品が、実際に敏感肌でテストされたか否かについて十分注意しましょう。また、RIPT(累積刺激試験)の実施の有無について薬用化粧品会社に問い合わせるのもよいでしょう。[4]

肌のバリア機能を強化する:肌のバリア機能に障害があると、肌の敏感性やアレルギー反応の可能性が増加することが、さらに多くの研究により示されています。以前、「自然療法の動向」で詳しく説明しましたが、肌バリアは肌の上層部の潤いを閉じ込め、日常生活の中で生じる不要な接触から肌を守ります。肌のバリア機能に障害があると、バリアが開放され、上記で述べたように、β-ヒドロキシ酸やポリヒドロキシ酸などの成分が浸透しやすくなり、通常は刺激できないような箇所に刺激を与えます。[8] そのため、セラミドなどの肌バリアを形成する脂質が豊富な肌バリア強化保湿クリーム/保湿洗顔料を、上記の他の局所的な手法やライフスタイル、食事療法と併用することは、見落とされがちな手段ですが、これによって皮膚炎のリスクを最小限に抑えられます。 Cosmeceutical Skin Reactions