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プロバイオティクス

NPC COLLABORATOR
ND

30 November 2013
日本語

Angelica Kada, ND(c), Abrar Negahban, ND(c), Luc Laframboise ND(c), Tal Friedman ND(c), Liam Latouche ND(c), Andrew Krause, ND(c) - ND(c): Naturopathic Doctor Candidate

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What Are ProbioticsパートI:プロバイオティクスとは何か?

プロバイオティクスは、呼吸器管、胃腸管そして皮膚に住んでいる生きた微生物です。しばしばプロバイオティクスは、“フレンドリーなバクテリア”と言われますが、これは、プロバイオティクスに健康を維持するための保護的な役割があるからです。プロバイオティクスには、有害なバクテリアや感染が広がるのを防いだり、腸の免疫システムのバランスを刺激し整えたり、腸や肌の機能や構造の健康を維持したり、消化を助けたりというような、多様な働きがあります(1,2)。プロバイオティクスは、オリーブ、ブラックチョコレート、ピクルス、ヨーグルト、ケフィル、豆乳、テンペやその他の発酵食品といった様々な食物に含まれます。プロバイオティクスも、必要な際にはサプリメントとして摂取可能です。抗生物質の服用や他の原因によりプロバイオティクスのレベルが不十分であるとき、体の機能の多くは弱まります。プロバイオティクスを補給することで、本来の腸の機能を回復させる助けになるかも知れません(2)。プロバイオティクスは安全性が最も高い入手可能な天然の健康製品の一つで、手広く研究されてきました。しばしばプロバイオティクスは、ウェルネスおよび病気の予防を構成する基礎的な要素であると考えられています。

読者は“プレバイオティクス“という用語も聞いたことがあるかも知れませんが、これはプロバイオティクスとは違います。プレバイオティクスは、プロバイオティクスの餌となりその増殖を刺激する、単なる消化できない炭水化物です。ローバーフロイドによれば、プレバイオティクスは”宿主のウェルビーイングおよび健康に利益をもたらす胃腸の細菌叢の構成や活性の両方で特定の変化をゆるす、精選の発酵成分“です(3)。プレバイオティクスのみを摂取するのは、それがフレンドリーなプロバイオティクスのバクテリアの餌となりその数を増やすことから、消化に良いでしょう、プレバイオティクスは、いくつかのプロバイオティクスのサプリメントや、タマネギ、ニンニク、チコリの根、アンティチョーク、アスパラガス、バナナやトマトといった様々な食品に含まれます。お分かりのように、プロバイオティクスとプレバイオティクスとの両方を摂取するのを助けるような、健康に良い食品が沢山あります。とはいえ、続くパートでは全てのプロバイオティクスが等しく作られているのかどうかについて検討します。ある菌株は他よりも優れているのでしょうか?どのような健康状態のためにプロバイオティクスの摂取を考慮すべきでしょうか?一般的な健康に関する懸念事に加えて、プロバイオティクスは抗生物質の服用後にも非常に役に立ちます。抗生物質は、感染力の高い”悪玉”バクテリアと善玉バクテリアとの両方を、一掃する傾向があります。プロバイオティクスは善玉バクテリアを補充し、その結果、抗生物質による全ての副作用を抑えるのを助け、回復にかかる時間を早めることができるのです。また、様々な異なる状態に対してどれくらいの服用量が適切であるか(通常CFUあるいはコロニー形成単位と言われます)も検討します。


パートII:異なる菌株Different Strains

全てのプロバイオティクスが同じではないことを心に留めておくのは大切です。専門家の意見を聞いて、あなたの健康問題に対する妥当な診断と治療とを確実に受けるために役に立てて下さい。医学的な評価が完了したら、直ぐに医師は治療プランの一環としてプロバイオティクスの補給を勧めるかも知れません。様々なプロバイオティクスの菌株を区別することは、健康の懸念事項に対する正しい治療法を見付けるための鍵となります。最新の研究では、特定の菌株は特定の症状に都合が良いといった可能性が示されました。多くの人々がプロバイオティクスを摂取する主な理由は、胃腸の健康を改善するためです。

一つの例を挙げましょう。もし過敏性腸症候群(IBS: irritable bowel syndrome)の診断を受けたら、十分量のL. plantarumやL. acidophilusそしてB. breveを含有するプロバイオティクス細菌を勧められるかも知れません。これらの3つは過敏性腸症候群の症状を軽減することが示されています(1)。別のオールラウンド菌株はビフィドバクテリウム‐インファンティスで、これも同じく過敏性腸症候群の治療においてプラスの効果があることを示しています(2)。他のプロバイオティクスの菌株は、歯肉炎や歯周炎に対する肯定的な結果を示しさえしています。近年では、数々のプロバイオティクス強化食品がかなり大々的に宣伝され、食料品店の棚に並ぶようになりました。その広く入手可能な選択肢から、いくつかを見て行きましょう。

カナダで、ダノンはDN173010亜種株をB.L. Regularisとして市場に出しています。研究では、この特定の菌株は、腸通過時間を短縮することが示されました。別の言葉で言うと、この菌株は、“規則正しい便通”を維持するのを助けます(3,4,5)。ある研究では、これは過敏性腸症候群のいくつかの症状を軽減する可能性があることも示しました(6)。

また、ダノンはDanActiveと呼ばれる製品を市場に出していますが、これはラクトバチルス・カゼイ(カゼイ菌)DN-114001を含んでいます。この菌種については、いくつかの良い効果を示す様々な研究がなされました。ある研究では、この菌株はストレスの多い時期に免疫機能を助け(7)、下痢やアレルギー性鼻炎の子供たちに良い (8)可能性があることが示されました。この菌株により、風邪は予防できないかも知れませんが、冬期の感染の持続期間を短縮する助けになるかも知れません(9)。

全体として、これらの例では、ある菌株がある個人に望ましくても、別の人にとってはそうでないかも知れないことを説明するべきです。一般に、各人に最も適しているのは一つの菌株もしくはいくつかの菌株の組み合わせでしょう。異なる健康状態に対する異なるプロバイオティクスの菌株について、研究はさらに絶えず行われています。


パートIII:服用量Probiotics Dosing

プロバイオティクスの服用量は、適応症や使用の意図により異なる可能性があります。広範な種類の健康問題に対する効果を示したいくつかの臨床試験に基づくと、米国家庭医学会では、子供には一日50-100億CFU(コロニー形成単位)、成人には一日100-200億CFUの乳酸桿菌種、ビフィズス菌種、そしてサッカロマイセス・ブラウディが勧められています(1)。さらに高い服用量は危険であるとは考えられていませんが、費用と必要性について疑問が上がるでしょう。一般的な健康維持のためには、成人で10から150億CFUの範囲の服用量が勧められています(2)。抗生物質を服用あるいは服用した人では、服用量と服用回数とは個々の場合で異なるかも知れません(2)。これらの場合には通常、ヘルスケア専門家は負荷投与量として(500億CFUに上る)非常に高服用量のプロバイオティクスを、そして2,3週間後には健康維持服用量への切り替えを勧める可能性があります。

服用量以上に、プロバイオティクスの効果に関して重要な要素は、胃腸管の通過を通して胃液や腸の胆汁塩に破壊されることなく生き残り、最終的には腸管内でコロニー形成するかどうかです(1,3,5)。コロニー形成というのは、プロバイオティクスが腸内に確実に住み着き、摂取後に排出されないことを意味します。プロバイオティクスはサプリメント、ヨーグルト、そして発酵食品中に含まれますが、これら食品は全て、腸に届けられる際には異なる動態を見せます。あるプロバイオティクスのサプリメントは腸容性のカプセルで覆われて、腸に到達するまでの送達の過程を助けている一方で、粉末や全体食品のような別のプロバイオティクス源では必ずしもこういった保護はありません。結果として、ヨーグルトは、それに含まれるプロバイオティクスの能力とその腸内コロニー形成の有効性とが両立しないことについて批判されました(6,7)。しかし、健康な20人のボランティアに商品として入手可能なヨーグルトを食べてもらったある臨床試験では、これらのヨーグルトに含まれるプロバイオティクスの菌種が、実際に、胃腸の通過過程を生き残り、完全に腸にコロニーを形成したことが確認されました(5)。全てを考慮すると、プロバイオティクスは食品と共に摂取する、あるいは腸容性のサプリメントを選ぶことが推奨されますが、これは胃の苛酷な酸性環境を生き残り、腸への到達を成功させることを意味します。その効能を高めるために、プロバイオティクスは一つ一つの製品の指示に従って保管しなければなりません。それというのも、いくつかの製品は要冷蔵で、全てのプロバイオティクスは保存可能期間が限られているからです。サプリメントや全体食品のプロバイオティクスの選択肢を手早く概観すると、大きく異なる服用量と菌種とが存在しますが、研究を手早く概観すると、品質保証が十分でないことが分かります(1,3)。


パートIV:結論Wide spectrum of important health benefits

近頃、様々な食品やサプリメントで頻繁にプロバイオティクスがニュースとなりましたが、プロバイオティクスは特効薬として作られたものではありません。多くの健康面についての管理と全く同様に、健康についての多くの異なる決定子(栄養、運動、ストレス管理)に取り組むための統制されたアプローチは、単一の治療よりもずっともっと成功することでしょう。プロバイオティクスは消化関連の健康問題に対する治療として用いるのに今も実績があり、他の特有の健康問題や健康状態に取り組むための健康プランの一部となるでしょう。

あなたはプロバイオティクスのサプリメントを服用すべきでしょうか?これは、免許を持つ健康専門家と一緒に決めなければならない決定事項です。プロバイオティクスが豊富に含まれる食品を取り入れることは、それぞれ各自で出来ることですが、言及されたとおり、そのような食品はスーパーや健康食品店で容易に入手できます。健康一般やウェルネスのためには、ザワークラフト、キムチやヨーグルトのような食品を食事に加えることは、いくつかのプロバイオティクスを摂取するのに素晴らしい方法です。通常これらの食品はコスト効果が高く、入手が簡単です。もしある健康状態をプロバイオティクスで治療したいと望んでいるならば、正しいプロバイオティクスを選ぶことというのは、薬剤と同様に、その特定の症状や全体的な症例に対応した正しい菌株や菌株の混合およびその正しい分量を見付けることです。これはヘルスケア専門家と並んで一緒に行わなければならないことです。それというのも、ヘルスケア専門家たちは、患者に正しい質問をすることができるばかりか、菌株、服用量、そして症状の改善に一番効果の高い胃腸細菌叢に対して一番良い影響をもたらすのはどのコロニー形成の可能性であるのかについて知っているからです。医師と話すのとは別に、研究や臨床試験による裏付けのあるサプリメントを選ぶことも推奨します。このアプローチは結果を保証するものではありませんが、あなたに有利となる確率を確実に上げるでしょう。またそうすることにより、選んだサプリメントの内容物が標準化され、その服用量が正確であることに信頼性を与える一助となります。