ケーススタディ: 疲労回復に効果的なアプローチ

自然療法医学の主要な役割の一つは教育で、事実、自然療法医学の指針の一つは「教師としての医師」です。 この原則は、自然療法医学の力を与える性質を強調していて、自然療法医の役目は、患者一人ひとりに対して、治癒に取り組むためのツール、教育、リソースを提供することだけです。これは、自然療法医学において私が気に入っている側面の一つで、患者が治癒に必要なサポートとリソースを手にし、自分の力で健康を取り戻していく姿を目撃することはとてもやりがいがあります。以下の症例報告は、自然療法医学がいかに治癒を促すかについて示しています。

アニーとの出会い

アニーは、10代の頃に競技スポーツをしていて、15歳から様々な痛みでカイロプラクティックに通い始め、大学でかなりストレスの多い時間を過ごしていました。特に秋と冬に頻繁に風邪、インフルエンザ、感染症にかかり、大学在学中に、一年のうちに8回連鎖球菌性咽頭炎を患ったことがありました。また、頻繁に頭痛や片頭痛が生じ、かなり衰弱していて、生理不順で、経口避妊薬を定期的に服用していました。アニーは、こんなに若くして、慢性的な健康問題を数多く抱えていることに対して不安を感じていて、体力を回復させ、慢性的な頭痛や片頭痛に対処し、気持ちを切り替えるための方法を見つけたいと思っていました。

評価と最初のステップ

ゆっくりと治療を始めました。まず、根本的な問題を探ることから始め、伝統的な漢方の観点から、高ストレスが原因で、脾気虚を患っていることは明らかでした。食事から最適な栄養を摂取するためには、消化が正常に行われることが大切で、消化不良な場合、体力や免疫系に影響が生じることをアニーに説明しました。 ². 早速、一週間のダイエット日記をつけ始めました。アニーは、冬にビタミンDを摂取することが重要であることを知っていて、すでに実践していました。私は、特に冬の間、ビタミンDを摂取し続けるようにアドバイスし、なるべく屋内で過ごし、外で日光に当たる時間を減らすことで、ビタミンD欠乏症を予防できることを伝えました。

一回目の再診

2週間後の再診では、アニーは風邪を引いていました。2週間前よりも体力が落ちていて、始終、胸の痛みを伴うような咳をしていました。かかりつけの医師の勧めで、胸部X線検査を受け、左肺が虚脱していたため、吸入器を使用していました。また、鉄欠乏性貧血のために、かかりつけの医師の処方に従い、鉄分を摂取していました。今回は、いくつかの重要な食事変更を一緒に行うことにしました。消化と免疫系の健康との関係について伝え、病気の治療に役立つ栄養豊富なスープについて話しました。温かい調理済み食品、温かいお茶、スパイスを摂取し、 冷たいローフード、過剰な砂糖、乳製品の摂取を避けるように伝えました。

2週間後

2週間後のウェブ再診では、アニーははるかに良い状態でした。風邪が治り、体力がかなり回復していました。乳製品の摂取をやめ、ジュースの代わりに水を飲んでいました。また、四旬節（断食のカトリックの伝統）を実践していたので、タイミングが良かったと言っていました。まだ吐き気がありましたが、気持ちが動揺するたびに吐き気が生じることに気づいていました。そして、慢性的な片頭痛やピルの長期使用により、血栓や脳卒中のリスクが高まるため、かかりつけの医師の勧めで経口避妊薬の服用をやめていました。 ストレスや感情的な動揺に対処するのに役立つ方法について話し合う中で、アニーは再び屋外ヨガを始めることを思いつきました。乳製品の摂取をやめ、甘い飲み物ではなく温かいレモン水を飲むことで効果が出ていることから、これを継続することにしました。また、毎日のビタミンD補給を続け、血液検査をした後、ビタミンB12と亜鉛も摂取することにしました。その他の避妊法についても話し合い、月経周期を記録し、産婦人科に通うための準備をすることにしました。

2ヶ月後の再診

2ヶ月後の再診では、アニーは、体力が非常に回復したため、とても喜んでいました。予想以上に明るく元気そうでした。一日中よりエネルギーに満ち溢れ、午後10時まで起きていられ、今までよりも2時間長く起きていられるようになっていました。頭痛はごくたまに起きるくらいになり、この前の再診以降、嘔吐はありませんでした。ストレッチブレイクとアウトサイドブレイクを日常生活に取り入れ始めていた他、周りの人たちの心配事を引き受けていることに気づき、それらは自分が心配することではないことを認識し始めていました。また、気分転換に単語捜しパズルを始めていて、とても楽しんでいました。状態が良くなっていることを一緒に喜び、役立つ新しい習慣を続ける重要性について話し合いました。また、肝臓とホルモンの健康をサポートするために、調理済み緑黄色野菜をより多く摂取することと、朝に温かいレモン水を飲み続けることにしました。

3ヶ月後の再診

3ヶ月後の再診では、アニーは、1ヶ月のうちに祖母と叔母を亡くし、再び頭痛に苦しみ始めていました。それにもかかわらず、状態がかなり良く、初診の時よりもはるかに体力があり、過去3ヶ月にわたって実践してきた食事の変更を続けることにワクワクしていました。

6ヶ月後の再診

毎月診断を続け、初診から6ヶ月後、アニーの状態は非常に良くなっていました。一日中エネルギーに満ち溢れていて、家族や友人に気づいてもらえるほどになっていました。乳製品の摂取を控え続けていて、乳製品を摂らないことで気分が良くなり、食事やおやつをかなり工夫していました。家族が支えてくれていることに非常に喜んでいました。月経周期を正常にすることを目指し、 6ヶ月ほど前に経口避妊薬の摂取をやめて以来、より月経周期を意識し始め、基礎体温を記録しながら月経周期を把握し、それをもとに計画を立てるようになりました。 毎月の健康診断で大きな効果が見られたため、引き続き診断を行うことにしました。また、秋に備えて、今後数ヶ月のうちに、再び免疫系の健康に取り組むことにしました。

1年後

1年間にわたり、食事とライフスタイルに重要な変更を加えてきました。これによって、アニーの状態は劇的に改善されました。 1年前に出会った時、アニーは疲れ果てて、吐き気に悩まされ、絶望していましたが、今は、毎日を乗り切るためのエネルギーに満ち溢れています。アニーは、様々な食べ物が体に与える影響や、気分が良くなる食事に精通しています。周りの人たちとうまく付き合うために、ほどよく距離を置くことを学び、自らを酷使せずに成果を最大限に得るための環境をつくりました。より体を大切にし、健康を保つための方法を学び、気分を最高の状態に保つためのリソースを蓄えてきました。また、わからないことや不安がある時や、押しつぶされそうになった時に、助けを求めることを学びました。

今後は？

アニーとともに治療に励み、アニーが健康に関する知識を得ながら、ライフスタイルを熱心に変更し、健康状態が改善されていくのを目の当たりにでき、光栄です。今、アニーは、健康に対する見方が全く変わり、常に健康を改善し、健康上の問題に対処することを目指しています。今後、アニーの健康状態がどのように変化していくかを見るのが楽しみです。